見出し画像

大学入試センター試験 2003 追試|大学入試問題なのに中学確率で解ける問題

(1) 1枚の硬貨を3回投げたとき,表が1回だけ出る確率は[  ]である.
(2) 1枚の硬貨を3回投げたとき,表が少なくとも1回出る確率は[  ]である.
(3) 1枚の硬貨を4回投げたとき,表が続けて2回以上出る確率は[  ]である.

2003 大学入試センター試験 追試 数学I・数学IA共通【1】[2]

(1)は樹形図で

 偶然は3回起こりますので、樹形図をかいて考えます。表を〇、裏を●でかいておきます。

 起こりうるすべての場合を数えると8通り。あとは条件に合う場合を探します。

 3通りです。求める確率は$${\bm{\dfrac{3}{8}}}$$

(2)は「じゃない」方

 分母は(1)同様8。「表が少なくとも1回出る」で、少なくとも1なので、じゃない方から考えた方がよいでしょう。「表が少なくとも1回出る」じゃない、というのは「表が1回も出ない」つまり「3回とも裏」ですので、条件に合うのは1通り。求める確率は
$${1-\dfrac{1}{8}=\dfrac{7}{8}}$$
ですね。

(3)も樹形図かいちゃえ

というわけで、起こりうるすべての場合16通りのうち、表が続けて2回以上出るは8通りですので$${\dfrac{8}{16}=\bm{\dfrac{1}{2}}}$$。

(1)$${\bm{\dfrac{3}{8}}}$$(5点)  (2)$${\bm{\dfrac{7}{8}}}$$(5点) (3)$${\bm{\dfrac{1}{2}}}$$(5点)

 まさしく中学校レベルの問題だけで100点中15点ももらえるだなんて! いい時代でしたね。続けて(4)にも挑戦してしまいましょう。

(4) 1枚の硬貨を5回投げたとき,表が続けて2回以上出ることがない確率は[  ]である.

 $${\bm{\dfrac{13}{32}}}$$ですね。樹形図をしっかりかいて根気よく見つける必要はありますが、ちゃんとできれば、中学生でも解けますし、これで20点ですよ。ただ、いわゆる「ゆとり時代」で、(2)の「じゃない方」=余事象の確率は高校で習うことになっていたわけでした。

(4)を樹形図じゃなく解くとしたら?

 さすがに樹形図はつらい? ならばレベル3の「分母は公式、分子は独自列挙」で解いてみましょう。表が5回中何回出るか、で場合分けします。これも結構な力業。
●表が5回出る場合は、当然「表が続けて2回以上」になっていますので、ダメ
●表が4回出る場合 表4つの間に1つ裏が入っています。つまり 
1表2表3表4表5
の5つの数字の場所のうち、1つに裏が入るわけですが、どこに裏が入っても「表が続けて2回以上」になっています。ダメです。確かめてみると
裏表表表表 表裏表表表 表表裏表表 表表表裏表 表表表表裏
●表が3回出る場合 表が2・1に分かれるとだめですね。つまり条件に合うのは
表裏表裏表
の1通りしかありえません。
●表が2回出る場合 表2回、裏3回の組合せは$${_5  \mathrm{C}_2=10}$$通り。そのうち表が続けて2回になるのは[表表]をひとかたまりと考え、裏3回との4つの組合せと考えて$${_4  \mathrm{C}_1=4}$$通り。かき出すと
表表裏裏裏  裏表表裏裏  裏裏表表裏  裏裏裏表表
ですから、これ以外、ということになりますので、条件に合うのは10-4=6通り。
●表が1回出る場合 表が続けて2回にはなりようがありません。表1回、裏4回の組合せ$${_5  \mathrm{C}_1=5}$$通りはすべてOK。
●表が0回出る場合 これも表が続けて2回にはなりようがありませんが、裏5回の1通りしかありませんね。
全部足すと1+6+5+1=13通り、ということになります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?