ベンチャー投資の目的と方針、投資先との関わり方について
投資の目的
ベンチャー投資の仕事に関わっていくと様々な目的で投資を行うことがあります。この目的はVC/CVC、企業/個人などそれぞれが投資方針を設定していて、その方針のなかから目的に沿った投資先を選び投資を執行していきます。
私のいるBEENOSでは大きくわけて3種類の目的で投資を行なっています。1つ目がシナジーを狙った投資、次にEXITを狙った投資、最後に情報収集目的の投資です。この3つで投資目的のマジョリティーはカバーしていると思いますが、そのほかにも個人間のお付き合い投資や、CSRを目的にした投資もあるかもしれません。(目的で漏れている内容があればご指摘ください🙇♂️)
投資の方針
ベンチャー投資を行っている企業や団体(個人は頭の中?)は必ず投資方針というものを掲げて投資活動を行なっています。投資方針(投資ポリシー)では投資を行う先の業界や領域、投資ステージ、投資への想いや考え、投資後の関わり方、投資の決定プロセスなどが記載されます。これは前述の投資の目的によって大きく変わります。シナジーを目的にしているのであれば、やはり親和性のある領域を投資先として選ぶ傾向にありますし、純粋にEXITが目的であれば自社の資金力や目利き力、業界の理解によって投資対象の投資ステージが変わってくるでしょう。
私のいるBEENOSでは投資方針としては以下のものを掲げています。
1. 日本企業への投資...インバウンド関連の企業
2.アジア企業への投資...EC関連企業やその周辺企業(決済、物流など)
3.北米企業への投資...Cutting Edgeな先進技術やビジネスモデルを持つ企業
どれもシードからアーリーステージに投資を行っています。特にアジア企業への投資は力を入れており、投資先80社のうちの大半を占めております。
投資先との関わり方
最後に投資後の関わり方について触れて終わりたいと思います。実際にはノウハウやリソースの提供、事業提携、人脈の紹介、追加出資などがあります。契約や投資比率によっては役員の送り込みなど、より深いコミットを行うケースもあります。(日本は海外と比べて役員送り込みの割合はかなり少ないですが)VC/CVCによってここら辺のスタンスは大きく異なり、細かく介入するVCがいれば、基本的にはお金をいれて完全に任せるというパターンもあります。投資を受けるベンチャー企業からするとフェーズによってニーズも有り難さも異なります。勝ちパターンが見えてどんどん突き進んでいきたいフェーズのベンチャーは細かく指示されたり、介入があると困るでしょうし、逆に勝ち筋が見えず困っているベンチャーからすると知見はすごく助かり、心強い時もあるでしょう。
私のいるBEENOSでは従来出資先から具体的な支援を求められたら応えるというスタンスでしたが、今後はより関わっていくというスタンスを強めようと思っています。これは経営に介入するという意味ではなく、その事業の「今」をしっかり投資担当が理解・把握をして、プロアクティブに支援の提案や連携を行なって行ける状態を目指すのです。具体的にコロナ禍ではこちらから状況把握をして金銭やリソースや受注等で支援をこなったたり、コロナとは関係なく事業提携の話も水面下で進んでいます。とてもこれから楽しみです🎉
BEENOSの投資を紹介(ちょっと宣伝)
現在出資先は約80社あり、その過半数が海外投資案件になっています。また実績としては簿価41億円の投資に対して、185億円の含み益+売却益27億で合計253億円のボリューム感になっています。(2020年上期現在)この結果だけみると手前味噌ですが、なかなかの投資実績ではないでしょうか。
弊社BEENOSは投資会社ではなく、あくまで事業会社であり、得意領域はEC(コマース)です。投資活動は自社ビジネスの可能性を広げる1つの手段と考えています。しかし1つの手段でありながら、かなり存在感のあるものに育ってきているのも事実です。これも投資先の努力や想いがそれぞれの国で実ってきている証拠でもあります😊
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