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今さらの乳離れ

思春期にどうしても言えなかったこと。

離婚後に母が家に新しい男性を連れてきたこと。

それが嫌かどうか聞かれた時、「別に」としか言えなかったこと。

嫌に決まっている。そんなの当たり前じゃないか。

でも子供心に「母には母の幸せがある」と思った。

絶対に嫌とは言えなかった。

その後もその男性は頻繁に家に出入りするようになった。

嫌だけど言葉には出来なかった。

でも態度には出てしまう。

気持ちと言葉が裏腹な日々。

反抗期も重なり会話もままならなくなった。

おそらく母もそうとう扱いづらかったに違いない。

お互いにギスギスとした6年間だった。

なぜあの頃、「ホントは嫌だけど、母さんが幸せなら受け入れる」と正直に言えなかったのか。

故郷を離れて会うこと自体が少なくなったせいで、そんな感情はだんだんと薄れていった。

やがて嫌だと思っていたことさえ忘れていた。 

でも無くなった訳じゃない。

その時の暗い感情は今も私の心の奥底でくすぶり続けていた。

今の自分なら「なに親に遠慮してんだよ!」ってあの頃の自分に言ってやる。

これを伝えない限りは本当の意味で乳離れ出来ないと思った。

私はあの頃正直に自分の心情を伝えられなかったことを母に詫びた。

申し訳なかったと。

そのことを後悔していると。


後悔していたのは母だった。

そんなことわかっていたと。

深く傷付けたことをずっと後悔していると。

お互いに正直になれなかっただけだった。

でもお前がまともに育ってくれて良かったと。

もし私がまともに育ったというのなら、それは母がちゃんと私を“人育て”してくれたお陰だ。

本当にありがとう、そして今までごめんなさい。

私はようやく1人の人間として母と向き合えた気がする。




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