大学入学共通テスト 2021 本試|大学入試問題なのに中学確率で解ける問題
分類 23 (コイン以外の)お互いに影響しない3つ以上の偶然
箱Aは・・・
偶然が3回起こりますので、樹形図をかきます。当たりくじを〇、はずれくじを●として図をかきましょう。
すべての場合の数は8通り。そのうち3回中ちょうど1回当たる条件に当てはまるのは3通りですので、その確率は$${\bm{\dfrac{3}{8}}}$$です。
箱Bは・・・
偶然が3回起こりますので、樹形図をかきます。はずれくじは2本ありますから、「同様に確からしい」ことがらに分けるために、はずれくじ2本を区別して①と②としておきます。ここでは、当たりくじを☆にして図をかくことにします。ちなみに、樹形図は問題用紙の空白や計算用紙にかくことになるわけですが、スペースが十分にあるとも限りません。このぐらい複雑になるときには、1本の「樹」のかたちにこだわらず、次のような3本の樹に分けてかいた方が、樹がゆがまなくてよいでしょう。(横に分けてある中学教科書もあるのですが、なぜそうするかまでは書いてませんし、先生も教えてくれるのかどうか・・・)
というわけで、すべての場合は27通り、そのうち3回中ちょうど1回当たる条件に当てはまるのは12通りですので、その確率は$${\dfrac{12}{27}=\bm{\dfrac{4}{9}}}$$です。
答
大学受験生だったら・・・
(レベル3の解き方)
分母:反復試行なので、それぞれ$${2^3=8}$$、$${3^3=27}$$。
分子:①は、〈1回目〉〈2回目〉〈3回目〉のどれか1つだけ当たりで、ほかははずれなので、3つのうちどれか1つが当たりであるかを選ぶことと同じ、と発想すればいい。つまり[1回目が当たり][2回目が当たり][3回目が当たり]の3通り。小難しく考えるなら$${_3 \mathrm{C}_1}$$。
②は、{☆①①}{☆②②}のパターンについては、①同様3通りずつ、合わせて6通りあり、{☆①②}のパターンについては$${_3 \mathrm{P}_3=6}$$通りあるので、計12通り。
とまあやってきましたがでも、実際に出題されたの問題文は以下の通りで、念頭に置いているのは「レヴェル5〜6」の解き方です。
この問題文を、上のように2本に1本当たりくじとか、3本に1本 当たりくじのように「読み替えれば」中学の確率問題として解けます、というわけです。「中学の確率問題」そのものというのには、無理があるかな? ただ、確率の意味をしっかり捉えられていれば、上位層にはこの読み替えにも取り組んでみてもらいたいところです。
(レベル6「反復試行の公式」での解き方)
ここは、公式での解き方を教えるのが主眼ではないですので、ぶち込んだ式だけを見て分かる人だけ分かれば良いことにします。
①に入るのは$${_3 \mathrm{C}_1}$$・$${\left(\dfrac{1}{2}\right)^1}$$・$${\left(1-\dfrac{1}{2}\right)^2 = \dfrac{3}{8}}$$、
②に入るのは$${_3 \mathrm{C}_1}$$・$${\left(\dfrac{1}{3}\right)^1}$$・$${\left(1-\dfrac{1}{3}\right)^2 = \dfrac{12}{27}= \dfrac{4}{9}}$$。
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