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「漢字には物語がある」をテーマとしたアニメーションコンテンツ『kanjigram』

今回は、「漢字には物語がある」をテーマに、漢字を一文字選び、自由な発想でコマ撮りしたアニメーションコンテンツ『kanjigram』をご紹介させていただきます。

『kanjigram』は、弊社のコンテンツクラフトチーム「TECARAT(テカラ)」に所属するディレクター兼アニメーターである廣木綾子が手がけるコマ撮りアニメーションで、漢字の「かたち」に発想を得て、その文字の成り立ちや込められた意味をアニメーションで表現したプロジェクトです。

本企画の経緯や制作工程、北海道テレビ放送と協働した『onちゃんとかんじぐらむプロジェクト』などの話を交えて、『kanjigram』について深堀していこうと思います。まずは、こちらの本映像をご覧ください。

<kanjigram>

▶ 企画意図・経緯

この『kanjigram』プロジェクトが、どのような経緯でスタートしたのかをご説明します。

2017年に、弊社のプランナーがその頃アニメーターとして駆け出しであった廣木にいくつかの企画案を提案し、その中のひとつが「漢字」をモチーフにしたものでした。廣木自身が「日常の中のものをモチーフにアニメーションを想像する」ことが好きということもあり、この漢字を使った企画がスタートしました。
なぜストップモーションアニメーションで制作することになったのかというと、廣木の得意とする表現方法がストップモーションであったことと、通常は平面である漢字を立体にし、実際にその漢字に触れながら制作していく、というところに廣木が魅力を感じたためです。

因みに、ストップモーションアニメーションとは、コマ撮りとも言われており、人形などの対象物を少しずつ動かしながら1枚ずつ撮影し、パラパラマンガのように、その写真を連続して再生することで映像としてみせるアニメーション技法です。

▶ 制作工程

では、実際にはどのような工程で制作が進んでいったのでしょうか。

まずは、漢字選びです。漢字を選ぶときは、その漢字が「何かに見えるか?」という基準で選考されています。
例えば「車」の場合は、漢字を横にしたら2人が荷車を押している姿に見える、という具合です。
そして、漢字をいろいろな書き方で書いたり、逆さで見たり、バラバラにしたりしてストーリーのアイディアを考えます。映像にできそうなアイディアが出来たら、4コマ漫画みたいな簡単な絵コンテを描き、そのストーリーをまとめます。

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そこから小道具や背景をどう作るか、どう撮影するかなどの細かい点を詰めていき、その後、美術制作・撮影と進んでいきます。
制作期間は、モチーフの漢字により多少異なりますが、アイディア出しから映像が完成するまで、だいたい2週間くらい掛かかります。

また、この『kanjigram』で廣木が1番工夫している点は、漢字ごとに素材や作り方を変えて「漢字らしさ」がでるように表現しているところです。種々様々な方法で作れるストップモーションの面白さを生かし、廣木自身がやってみたい手法など、新しい表現に挑戦しながら作っています。

▶「onちゃん」とのコラボレーション

廣木のアニメーションコンテンツとしてスタートとした『kanjigram』ですが、北海道テレビ放送の方にお会いする機会があり、『kanjigram』を見ていただいたのがきっかけで、「onちゃん」と「漢字」を軸にした教育プログラム『onちゃんとかんじぐらむプロジェクト』がスタートしました。

これまでは、漢字から得たイメージを広げるような表現をしていましたが、『onちゃんとかんじぐらむプロジェクト』では、映像を見ることで、漢字の意味、かたち、成り立ちなどに興味を持ってもらえるような表現にしています。

<「onちゃんのきょうはどんなかんじ?」>

また、本企画が教育プログラムということもあり、『教育』という面も念頭にいれて制作しました。

例えば本プロジェクトの最後に撮影したものが「米」だったのですが、撮影で使用したご飯は破棄せず、TV番組などでよく見かける「その後スタッフがおいしくいただきました。」を100%実行しました。撮影台は念入りに拭いたまな板を使用し、おにぎりを動かすところも支えに爪楊枝やアルミホイルを使って撮影しました。
直接的には画作りに関係ないところではありますが、教育・SDGs的なことも考えながら制作していました。

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▶ 今後の挑戦

最後に、『kanjigram』『onちゃんとかんじぐらむプロジェクト』と制作してきて、次にストップモーションで挑戦したい企画やモチーフがあるか廣木に尋ねたところ、「手をあわせていただきます!をするような動画を製作したい。」との返答でした。

『onちゃんとかんじぐらむプロジェクト』の最後に撮影したのが「米」だったというところにも繋がっているのですが、食品を使った映像と、それを「おいしくいただきました」の映像をセットで楽しんでもらうような映像を作ってみたいと。
そんな『楽しんで食べるための動画』が廣木から届きましたら、改めてご紹介させていただければと思います。

<P R O F I L E>
廣木綾子|AYAKO HIROKI
映像作家・人形アニメーター・デザイナー
武蔵野美術大学造形学部卒業後、ステージデザイナーを経て、アートアニメーションのちいさな学校に通い、アニメーター真賀里文子氏に師事。太陽企画入社後、コンテンツクラフトチーム「TECARAT」に所属。
長編コマ撮り作品に携わりながら企業広告やプラネタリウム映像、映画などの美術デザイン、人形製作、企画など幅広く経験を積んでいる。自らが創作したストップモーションアニメーションの「kanjigram」が、情報番組に取り上げられるなどネットでも話題を呼び、初の地上波テレビ放送が決定。身近なモノの可愛らしさや特徴を引き出すことを得意する。

▷ Instagram:https://www.instagram.com/kanjigram_a/
▷ TECARATサイト:https://tecarat.jp/

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最後までご覧いただきありがとうございました。
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