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フィリップ・ヘルダー(ドイツ)の鉄棒/2019年世界選手権予選の演技

団体での出場権を得ているドイツの団体メンバーの1人、フィリップ・ヘルダー選手。
世界選手権には2014年からドイツ代表として出場、2019年大会まで毎回出場しているベテランです。
2016年リオオリンピックでは補欠としてドイツチームに参加。
そして2021年、ついに東京オリンピック団体メンバーとして代表に選ばれました。

さて、以前、基本的な手離し技の動きとして、
・トカチェフ
・コバチ
・ヤマワキ
この3つを紹介しました。
⇒【体操競技】男子各種目の覚えておいた方がいいことhttps://note.com/tajeda/n/n549b5c8bff22

ヘルダーの鉄棒では、冒頭に【ヤマワキ】、次にトカチェフ系の技を3つ実施しています。
【ヤマワキ】は前回紹介しましたね。

ヤマワキ

【ヤマワキ】の後に実施している3つの手離し技が、
【トカチェフ】
【伸身トカチェフ】=トカチェフを閉脚+伸身で
【リンチ】=トカチェフを半分ひねる
の3つです。

【トカチェフ】は前回【ヤマワキ】と一緒に紹介した、トカチェフ系の基本となる動き。

トカチェフ

これを閉脚且つ伸身でやるとD難度の【伸身トカチェフ】となります。

伸身トカチェフ

そしてトカチェフを半分ひねってバーを掴み、前方車輪に繋げるのが【リンチ】というD難度の技。

リンチ

トカチェフ系の技の中でも特に頻出なのがこの3つです。

ヘルダーの演技では、①【ヤマワキ】⇒②【伸身トカチェフ】⇒③【トカチェフ】⇒④【リンチ】の順に実施しています。
ヤマワキから始まる冒頭の4つの手離し技をよく見て形を覚えましょう。

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鉄棒というのはEスコアが厳しく、8点台に乗せるのもなかなか難しいのですが(大会にもよります)、ヘルダーのこの演技は8点台に乗せています。
鉄棒でEスコア8点台というのはなかなか大したものだと思います(減点されにくい技を選んでいるというのもありますが)。

ヘルダーは地元のメディアのインタビューに「勝つためではなく、自身の向上のために体操をしている」と語っています。
体操競技の魅力については、「運動のパターンが豊富なこと」。
「複雑で壮大な動きをするためには細かな調整が必要で、それが成功すればファンタスティックな気持ちになる。」と、体操に対する情熱が感じられます。

東京オリンピックではドイツチームの一員として団体で活躍できるように頑張ってほしいですね。



追記:ドイツ団体は無事団体決勝に進みました。
なんだかんだオリンピックでは毎回決勝に進むドイツ。
決勝ではヘルダーは4種目に出場します。予選では跳馬でローチェの着地を止めて最高得点を出しています。決勝でも着地でもってチームの士気を上げてほしいですね。

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