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なぜうちの子はゲームやネット動画の魅力に負けてしまうのか…子どもの意思だけではやめにくい理由を知っておこう

こちら札幌市では、2/28金曜日に小中学校全校が臨時休業に入りました。
周囲からはさっそく「朝7時半集合で友だちと一緒にフォートナイトするんだ」との小学生の動静が聞こえてきました。
まあ、夜から集まって、思い切り睡眠を削るよりは良いのかもしれません。

でも、その様子を見ている保護者としては思うわけです。
ゲームやネット動画よりも、他の遊びをしてほしい、できれば先に宿題とかドリルとかに取り組んでほしい…。同級生の○○ちゃんは、キチンとやってるらしいのに、なんでうちのバカ息子は…。ひょっとしてあの子は意思が弱いのか。自分が子どもの頃だって、テレビ観たり、ゲームしたりしたもんだけど、今の子どもたちほどのめり込んではいなかったはず…、などなど。

ところが、当時のゲームやテレビと、いまどきのゲームやネット動画、似ているようでも、かなり違うのです。
もちろん使いすぎは子どものためにはならないですが、保護者としては、子ども自身の意思だけでは、なかなかやめにくい背景そのものについて、まず知っておく方が良いでしょう。

終わりがなくなったいまのゲーム

保護者世代が夢中になったゲームは、おカネを払ってパッケージを購入し、自宅の専用機上でプレーするのが基本でした。当然、結末までのシナリオや、予め用意された範囲で一通り遊び、飽きてしまったら、それでおしまいです。

しかし、いまどきのゲームには、明確なエンディングや、ゲーム世界の範囲が定まっていないものが、多く見られます。オンライン配信で途中からバージョンアップすることが可能だったり、インターネット上のサーバにログインして遊ぶ方式だったりするので、運営側は、追加のシナリオやキャラクターなどを自在に提供することが可能なのです。利用者の行動に合わせて、人気のテコ入れのためにイベントを急遽発生させるなども、珍しいことではありません。

これは遊ぶ側からすると、いつまでも飽きることなく、楽しめるということです。逆に言えば、なかなか抜けられない、終われない構造だといえます。

そこにいない友だちと一緒に遊べるいまのゲーム

昔のゲーム機は、単体で動作するものでした。友だちと一緒に遊ぼうとすると、誰かの自宅など、一箇所に集まる必要があります。逆に、一人だけで遊ぼうとすると、得られる刺激は限定的で、遊び続けるにも限度がありました。

ところがいまのゲームでは、スマホはもちろん、専用ゲーム機でもインターネットに接続して遊ぶことが珍しくありません。同級生など、知っている友だちとのプレーも、お互いの自宅から簡単に実現できます。
ゲーム中も、一緒に遊んでいるメンバーと、音声やテキストでチャットしながらプレーできますから、ある意味、孤独感を解消することすら可能です。一人きりで画面を見つめ、コンピュータを相手に黙々と遊び続けているわけではないのです。

子どもが「ゲームをしている」の中身は、大きく変わってしまったのだと言えるでしょう。

終わりがないネット動画

かつて、子ども向けのテレビ番組が見られる時間帯は、限られていました。それ以外の時間帯になると、子どもには面白くない番組しかありません。
そもそも、テレビは家族で共有する機器でしたから、誰かが見たい番組をいつでも自由に見られるわけでもありません。その後、録画手段が発達したものの、チャンネル数も番組数も限られた中では、早々に「見たいものがもう無い」に至り、仕方がないので「それ以外のお楽しみ」を探すことにもなりました。

ところが、ネット動画は24時間いつでも見られます。視聴に使える機器も家庭内に複数あるのが普通です。自分の好きなジャンルの新鮮な動画が、次々提供され続けるため、「飽きる」ということは、まずありません。

意思だけではセーブできないところを出発点に

ここまで見てきたように、ゲームもネット動画も、保護者が経験してきたものとは大きく変わっていることを前提にしなければいけません。「その子の意思が弱いからやめられない」のではなく、誰にとっても、やめにくくなったということです。

実際のところ、大人であっても、ゲームやネット動画と、上手に付き合えている人は多くはありません。YouTubeを見ていたら、つい夜ふかししてしまったとか、スキマ時間になるとスマホゲームを取り出してしまう…などの経験をお持ちの方もおられるでしょう。これからの保護者は、ゲームやネット動画との付き合い方のスキルを上げていく方法を、自らも学ぶ必要があります。

また、子どもたちが「目先の楽しいこと優先」で行動するのは、ごく当たり前のことです。こうした難しい条件が揃っている中で、「ほどよい頃合い」で使い続けるのは、案外難しいことだと考えるべきでしょう。

とはいえ、全く糸口が無いというわけでもありません。具体的な取り組み方については、また別の記事でご紹介していきます。


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