タイソン・ブル(オーストラリア)の鉄棒/2019年世界選手権予選の演技
オーストラリアから唯一の出場、鉄棒のスペシャリスト、タイソン・ブルです。
オーストラリアのメルボルンで生まれ、アメリカのイリノイ大学で鍛錬を積み、2017年から世界選手権に出場。
得意の鉄棒で毎年順位を上げて、2019年には種目別決勝に進出。同時に東京オリンピックへの出場権を獲得しました。
身長は173cmと体操選手としては高い方で、体を大きく見せる体操をする選手です。
鉄棒の手離し技は特に見栄えがします。
ですが、今回紹介するのは手離し技ではなく【アドラー】という頻出の技を紹介します。
鉄棒をやる選手は必ずと言っていいほど【アドラー】系統の技を演技構成に入れています。
【アドラー】は【シュタルダー】や【エンドー】と同じグループⅢ:バーに近い技に属します。
【アドラー】系統の技も様々ありますが、まずは基本形となる【アドラー】から覚えましょう。
【アドラー】は「前方浮腰回転振り出し倒立」というC難度の技です。
【エンドー】「前方開脚浮腰回転倒立」と説明が似ていますね。
【エンドー】は腰を折ったら両腕の間を通さずにもとの姿勢に戻ります。
【アドラー】は腰を折ったら両腕の間から脚を振り出し、大逆手倒立に収める技です。
この技を基本形として、ひねりを加えることで発展させていきます。
【アドラー】系の技で最もよく使われるのがD難度の《アドラーひねり倒立》です。
《アドラーひねり倒立》は得意不得意を問わず広く使われているもので、トップ選手が集うオリンピックではほとんどの選手が使うことでしょう。
【アドラー】のように脚を両腕の間を通して振り出すときにひねりながら倒立に上げ、順手握りで倒立に収める技です。
タイソン・ブルの鉄棒では、①《アドラーひねり倒立》から演技を始め、②【コバチ】+③【コールマン】の連続を経て④【カッシーナ】を実施します。終盤に原型となる⑧【アドラー】実施しています。
タイソン・ブルは憧れの選手にオランダのエプケ・ゾンダーランドを挙げています。
2019年世界選手権ではゾンダーランドが予選落ちしてしまったので、一緒に戦うことはできませんでした。
東京オリンピックで憧れの選手を対決できると良いですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?