見出し画像

長崎県A・B|公立高校入試確率問題2014

 図1のように,1から7までの数字を1つずつ記入した7枚のカードが左から小さい順に並んでいる。大小2つのさいころを同時に1回投げて,大きいさいころの出た目の数を$${a}$$,小さいさいころの出た目の数を$${b}$$とするとき,次の操作を行う。

操 作
①7枚のカードの左端から$${a}$$番目のカードを取り除く。
②残った6枚のカードの右端から$${b}$$番目のカードを取り除く。

 ただし,それぞれのさいころの目は1から6まであり,どの目が出ることも同様に確からしいものとする。なお,カードを取り除くごとに,残ったカードは左側につめて並べるものとする。
 例えば,$${a}$$=5,$${b}$$=4のとき,7枚のカードの左端から5番目のカード5を取り除くので図2のようになり,次に残った6枚のカードの右端から4番目のカード3を取り除くので図3のようになる。

 このとき,次の(1)~(3)に答えよ。(※改題)

(1) $${a}$$=2,$${b}$$=3 のとき,残った5枚のカードの数字を左から順に書け。

(2) 残った5枚のカードが[1][2][3][4][5]となる確率を求めよ。

(3) 残った5枚のカードの右端が[6]となる確率を求めよ。

(4) 残った5枚のカードの左端が[2]となる確率を求めよ。

分類: 応用〈4〉取り除く(取り除く、塗りつぶす)

※A問題 問題文~(3)まで
※B問題 問題文~(2)までAと共通+上記(4)を(3)として出題

(1)は、とにかくやってみよう!

 $${a}$$=2ですから、左端から2番目[2]のカードを取り除き、続けて$${b}$$=3ですから右端から3番目[5]のカードを取り除きます。

 ですから、残っている5枚のカードは 1,3,4,6,7

(2)は・・・?

アプローチ1 とにかくかいてみよう!

 さいころ2つですので、表をかいてしまうのがいいでしょう。大きいさいころで取り除いた状態を書き添えておきます。

 すると、1~5が残るのは、$${a}$$=6,$${b}$$=1の1通りしかないことがわかります。

アプローチ2  …ということは?で考える

 残った5枚のカードが[1][2][3][4][5]となる、ということは[6]と[7]のカードを取り除くわけですが、1回目には左端から6番目のカードしか取り除けませんので、[6]のカードをとることしかできません。すると2回めに[7]を取り除くことになります。それは$${a}$$=6,$${b}$$=1のとき、ということになり1通りのみです。

 というわけで、求める確率は$${\bm{\dfrac{1}{36}}}$$です。

(3) ~7が取り除かれる確率

 (2)のアプローチ2でも見たように1回目で[7]が取り除かれることはありませんので、1回目になんの目が出ても2回目の目$${b}$$が1であれば[7]が取り除かれます。しかし、1回目に[6]を取り除いてしまうと、2回目が終わったあとの右端は[5]となります。
 表にしてみると、こういうことです。

 あてはまる場合の数は5通りですので、その確率は$${\dfrac{5}{36}}$$

(4) ~1が取り除かれる確率

 1が取り除かれる場合を考えるわけですが、1回目で1のカードを取り除くことも可能ですし、1回目に別のカードを取り除けば右端から6番目に[1]のカードが残っているわけですから、2回めに6の目が出て[1]を取り除く場合も考えられます。ただしここでも注意が必要なのは、$${a}$$=1,$${b}$$=5の場合や、$${a}$$=2,$${b}$$=6の場合は、左端は3となります。
 Aよりも複雑ですので、やはり、表をかいて考えた方が安心のようです。

 あてはまる場合の数は9通りですので、その確率は$${\dfrac{9}{36}=\bm{\dfrac{1}{4}}}$$

(1) 1,3,4,6,7  (2) $${\bm{\dfrac{1}{36}}}$$  
(3)$${\bm{\dfrac{5}{36}}}$$〔※A問題3番〕  (4)$${\bm{\dfrac{1}{4}}}$$〔※B問題3番〕

【研究】取り除くカードをa,bの文字で表せないか?

 取り除くカードを$${a}$$,$${b}$$の文字で表せないか? ということを考えてみましょう。たとえば$${a}$$=2のときを考えてみると、右から5枚のカードは順番通りに残っています。$${a}$$=4なら、右から3枚が順番通りに残ります。このとき、$${b}$$≦7-$${a}$$ならば、順番通りに並んでいるところからひくので、操作②で$${8-b}$$のカードをひくことになります。

 $${b}$$>7-$${a}$$ならばどうでしょう。最初に右から8-$${a}$$番目の$${a}$$のカードが取り除かれています。
 $${b}$$=8-$${a}$$か、$${b}$$>8-$${a}$$でさらに分けて考えましょう。$${b}$$=8-$${a}$$のときは、②の操作で右から$${b}$$番目の$${a-1}$$=$${8-b-1}$$=$${7-b}$$のカードをひくことになります。たとえば、$${a}$$=4のときは、①の操作で4のカードが取り除かれ、右から3枚が順番通り・その右隣りは3のカードになります。ですから$${b}$$=4となるときは3のカードを取り除きます。
 同じように$${a}$$=4、$${b}$$=5が出たら2のカードを取り除くことになります。やはり$${7-b}$$のカードをひいています。

ですから、次のようにまとめることができます。
(i)a+b≦7のとき (小さい順に)$${a}$$と$${8-b}$$
(ii)a+b≧8のとき (小さい順に)$${7-b}$$と$${a}$$

 このように定式化したうえで、(3)と(4)を考えてみましょう。

(3)では、7が取り除かれて6が取り除かれない、ということを考えます。
(i) $${a+b}$$≦7のとき (小さい順に)$${a}$$と$${8-b}$$
 $${a}$$が6ではなく、$${8-b=7}$$である場合、すなわち(1,1),(2,1),(3,1),(4,1),(5,1)の5通りが満たす。
(ii)$${a+b}$$≧8のとき (小さい順に)$${7-b}$$と$${a}$$
$${7-b}$$が6ではなく$${a=7}$$である場合だが、$${a=7}$$にはならないので、満たす($${a,b}$$)の組はない。

(4)は、1が取り除かれて2が取り除かれない、ということを考えます。
(i) $${a+b}$$≦7のとき (小さい順に)$${a}$$と$${8-b}$$
$${a}$$が1で、$${8-b}$$が2ではない組ということなので、(1,1),(1,2),(1,3),(1,4),(1,5)の5通りが満たす。
(ii)$${a+b}$$≧8のとき (小さい順に)$${7-b}$$と$${a}$$
$${7-b}$$が1、つまり$${b}$$が6で、$${a}$$が2ではない、そして$${a+b}$$≧8となる組ということなので、(3,6),(4,6),(5,6),(6,6)の4通りが条件を満たす。
 したがって、1が取り除かれて2が取り除かれない($${a,b}$$)の組は、あわせて9通り

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?