「東京ダルバートMAP」の歩き方
東京で、ネパールの国民食「ダルバート」を出す店を食べ歩いたら、確認できただけで200店以上ありました。それをGoogle マップ上に配置したのが、「東京ダルバートMAP」です。
この記事では、東京ダルバートMAPがどんなものかや、その使い方をご紹介します。東京に無数にあるネパール人経営のインド料理屋さんが、ダルバートを介したトリップポイントになるかもしれない、というお話です。
🇳🇵「ダルバート」とは
豆のスープ(ダルスープ)と、ご飯がセットになった、ネパールの定食。ダルは「豆」、バートは「ご飯」の意味です。そこにカレー、野菜などのおかず(タルカリ)、漬物(アチャール)、青菜炒め(サグ)、生野菜などが付くことが一般的です。要は、日本の味噌汁定食のようなもの。ネパールではダルバートを、1日2回ほど食べるのが一般的だそうです。
ダルバートはこんな感じです。
↑蒲田・ソルマリのダルバート
↑阿佐ヶ谷・マティナ ダイニングのダルバート
↑立川・マナカマナ(モモ)のダルバート
↑新大久保・ラトマトのダルバート
ダルスープやカレーは、さらさらのスープタイプであることが多いです。感じ方は人それぞれですが自分の場合、スパイシーではあるけどシンプルな味わいで家庭料理っぽいやさしさがあり、体にも妙にしっくりくることから、ダルバートを好きになっていきました。野菜が豊富なところも好きです。
🇳🇵「東京ダルバートMAP」とは
東京都内でダルバートを提供するネパール料理店=ダルバートスポットを、Google マップ上に配置した地図です。
MAP上のダルバートスポットの多くは自身が訪店しましたが、訪店できていないお店は、その筋の専門家に写真等を提供いただきました(協力いただいた方々は後ほどご紹介します)
🇳🇵なぜMAPを作ったのか(1)
MAPを作った一番の理由は、ダルバートスポットが意外と見つけにくいことです。ダルバートがほぼ必ずあるのは、ネパール料理専門店と呼べるようなネパール料理をメインに出すお店ですが、ネパール料理専門店は数が少なく、例外的に密集する新大久保界隈などをのぞくと、かなりレアです。
もう一つ、ダルバートの大きな供給元となるのが、ネパール人が手掛けるインド・ネパール料理店、通称インネパ店です。街なかによくある、カジュアルな雰囲気のインド料理店ですね。そうしたお店の多くが、ネパール人経営です。
ただしネパール人の店といっても、全てのインネパ店にダルバートがあるわけでは決してありません。インネパ店は、日本人に知名度の高いナン&クリーミーなインドカレー(通称ナンカレー)をメインに据え、日本人に知名度の低いダルバートは置かないことが多いからです。したがって、今やまるで巨大なフランチャイズチェーンのように無数にあるインネパ店の中でも、ダルバートを出す店はわずかです。
そんな背景から、ダルバートを食べられるお店をMAP化したら、なかなか有用なのではないかと考えました。これまで知らなかったダルバート提供店を知った瞬間は、まるで日々の日常の中に非日常へのドアが忽然と現れた感覚があります。それを一人でも多くの方に共有してもらえたらいいなと思っています。
🇳🇵なぜMAPを作ったのか(2)
それともう一つ、東京ダルバートMAPにはささやかな目的があります。ダルバートスポットを増やすことです。MAPを見てダルバートスポットに行く人が増える→ダルバート提供店が繁盛する→それを見た他の店もダルバートを出すようになる→ダルバートの知名度が上がり、ダルバートを食べに行く人がより増える…(以下、リピート)。
そんな良きダルバートサイクルが生まれ、結果、日本の定食屋さんに生姜焼き定食があるくらい、インネパ店にダルバートが当たり前に置かれる世界がやってきたらいいなと。このMAPにできることなどミジンコ大かもしれませんが、少しでもその一助になればと思っています。
🇳🇵MAPの使い方
・ダルバートスポットは、MAP上ではネパール国旗🇳🇵で表示しています。地図上の🇳🇵をタップすると、店名とあわせてダルバートの写真と、SNSの実食レポートのリンクが表示されます。
