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兵庫県|公立高校入試確率問題2017

 この年度,兵庫県の確率の問題としては大小2つのさいころを1回投げるだけですので,中学範囲を逸脱していません。でも相変わらず難易度は高いです。 

 大小2つのさいころを同時に投げる。大きいさいころの出た目の数を$${a}$$,小さいさいころの出た目の数を$${b}$$とする。
 次の問いに答えなさい。

(1) $${\dfrac{b}{a}}$$=2となる確率を求めなさい。

(2) 2直線$${y=\dfrac{b}{a}x}$$,$${y=-x+8}$$の交点の$${x}$$座標,$${y}$$座標がともに自然数となる確率を求めなさい。

(3) 3直線$${y=\dfrac{b}{a}x}$$,$${y=\dfrac{a}{b}x}$$,$${y=-x+8}$$で囲まれる三角形の内部に,半径$${\sqrt{2}}$$cmの円をかくことができる$${a,b}$$の組み合わせは何通りあるか,求めなさい。
 ただし。座標軸の単位の長さは1cmとする。

分類:融合《C2》座標・関数-2直線の交点

(1)は条件から迎えに行きます。

 $${\dfrac{b}{a}}$$=2なので、$${2a=b}$$となるような($${a , b}$$)の組を考えればよいですね。表をかいてくまなく探す方式でもいいのですが、まあ、このくらいならリストアップできますかね。($${a , b}$$)=(1,2),(2,4),(3,6)の3通りですから、確率は$${\dfrac{3}{36}=\bm{\dfrac{1}{12}}}$$。

(2)も場合に分けて迎えに行きましょう。

 交点の候補は、$${y=-x+8}$$上にあって$${x}$$座標・$${y}$$座標ともに正の整数(自然数)である点ということになります。
  ① (2,6)
  ② (3,5)
  ③ (4,4)
  ④ (5,3)
  ⑤ (6,2)
の5通りです。
 これらの点が$${y=\dfrac{b}{a}x}$$を通るわけですから、その傾き$${\dfrac{b}{a}}$$を考えていきましょう。
 ※(1,7),(7,1)が候補にならないのは、説明不要でいいですか?
① $${y=\dfrac{b}{a}x}$$が点(2,6)を通るとき
 $${6=\dfrac{b}{a}×2}$$ですから$${3a=b}$$です。これを満たすのは($${a , b}$$)=(1,3),(2,6)の2通り
② $${y=\dfrac{b}{a}x}$$が点(3,5)を通るとき
 $${5=\dfrac{b}{a}×3}$$を満たす($${a , b}$$)は(3,5)の1通りです。
③ $${y=\dfrac{b}{a}x}$$が点(4,4)を通るとき
 $${4=\dfrac{b}{a}×4}$$ですから$${a=b}$$です。これを満たすのは($${a , b}$$)=(1,1),(2,2),(3,3),(4,4),(5,5),(6,6)の6通り
④ $${y=\dfrac{b}{a}x}$$が点(5,3)を通るとき
 $${3=\dfrac{b}{a}×5}$$を満たす($${a , b}$$)は(5,3)の1通り。
⑤ $${y=\dfrac{b}{a}x}$$が点(6,2)を通るとき
 $${2=\dfrac{b}{a}×6}$$ですから$${a=3b}$$です。これを満たすのは($${a , b}$$)=(3,1),(6,2)の2通り
 条件に合うのは、あわせて12通りですので、求める確率は$${\dfrac{12}{36}=\bm{\dfrac{1}{3}}}$$。

(3)は、対称性に気づくか?

 こういうのは、実際に与えられている座標平面の図でいろいろ書いて実験しながら考えてしまうのがよいと思います。すると、$${y=\dfrac{b}{a}x}$$と$${y=\dfrac{a}{b}x}$$の2つの直線は、$${y=x}$$を対称軸として線対称にある関係であることがわかります。また、$${y=-x+8}$$は$${y=x}$$と直角に交わって、線対称です。

 半径が$${\sqrt{2}}$$cmの円で、(4,4)で$${y=-x+8}$$に接しているものを考えてみましょう。中心が(3,3)にあればいいですね・・・あ、持ち物の中にコンパスが!

 あとは、各点で、この円にぶつからないか確認すれば、条件に合う点の数を数えることができます。12点ありますね。

 高校に入ると、真正面から解く解き方を学習して、本当に(2,4)がダメなのかどうか確かめることになると思うのですが、せっかく問題にマス目ありの座標平面があるわけですし、時間のない中で解かなければいけない中学生ですから、コンパス作戦でいいのではないかな、と思います。

(1) $${\bm{\dfrac{1}{12}}}$$  (2) $${\bm{\dfrac{1}{3}}}$$  (3) 12通り


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