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神奈川県-追検査|公立高校入試確率問題2022

 右の図1のように,1から13までの整数が1つずつ書かれた13枚のカードがある。
 大,小2つのさいころを同時に1回投げ,大きいさいころの出た目の数を$${a}$$,小さいさいころの出た目の数を$${b}$$とする。出た目の数によって,次の【ルール】にしたがってカードを取り除き,残ったカードの枚数について考える。

【ルール】
・$${a=b}$$のとき,$${a}$$以上の素数が書かれたカードをすべて取り除く。
・$${a<b}$$のとき,$${(a+b)}$$以上の偶数が書かれたカードをすべて取り除く。
・$${a>b}$$のとき,$${b}$$以上の奇数が書かれたカードをすべて取り除く。

----- 例 -----
 大きいさいころの出た目の数が3,小さいさいころの出た目の数が5のとき,$${a}$$=3,$${b}$$=5だから,$${a<b}$$となり,【ルール】により8以上の偶数が書かれた[8]と[10]と[12]のカードを取り除く。
 この結果,図2のように,残ったカードの枚数は10枚となる。

 いま,図1の状態で,大,小2つのさいころを同時に1回投げるとき,次の問いに答えなさい。ただし,大,小2つのさいころはともに,1から6までのどの目が出ることも同様に確からしいものとする。(マークシート形式から改題)

(ア)残ったカードの枚数が11枚となる確率を求めなさい。

(イ)残ったカードの枚数が7枚となる確率を求めなさい。

分類:❸(裏返す、取り除く)

アプローチ1 素直にさいころ2個だから表

 偶然は大・小2個のさいころで起こりますので、表をかきましょう。
 そして、さいころとは別の13枚のカードを操作しますので、表の各マスに何をかくか、ということを考える、ということになります。

 ルールをみる通り、$${a=b}$$、$${a<b}$$、$${a>b}$$の3つの場合がありますので、それぞれに①・②・③と名前をつけて、それぞれの場合ごとに考えることにしましょう。

 ①は対角線にあたる部分です。$${a}$$以上(で13以下)の素数が書かれたカードを取り除きます。表に取り除くカードをかいておくことにします。

 ②は右上の部分です。$${(a+b)}$$以上(で13以下)の偶数ですから、いったん$${(a+b)}$$をかいてから考えた方がいいかもしれません。

 ③は左下の部分、$${b}$$以上(で13以下)の奇数を書き入れます。②と条件が対照的にはなっていないので、注意を。

 (ア)・(イ)の問題文を読むと「残ったカードの枚数」が最終的な判断条件となりますが、「何のカードを取り除いたか→取り除くカードの枚数」を数えれば自動的に残ったカードの枚数も出てきます。念のため、取り除いたカードの枚数をあらためて表にしておいてもいいでしょう。(残ったカードの枚数の方を表にしてもいいですが、ちょっと混乱するかもしれませんね。数えた数をそのまま書き入れる方がいいような気がします)

 (ア)は、残ったカードの枚数が11枚ですから、取り除いたカードが2枚のとき、〇をつけたところが当てはまります。3通りですから、確率は$${\dfrac{3}{36}=\bm{\dfrac{1}{12}}}$$となりますね。

 (イ)は、残ったカードの枚数が7枚、つまり取り除いたカードは6枚です。✓印を数えると9通りありますから、その確率は$${\dfrac{9}{36}=\bm{\dfrac{1}{4}}}$$

(1)$${\bm{\dfrac{1}{12}}}$$   (2)$${\bm{\dfrac{1}{4}}}$$

問題を解いた後に・・・

アプローチ2 ・・・ということは? で考える?

 アプローチ1で書いたように、「残ったカードの枚数 ← 取り除いたカードの枚数 ← 何のカードを取り除いたか」のようにさかのぼって考えればいいわけですから、①・②・③のそれぞれのルールが適用される場合について、「(ア)2枚取り除く場合」と「(イ)6枚取り除く場合」がどれだけあるかを考える、というふうに「さかのぼって」考えると、別の場合を考えなくてもいいので、もう少しスマートな解き方になります。
(※ただし、もう少し正確に気を付けて言うと、①・②・③が同時に起こらないので場合分けをして、場合分けしたものをあとでたし算すればよい、という考え方が可能だから、この考え方をしてもよいということです。「①・②・③が同時に起こらないので」というチェックの仕方は高校範囲で学習する内容ですので、その意味で、アプローチ2は、中学範囲を超えた解き方といわざるを得ないのですが・・・)

①:$${a=b}$$ の場合

(ア)2枚取り除く ⇔ [13]と[11]の2枚を取り除く ⇔ $${a}$$と$${b}$$が10か11の場合 ⇔ そんな場合はありえない

(イ)6枚取り除く ⇔ [13]と[11]と[7]と[5]と[3]と[2]の6枚をとる ⇔ $${a}$$と$${b}$$が2か1の場合の2通り

②:$${a<b}$$ の場合

(ア)2枚取り除く ⇔ [12]と[10]の2枚を取り除く ⇔ $${a+b}$$が9か10の場合 ⇔ $${a+b}$$が9になるのは$${(a,b)=(3,6),(4,5)}$$、$${a+b}$$が10になるのは$${(a,b)=(4,6)}$$の3通り

(イ)6枚取り除く ⇔ [12]と[10]と[8]と[6]と[4]と[2]の6枚をとる ⇔ $${a+b}$$が1か2の場合 ⇔ そんな場合はありえない

③:$${a>b}$$ の場合

(ア)2枚取り除く ⇔ [13]と[11]の2枚を取り除く ⇔ $${b}$$が11か10の場合 ⇔ そんな場合はありえない

(イ)6枚取り除く ⇔ [13]と[11]と[9]と[7]と[5]と[3]の6枚をとる ⇔ $${b}$$が3か2の場合 ⇔ $${(a,b)=(4,3),(5,3),(6,3),(3,2),(4,2),(5,2),(6,2)}$$の7通り

(ア)をまとめると

 残ったカードの枚数が11枚となる場合は、0+3+0=3で、あわせて3通り。その確率は$${\dfrac{3}{36}=\bm{\dfrac{1}{12}}}$$

(イ)をまとめると

 残ったカードの枚数が7枚となる場合は、2+0+7=9で、あわせて9通り。その確率は$${\dfrac{9}{36}=\bm{\dfrac{1}{4}}}$$



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