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合理的な『ミラノ風ドリア299円』

先日、SNSで『サイゼリヤ論争』なるものが、炎上騒動に近い盛り上がりを見せていた。異性の価値観のバロメータを測るにあたり、初デートで女性をサイゼリヤへ連れていくのはアリかナシかという、極めてくだらない内容であった。

実は世間と時を同じくして僕も偶然、サイゼリヤに最近興味を持った。この論争きっかけではない。先日読んだあるビジネス本に、サイゼリヤ創業者の正垣泰彦氏の話が出ており、彼に対して人間的魅力を感じたためだ。

正垣氏は、東京理科大を卒業するタイミングでサイゼリヤを創業した。当初は客が全く来なかった。が、商品価格を7割引きにしたところ、店は連日行列の繁盛となった。この値引き戦略も理系脳ならではと言うべき、実験的な検証の一環として行ったらしい。五割引きではダメだという。

上記の他にも、理系脳から発揮される様々な論理的戦略により、一代でサイゼリヤを東証一部上場まで発展させた。

昨今のベンチャー創業者はメディアに多く露出するが、その姿はどこか浅薄だ。加えて、会社の事業内容がイマイチよくわからない。ひと昔前の会社は、事業自体の魅力がしっかり市場に浸透していた。そして、創業者を掘り下げると強烈な魅力を持った人間が多かった。

これも、上っ面を過度に装飾することに忙しい今日の情報過多時代に生きる者と、真に良いサービスを提供しなければ世間の心を掴めなかった過去の情報不足時代に生きた者との、人間力の差なのか。

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