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TRPG制作日記(243) 能力値と自己肯定感(ルールブック第三章)8 運動

『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGには、探索プレイと対戦プレイという二つのフェイズが存在しています。

探索プレイでは、プレイヤーはアマテラスワールドを探索して、現地の人々と交流して情報を集めたりします。

このときに、プレイヤーが要求した行動を、プレイヤーが演じているキャタクターが成功できるか失敗するかを判定するのが行為判定で、行為判定では能力値を参考にします。

能力値は六つあります。

容姿

経済

運動

社交

技術

ランク

です。

現在、ルールブックの制作を行っています。今回は前回に引き続き、ルールブックの運動の節の制作を行います。


ルールブック第三章『

能力値3 運動

 現実世界で活動するために私たちが身体を必要とするのと同様に、仮想世界で私たちが活動するためにはアバターが必要である。アバターは仮想世界におけるカードプレイヤーの身体であり、カードプレイヤーはアバターを操作することで仮想世界で交流したり対戦したりできるようになる。アバターを制作する方法は三種類であり、他者から購入するか自分で制作するか、機械による自動生成を利用して、生態情報から現実世界の自分と同じ姿と身体能力を持つアバターを制作するかである。アマテラスワールドは自動生成機能を利用したアバターを使用することが一般的であり、そのためアマテラスワールドを冒険する接続者の姿は現実世界と同じである。また、姿と同様に、身体能力も現実世界の身体能力を反映している。そのため、現実世界、宇宙都市で運動が得意な高校生は、アマテラスワールドでも運動が得意なカードプレイヤーになる。能力値の運動は、力の強さや走る速さを表している。
 滅多にないことだが、運動は妖怪を捕まえたり逃げたりする場合に役立つ。運動の数値が高ければ、身体能力が高いということなので、逃げる妖怪を捕まえたり襲ってくる妖怪から逃げるときに成功する可能性が高いだろう。運動は運動部に所属していたり、身体に恵まれているカードプレイヤーの方が高い。運動部に属しているなら運動は9か8、もし全国大会で優勝するほどの身体能力があれば10になる。一方、文化部やサロンに属しているだけで、日頃から特別に運動をしているわけでもないのであれば、能力値の運動は7か6であるはずである。運動において気をつけなくてはならないのは、性差が存在していることである。普通、同じような条件であれば、女性は男性よりも運動の能力値が2から1ほど小さい数値になる。そのため、正確には、男性の運動は10から7、女性の運動は9から6の値に設定される。運動部に属している男性の運動は10から8、女性の場合は9から7を参考にすると自然だ。男性で運動が7、女性で運動が6である場合は運動が苦手な高校生である。
 運動が得意な人物は尊敬される。そのため、男性で運動が9以上、女性で運動が8以上あれば、それだけで他のカードプレイヤーに一目置かれる。特に男性で運動10、女性で運動9ならば、全国大会で優勝することができるほどの実力者なので、間違いなく有名人として注目されることだろう。運動が得意な人物は、判断力にも優れているので頼りにされることも多いはずだ。とはいえ、男性で運動7、女性で運動6の運動が苦手な高校生が判断能力に著しく劣っていたり、馬鹿にされる訳ではない。ただ、彼等は身体能力において他の人物から注目されることがないというだけである。多くの高校生は何らかの運動をしているので、特別な背景が存在しない限りは男性は運動8、女性は運動7に設定されているのが普通だろう。性格との関係では、男性で運動9以上、女性で運動8以上ならば粗野であるか乱暴で、内向的な性格の人物を嫌うかもしれない。また、運動の能力値が高いカードプレイヤーは性格における開放性が必ず高い。挑戦が苦手な人物は運動が得意にならないからである。
 アバターはカードプレイヤーの身体能力を正確に反映するので、仮想世界でも、普通の人間と同じだけの身体能力しか持たない。一方、アマテラスワールドの神仏や妖怪には人間よりも高い身体能力を持つ場合も少なくない。鬼は人間の首をもぎ取ることができるほどの怪力があり、天狗は神通力を使うことができる。雪女は人間を凍らせ、龍はその巨大で人間を押しつぶすことができるだろう。そのため、アマテラスワールドに存在している多くの妖怪たちは、実際には、運動10以上の運動を持っている。また、アマテラスワールドの陰陽師や忍者は不思議な術を使うために、術による能力上昇が運動に反映されていることもあるだろう。これらの運動の過剰分は、キャタクターシートのプロフィールかキャタクター背景に、あるいはシナリオに記入されている場合がある。たとえば、プレイヤーキャタクターとして運動8の妖怪カードプレイヤーを使用する場合には、特殊能力などを理由に、【運動+6】などと記入されていている場合がある。この場合は、条件を満たしている場合にのみ実際に参照される運動の能力値は14になる。この点において、運動には上限がない。
 妖怪のすべてが人間よりも強いわけではない。また、普通は老人は若者よりも体力が劣っているものである。当然、小学生は高校生よりも身体が小さく力が弱く、コロポックルなどは身体が小さいため小学生に容易に捕まえられてしまう。そのため、カードプレイヤーが宇宙都市の高校生ではない場合は、運動が5以下になる場合もある。四十代から五十代の男性は運動が6、六十代は5、七十代を超えると3を参考にすると良い。また、中学生は高校生に比べて運動は7から5を基本として、小学校高学年は運動4、小学校低学年は運動3を基本に考えておくと良いだろう。中学生や小学生の場合は、運動部であるかどうかで極点に運動の能力値を変える必要はない。また、中学生以下と、老人は男女の性差による運動の補正は必要がない。妖怪には龍や鬼、天狗などの種族があり、種族ごとに基本となる運動の値が決まっている。人間の基本運動値が7だとすると、龍は10、鬼は8で天狗は9である。基本運動値の一覧は、ルールブックの第十一章「神仏と妖怪」の章に書かれている。
 意識は環境を変えて、環境は意識を変える。そして、意識と環境を結びつけるのが私たちの身体である。私たちは身体を通して環境と相互作用する。そのため、運動とは環境を変える能力であると解釈できる。容姿は他者を魅了する力だと仮定すれば、運動は単純に環境を変化させる力だ。容姿と社交、経済、運動は、それぞれ人間、社会、自然の三つに対応した能力値である。行為判定は、カードプレイヤーが行おうとしていることが人間と社会、自然のどれと関係しているのかを判断することで、参照とする能力値をゲームマスターが決定する。

』ルールブック第三章


今日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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