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静岡県|公立高校入試確率問題2021

 1から3までの数字を1つずつ書いた円形のカードが3枚,4から9までの数字を1つずつ書いた六角形のカードが6枚,10から14までの数字を1つずつ書いた長方形のカードが5枚の,合計14枚のカードがある。図2は,その14枚のカードを示したものである。
(図挿入)
 1から6までの目がある1つのさいころを2回投げ,1回目に出る目の数を$${a}$$,2回目に出る目の数を$${b}$$とする。このとき,次の問いに答えなさい。
(ア 確率分野ではない独立した問題なので省略)
イ 14枚のカードから,カードに書かれている数の小さい方から順に$${a}$$枚取り除き,さらにカードに書かれている数の大きい方から順に$${b}$$枚取り除くとき,残ったカードの形が2種類になる確率を求めなさい。ただし,さいころを投げるとき,1から6までのどの目が出ることも同様に確からしいものとする。

分類 応用編❹取り除く

条件からさかのぼって考えるしか・・・

 このnoteのシリーズの解き方としては、さいころ2回は表をかいて,表の計36マスについて、それぞれ条件を満たすかどうか考える,という解き方をすすめているのですが,この問題は問題文を読んで「ということは」と条件を読み替えをして、条件から絞っていくやり方が,圧倒的に早くなる問題です。

残ったカードの形が2種類になるということは・・・

 残ったカードの形が2種類になるとき、その2種類とは
(場合1)円と六角形
(場合2)六角形と四角形
のどちらかです。それぞれ同時には起こらないので、場合1と場合2でそれぞれ分けて考えることにします。

(場合1)円と六角形

 少なくとも(円のいちばん端の)3番目はのこっていないといけないので、$${a}$$は3以上が出てしまうとアウト。つまり1か2である必要があります。一方、四角形はすべて取り除かれるので、$${b}$$は5以上、つまり5か6ということになります。

(場合2)六角形と四角形

 今度は円はすべて取り除かれますので、$${a}$$は3以上。四角形は残っていないといけませんので、少なくとも左から5番目の10番は残っています。つまり$${b}$$は4以下でなければいけません。

 場合1と場合2で考えた条件を満たすところの枠に印をつけると、下のようになります。これらの条件を満たすのは20通りということになりますので、求める確率は$${\dfrac{20}{36}=\bm{\dfrac{5}{9}}}$$になります。

80OK受89㋔l。,

$${\bm{\dfrac{5}{9}}}$$

【研究】「じゃない方」を考えてみる

 さて、この表を見たときに、「じゃない方の方が少ないじゃないか,こっちを数えた方が早かったかも」と思う人がいるかも知れません。ところが、このときも場合分けになります。

(場合A)3種類が残っているとき

$${a}$$は3未満(1か2)かつ、$${b}$$は5未満(1~4)

(場合B)1種類しか残らないとき

円形だけが残るとか四角形だけが残るということは、この場合はあり得ないので、1種類残るということは六角形だけが残る、ということになる。こうなるのは、$${a}$$は3以上(3~6)、$${b}$$は5以上(5か6)

 この場合は、やってみたらこうだった、と言うことなので,あらかじめこちらからアプローチしたら楽だった、ということにはなりません。見極めが難しいところで、そういうときは正攻法でいくしかありませんね。


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