・ダルバートの中にも「ネパールっぽさ」のグラデーションがあり、純ネパール式といえるようなダルバートから、インネパ要素の入ったダルバート(ダルスープがダルカレーだったり、カレーの粘度が高かったり)、時にはほぼダルカレーとライスを合わせただけの“無理やりダルバート”的なものまであります。そうした塩梅を、ダルバートの写真や、SNSの投稿内容でつかんでいただければと思います。
個人的には、インネパダルバートもごはんによく合う定食として好きですが、やっぱりネパール色の強いダルバートが、家庭的なやさしさも感じられて大好きです。
・訪店できていない一部のダルバートスポットに関しては、ダルバートの写真は貼らず、食べログページのリンクを付けています。
・スマホ・PCを問わず、ブラウザとGoogle マップアプリの両方で見られます。ただ、アプリだとなぜかURLリンクが機能しなくなるので、おすすめはブラウザの方です。が、ブラウザの方にも、現在地ボタンが出ないという欠点があります。痛し、痒し。どなたか良いお知恵がありましたらご教示ください。
・もしスマホで日常使いする場合、現状のベストは、MAPの直リンクをコピペし、ブラウザで開いてブックマークし、使う際にはブックマークから開いてもらう形かなと思います。
MAP直リンク→https://bit.ly/3C05D8X
Safariだと🇳🇵をタップしても店情報が出てこないことがありますが、その場合は🇳🇵を押した後、画面下のアドレスバーのすぐ上の空白部分をタップすると、店情報が出てきます。Google Chromeで店情報が出てこない場合は、再読み込みで解決するようです。
・店名表記は、ネパールの方にも読んでもらえるよう、英字表記にしてあります。日本語表記は説明欄に記しています。
・一部「メニューにダルバートはないけど提供可能」というお店もあるので、説明欄にその旨とオーダーの仕方を記しています(書きもれているお店もあるかもしれません…)。
・たいていはダルスープ&ライスはおかわり可能ですが、カレーの具をのぞいたスープもおかわり可だったり、逆にライスのみおかわり可だったり、時にはおかわりが有料あるいは不可だったりと、こちらもグラデーションがあります。もりもり食べたい方は、食べる際にご確認ください。
・時おりダルバートの写真に青唐辛子が入り込んでいますが、これは注文時に「グリーンチリありますか?」と聞き、サービスで出していただいたものです。
🇳🇵東京ダルバートMAPの今後
この先も、東京ダルバートMAPを育て続けていきたいと思っています。まだ網羅できていないダルバートスポットもあるでしょうし、今後新たなダルバート提供店も登場するでしょう。逆に閉店、ダルバート提供の取りやめなどもあるでしょう。特にインネパ店界隈は変化のスピードがとても速いので、どんどん更新していければと思います。
そしてみなさんも、もし新たなダルバート情報があれば、ぜひおタレコミください。田嶋がつかんだ最新ダルバート情報は、Twitterアカウントで投稿していますので、気になる方はフォローください。また、新たなダルバート情報をTwitter等で投稿する際は、ハッシュタグ「#東京ダルバートMAP」 を付けてもらえると助かります。
あわせて今後は、ダルバート界隈のキーマンへのインタビューをはじめ、ダルバート関連記事も順次公開していく予定です。
🇳🇵ご協力いただいた方々
以下の専門家の方々に、ダルバート写真とSNS投稿リンクをご提供いただきました。誠にありがとうございました。
・アジアハンター 小林真樹さん
・じょいっこさん
・カレーの島田さん (阿佐ヶ谷書院 主宰)
・sweetie_toshさん
🇳🇵ダルバート関連リンク
・『日本のインド・ネパール料理店』小林真樹
・『ダルバートとネパール料理』本田遼
・『旅の指さし会話帳25 ネパール』野津治仁
・ダルバート Dal bhat by フクロウの気の向くままに(大阪、兵庫、京都、奈良のダルバートMAP)
・日々のダルバート情報(ネパール現地のダルバートレポート)
🇳🇵田嶋がこれまでに書いた&話したダルバート関連記事