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オマル・モハメド(エジプト)のあん馬/2017年世界選手権予選の演技

エジプトから唯一の出場、オマル・モハメド選手です。
彼はアフリカ選手権の個人総合で優勝し、「大陸枠」におけるアフリカの2枠のうちひとつを勝ち取った選手。

アフリカはまだまだ体操競技で目立つ選手の少ない地域ですが、その中でもエジプトは種目別で強い選手が少しずつ現れ始めています。
今回の東京オリンピックには、オールラウンダーのオマルが出場することになりました。

今回は彼のあん馬を見ながら、近年流行する開脚旋回の技を紹介します。

今回紹介するのは【シュピンデル】という技です。
これは選手の名前が技名になっているわけではなく、通称なのですが、公式のルールブックにも【シュピンデル】として技が載っています。
体操競技は「宙返り」「倒立」「ひねり」などの要素がありますが、「宙返り」はあん馬には使われることはありません。そして「倒立」は跳馬では使われません。
しかし、「ひねり」は全種目に共通する要素です。
あん馬で「ひねり」の要素が使われるのがこの【シュピンデル】という技なのです。

ゆかでは宙返りをひねったり、鉄棒では車輪をひねったりしますが、あん馬では旋回しながらひねりを加えます。
単純な横向き旋回に半ひねりを加えるとB難度、1回ひねるとD難度になります。
このD難度の「旋回1回ひねり」が【シュピンデル】という技になるんですね。

この技は開脚旋回で使われることがほとんどで、開脚旋回を得意とする選手に使われることが多いです。

横向きシュピンデル

オマルもあん馬の演技では開脚旋回で1回ひねっています。

この技も手を着く場所や、旋回の向きによって別の技になったり難度が変わっていきます。
オマルが使っているこの技は【横向き旋回シュピンデル】というD難度の技になります。

動画の演技の冒頭、0:17~の開脚旋回の技が【横向き旋回シュピンデル】です。

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開脚旋回は派手で華がありますよね。
開脚旋回が世界的に流行したことで日本にも開脚旋回を使う選手が増えました。
日本代表の橋本大輝選手や北園丈琉選手、萱和磨選手も開脚旋回を使います。

この流行のおかげであん馬を見るのがさらに楽しくなりました。
日本選手の演技でも開脚旋回がたくさん見られると思うので楽しみです。


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