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奈良県|公立高校入試確率問題2020

 次の[ ]内の【A】,【B】の文章は,確率について述べたものである。これを読み,①,②の問いに答えよ。

【A】 図2のように,袋の中に,1,2,3,4,5の数字を1つずつ書いた5個の玉が入っている。この袋から,同時に2個の玉を取り出すとき,奇数の数字が書かれた玉と偶数の数字が書かれた玉を1個ずつ取り出す確率を$${p}$$とする。
【B】 図3のように,袋の中に,赤玉が3個,白玉が2個入っている。この袋から,同時に2個の玉を取り出すとき,異なる色の玉を取り出す確率を$${q}$$とする。

① $${p}$$の値を求めよ。
② $${p}$$の値と$${q}$$の値の関係について正しく述べているものを,次のア~ウから1つ選び,その記号を書け。
  ア pの値は$${q}$$の値より大きい。
  イ pの値は$${q}$$の値より小さい。
  ウ pの値と$${q}$$の値は等しい。

 「見た目同じことが起こる偶然の確率」を理解するための、いい問題です。

偶然は2つ起こります。2個同時に取り出すので、表はいじり、順序も関係なくなるので、表はC型になります。

 すべての場合の数は15通り、そのうち2つとも奇数になる場合は表にある6通り。
というわけで、求める確率$${p}$$は、$${\dfrac{6}{15}=\bm{\dfrac{3}{5}}}$$

 玉が5個あって、同時に2個取り出すのは①と同じ。①に書いたことをコピペすると、偶然は2つ起こります。2個同時に取り出すので、表はいじり、順序も関係なくなるので、表はC型になります。

 そして、①と違うのは赤玉3個、白玉2個ありますので、見た目同じことが起こってしまいます。同様に確からしい事柄を並べるために5つを区別します。赤玉に1〜3、白玉に4・5の番号を振っておきましょう。

 すべての場合の数は15通り、そのうち条件に当てはまる場合は表にある6通り。
というわけで、求める確率$${q}$$は $${\dfrac{6}{15}=\bm{\dfrac{3}{5}}}$$

 結局、$${p=q=\dfrac{3}{5}}$$ですね。

① $${\bm{\dfrac{3}{5}}}$$    ② 

問題を解いたあとに・・・

 たまたま確率が等しく$${p=q}$$ということではなく、5つの玉のうち、3個のグループAと2個のグループBに分け、同時に2個取り出したとき、どちらもグループAのものである確率、というわけです。②で考える時に振った番号を、1〜3ではなく、奇数は赤、偶数は白としてしまえば、①の問題に置き換えて考えることができるわけです。
 そういう意味では「見た目同じことが起こる偶然」の問題の解き方を考えるための、いい問題ですね。

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