22. マジでキスする1秒前!?
わがままボディーに悩殺され、1次予選は1ミリもダンスを観てなかった私。
間もなく準決勝が始まった。
準決勝は例のごとく応援合戦だったが、応援しながら忘れていたある事に気付いた。
社交ダンスには男性が存在するということを。
男性は一体ナニしてんだろ?
そう思いながら見ていると、女性の周りをくっついたり離れたりしながらウロチョロしている。
たまにカッコつけたポーズを作る。
あとはもっぱら女性のサポートといった感じである。
自分の出番が終わりスーツに着替えて来た部長に聞いてみた。
「競技ダンスは女性が華なんだ。女性が良く見えるカップルっていうのは男性が上手いってことなんだよ。」
へぇ〜、それぞれが好き勝手踊ってる訳じゃないんすね。
「競技とは言っても社交ダンスだからね。それじゃ他のダンスと変わらないし、手を繋いでいる意味がないからね。」
そりゃそうっすね。
「大切なのはリード&フォローさ。まぁ、まだ難しいから段々と覚えていけばいいよ。」
はい、あざっーす!
チャチャチャ、サンバと順調に準決勝が進んでいく中、私は次のルンバで驚愕の光景を目の当たりにすることとなった。
ルンバが始まり、セクシー先輩の組を見ていた時だった。(注:セクシー先輩のリーダーは主将である)
ルンバが始まるやいなや、セクシー先輩が主将の体にしなだれかかり、わがままボディーを押し付けながら顔を近づけ始めたのである。
あ~、確かルンバは愛の踊りだっけ。
その顔はなんとも悩ましげな表情を浮かべながらどんどんと主将の顔に近づいていく。
あれ?でもコレちょっと近すぎない?
接近は止まらない。
えっ、コレもしかしていっちゃうパターン?
さらに顔が近づく。
ウソでしょ〜、こんな公衆の面前で?
もうお互いの唇まで10cm! ヤバい!
いっちゃう!? いっちゃう!?
と思われたその瞬間、セクシー先輩は両手で主将の体を押し、その勢いで一気に主将から離れていった。
せんのか〜い!!
一気にズッコケた私を見た部長は
「さすがにアレは照れるよな〜。でもセクシー先輩は始まるとハイっちゃうからな〜。」
ハイる?
「そうそう、ルンバのストーリーに入って成りきっちゃうんだ。」
ほぉ〜、でもあんな表現を何でもない関係のオトコと出来るもんなんすか。
「だいたいの女子は出来るみたいだよ。実際にあの2人も付き合ってないしね。」
マジか。女ってコエ〜。
もしオレがあんな事をされた日には・・・
惚れてまうやろ〜❗
水着みたいな格好した女性にあれだけ迫られて何も感じない男性がいるであろうか?
そんな奴はオトコじゃねぇー!
次回、セクシー先輩にドキドキが止まらない私をさらなる衝撃が襲う!
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