ミャンマー情勢レポ No.3(2021/04/06)
オンライン取材も2週目に突入して、少し視界が広がってきたように思う。
ミャンマー黒軍クーデター政権は、これから他の東南アジア諸国と一体になって、中国の一帯一路構想実現に向け邁進することにしたのではないだろうか?東南アジア諸国は、この黒軍クーデターや民間人殺戮に対してあまりに静かではないか?
中国の<一帯一路構想>をみると、そのスケールは広大で、ミャンマーもその極一部にしか過ぎないことがわかる。
しかし、中国(香港を含む)及び中国の衛星国であるシンガポールからミャンマーに対する投資は巨額であり、欧米の影響力はないに等しい。
例えば、シンガポール。一国で1兆円を超えるダントツの投資がなされている。
ミャンマー:石油・ガスパイプライン、幹線道路
ミャンマーだけでなく、インドシナ半島、マレー半島においても、すでに一帯一路を具現化するさまざまなプロジェクトが動いていて、タイ、ラオス、マレーシア、シンガポールは中国の顔を伺うことなく身動きをとることはできない段階まで来ている。
タイ:クラ運河、タイ・中国回廊(バンコクー昆明;一部ラオスを経由)、ミャンマー・ベトナム東西2回廊(途中、カンボジア、ラオスを経由)
マレーシア:マラッカ海峡バイパス新鉄道計画
上述したどのプロジェクトも、中国の対外的な経済活動にとって死活問題であり、ボトルネックであるマラッカ海峡、シンガポールをを経由した海上運送をバイパスするためのものであることが一目瞭然である。
さて、海外のマスコミとして唯一ミャンマー黒軍に取材を許された米CNNが、黒軍スポークスマンにインタビューする機会を得た。
(CNN質問)ミャンマーの今の状況をもしアウンサン将軍が見たら、何とおっしゃるとお考えですか?
(黒軍スポークスマン回答)彼はこう言うだろう。「何と愚かな娘(アウンサン・スーチー)か」と。
この黒軍スポークスマンの言葉が、多くを語っているように思う。アウンサン・スーチーが目指そうとした<何か>を全否定したのである。
その何かとは?
どうも上述の東南アジアにおける一帯一路構想の実現と、それに対するスーチーの関わり方にあるのではないだろうか?
つづく
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