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愛媛県2022[レベル1~5]C型

 このnoteのシリーズでは、問題の解法をレベル1~5に分類し、そのうちレベル1の解き方で解ける問題が中学の確率の問題である、ということで解説をしています。

 特にレベル3以上は、高校で学習する内容が含まれます。レベルの違いとは何か、ということを示すために、同じ問題を、それぞれの解き方の「レベル」別に、何が違うのかを具体例として紹介しておくことにします。

 右の図のように,袋の中に,赤玉4個と白玉2個の合計6個の玉が入っている。この袋の中から同時に2個の玉を取り出すとき,赤玉と白玉が1個ずつである確率を求めよ。ただし,どの玉が取り出されることも同様に確からしいものとする。

レベル1

 同様に確からしいことがらを並べるため、1~4は赤玉、⑤・⑥は白玉の、番号付きの記号をつけて表をかきます。袋に戻さないので、同じ玉は取り出せないこと、条件は2つの玉の色を比べるだけですので、取り出す順番は関係しません。ですからすべての場合を数え上げるために「C型」の表をかけばよいです。表のマス目を数えると、分母となるすべての場合は15通りです。
 分子は、そのうち、取り出した2個の玉の色が赤玉と白玉が1個ずつの場合で、表の〇印のところで8通り。
 ですから、確率を求めると$${\bm{\dfrac{8}{15}}}$$。

レベル2

 分母はレベル1と同じ求め方で15通り。
 分子は、同じ色の組み合わせを独自列挙をすると、1‐⑤・1‐⑥・2‐⑤・2‐⑥・3‐⑤・3‐⑥・4‐⑤・4‐⑥の8通り。

レベル3

 分母は、6つの中から2つを取り出す「組合せ」を考えるので$${_6\mathrm{C}_2=\dfrac{6×5}{2×1}=15}$$
 分子の求め方は上と同じで8通り。

レベル4

 分母はレベル3と同じ求め方で$${_6\mathrm{C}_2=\dfrac{6×5}{2×1}=15}$$
 分子は、赤4通りに対して、白が2通りずつあるので、その組合せは4×2の8通り。

レベル5

 (i)1回目赤→2回目白の場合
 (ii)1回目白→2回目赤の場合
に分けて考えます。この2つの場合は背反(同時には起こらない)ですので、最後に確率をたし算すればよいです。

 (i)1回目赤→2回目白の場合
 1回目は6個の玉の中から赤玉4個のうち1個を取り出し、2回目は残った5個の玉の中から白玉2個のうちの1個を取り出しますので、確率は$${\dfrac{4}{6}×\dfrac{2}{5}=\bm{\dfrac{8}{30}}}$$。

(ii)1回目白→2回目赤の場合
 1回目は6個の玉の中から白玉2個のうち1個を取り出し、2回目は残った5個の玉の中から赤玉4個のうちの1個を取り出しますので、確率は$${\dfrac{2}{6}×\dfrac{4}{5}=\bm{\dfrac{8}{30}}}$$。

 (i)と(ii)の場合は、お互いに同時には起こりませんので、求める確率は、確率の和の法則よりこの2つの確率をたして、$${\dfrac{8}{30}+\dfrac{8}{30}=\dfrac{16}{30}=\bm{\dfrac{8}{15}}}$$。


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