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事業に「熱」が入ったと感じた瞬間

「あ、これだ」

なんとなくだけど、そう思った時から事業に熱が入った。

自分の気持ちの変化を備忘録として残しておきたいと思ったのでnoteを更新

1. 事業に熱が入る前

ここで言う事業というのは、自分が立ち上げた会社で展開しているお仕事のこと。別にスタートアップとして上場を目指しているわけでもない。

公認会計士として国内外で財務・経営のコンサルティングをした後、自分の好きを探すフリー期間(半ニート期間)を経て起業しただけ。

起業してからは、知人から紹介してもらった顧客の案件をこなしつつ、法人営業をして顧客の開拓チャネルを築こうと思っていた。

ただ、3ヶ月経つか経たないかくらいで法人営業に違和感を感じる。
コロナでオンラインベースの商談になっていたこともあるが、話し相手はみんな(結局)自社の商材を売ることに一生懸命。

キャッチボールしてるかと思いきや、ドッジボールが始まる感じ。

自分自身も(最終的には)自社サービスを使ってもらいたいとの気持ちがインセンティブとして働いていたはずなので、これは仕方がない。

それよりも問題なのは、自分が提供しているサービスに「想い」が込められていないことに気付いたこと。

もっとわかりやすく言えば、「使命感がなかった」こと。

事業内容はざっくり言うと「財務や経営に関するコンサルティング」。
そもそも顧客が抱えている経営企画やバックオフィス系の課題解決がサービス内容なのだから、正直そこに使命感をかぶせるのが難しかった。

起業してすぐにMVV戦略(自社のミッション、ビジョン、バリュー)を作ったけど、今思えばそれも自分の自己満足で作っただけだったのかも。

そんな熱の入っていない事業を変えるキッカケとなったのが「何気なく書いた1枚の図」だった。

2. 事業に熱が入ったキッカケ

キッカケと言うと大げさな気もするけど、強いて言えば以下の図を書いてみたことが自分の気持ちを変えることにつながった。

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今見ても汚い。

これは横軸に「会社の規模」、縦軸に「会計コンサルに対するニーズ」を取ってアレコレ書き込んでみたもの。

こうやって図に書くことで、自分の会社がターゲットとしている会社像や、顧客が求めているニーズを整理するのが目的だった。

図を書いてみると、
「あれ?顧客ターゲットが広すぎない?」ということに気付く。

会社の規模によって抱えている悩みは様々で、案件によって求められるアドバイスやサポートも当然異なってくる。

海外で働いている時は、中小企業から上場企業まで幅広く「形」を変えてサポートしていたのである意味当たり前になっていたのだけど、いざ自分で起業してリソースの少ない中で突き進むとなると「非効率」と言わざるを得ない状況だった。

自分のことになると、バイアスかかって客観的に見えなくなるのは事業でも同じだなと痛感し反省。


次に考えたのは、「ターゲットをどこにしぼるか」ということ。

リソースがない会社が生き残るためには、シンプルだけど「1点集中」しかないと思った。

弱者が強者に勝つ戦略とも言われる「ランチェスター戦略」も本質は同じ。

主なターゲット候補は、以下の通り
・ 零細企業(個人事業主含む)
・ 中小企業
・ スタートアップ
・ 海外企業(海外の日本子会社)
・ 上場企業 

「顧客の声を直接聞いて仕事したい」という想いがもともとあって海外に行ったこともあったので、規模的には上場企業以外があてはまる。

ここに「顧客の課題」をあてはめてみた時に、ふと思ったことが1つ。

「そういえば、日本企業の大部分を占める中小企業は社長の高齢化が進んでいて、後継ぎ問題が深刻化しているんだよな」

こんな風に思ったのは、2021年になってから(Twitterで)始めた「企業分析」を通じて、色んな企業のビジネスモデルや市場データを集めていたから。

コンサルタントとして多種多様な企業のビジネスを知っておきたいのはもとより、日本のビジネス環境を学び直しつつ、自分が好きなpython(プログラミング言語)を事業に活用する目的で始めたのが企業分析だった。


「後継ぎ問題が深刻化している」と聞いても「まあ少子高齢化だしそうだよね」で終わるレベルの話かもしれない。

ただ自分の場合、たまたま父親がソフトウェア会社を経営していることもあり、意外と身近な問題ではあった。

父は「自分は死ぬまで仕事をする!」と常日頃から母に話をしているらしく、それを聞いて「仕事一筋だな~」と感心していたのだが、日本が抱える後継者不足の観点から考えれば身近に課題が存在していることになる。

日本における中小企業を中心とした経営者の平均年齢は69歳とかなり高齢化が進んでいるのはデータで知っていたが、父も今年65歳になるのでサンプルn=1ではあるが、なんだか妙に納得してしまった。

気になると頭から離れないので、そこから「後継ぎ問題」や「事業承継」について色々調べてみた。

するとここでも思ったことが2つほど。

1つ目は、シンプルに面白そうだということ。
後継者を見つけるという点にフォーカスされがちだが、実は会社の魅力を高めて社長の意志や想いを引き継ぐことが本質的と言える。

そして、会社の魅力を高めるためには経営財務を中心とした幅広い総合的なサポートや専門性が必要になり、自分が持つ価値も発揮出来るし、何より顧客である社長の声や想いを近くで聞ける。

2つ目は、「事業承継 = M&A」の流れが少なからず存在すること。
後継者が見つからなかった場合の最終手段として、M&Aを選択するのは雇用も守れるので当然ありだと思う。

ただ、100%理想的な手段ではない。
社長の事業に対する想いの度合にもよるが、これだけ社長の平均年齢が高齢化していることを踏まえれば、事業に対する想いも人一倍のはず。

若い起業家が事業を育てて売却するのとはタイプが違う。

それなのに「後継者がいないならM&Aしましょう」といったマーケティングを度々見かけるので、この流れは潰したい。

本当に顧客のためを思い、シナジーを活かせるM&Aならいいが、ただマッチングして利益相反さながら報酬を得るのが目的なら、顧客がそっちに流れるのは当然阻止したい。


そう思った瞬間、

「顧客が直面する事業承継の不安や負担を取り除きつつ、大切な想いを次世代につなげる手助けが出来たらいいな」

と思うようになり、事業承継コンサルティングを始めた。

地方や遠くにいる経営者にも届くように、オウンドメディア(https://matsuyoi.pro/)を始めた。



たぶん、きっとこれが、事業に熱が入った瞬間。



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