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融合問題編《B3》図形-三平方の定理

 右の図のように,縦が1cm,横が2cmの長方形ABCDがあり、辺AD,BCの中点をそれぞれE,Fとする。
また、袋の中には、この長方形の辺上の点を表すA,B,C,D,E,Fの文字が1つずつ書かれた6個の玉が入っている。
 この袋の中から同時に2個の玉を取り出し,それぞれの玉に書かれた文字が表す点を結ぶ線分をひき,その線分の長さを$${d}$$ cm とする。
① $${d}$$が1となる確率を求めなさい。
② $${d}$$が整数とならない確率を求めなさい。
(福島県2012)

問題をとく前に・・・

 これも三平方の定理を使うので、中3の学習分野。ただ確率の融合問題で三平方の定理を使うのは図形単体の問題よりも、むしろ座標を絡めた問題の方が圧倒的に多いのです。確率に座標に三平方と、融合しまくり感が出るからかもしれません。

 ここでは、とりあえずはそこまで融合されていない、座標とは関係のない三平方の定理だけの問題をあげておきましょう。

分母は・・・

6個の中から2個同時に取り出すので、C型で考えればよいですね。

表を書くと次のようになります。

なので、分母は15になりますね。

(1)の分子

 距離dが1になるのは、次の7通りです。

 これをいちいち列挙して考えようとすると、EF=1は見落としてしまうかも知れません。中学校のタイミングは、まずは表を書いて、この場合はどうかな?と考える方が、安全です。

(2)の分子

 全部で15通りなので、それぞれの場合について、$${d}$$の値を求めて置いてもいいかもしれません。とにかく1か2以外の斜めになったら整数ではない、というところです。

答は・・・

(1) $${\bm{\dfrac{7}{15}}}$$   (2)  $${\bm{\dfrac{2}{5}}}$$

問題をといたあとで・・・

 例えば図形をちょっと変えてみよう。縦が4cm,横が6cmの長方形ABCDがあり、やはり辺AD,BCの中点をそれぞれE,Fとする。このときに(2)を解いてみましょう。


 「引っかけ問題」というのはこういう風に作るのだ、というのがわかるかも知れません。

類題

 兵庫県2022,神奈川県2020



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