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手ぬぐい60枚、ほつれ全部切る。

これまで集めていた手ぬぐい。ほつれを切るのを面倒くさがっていたのですが、思い切って切ることにしました。

手ぬぐいって何なの

皆さん手ぬぐいってご存知ですか?

みんな大好きウィキペディアによると

手拭(てぬぐい)は、顔や手を洗った後の汗や水を拭ったり、入浴時に体を洗ったりするための木綿の平織りの布である。その他、寒暑除けや塵除けなどの目的や、祭礼においての装身具として頭にかぶるものである。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/手拭

とあります。
古くは奈良時代・平安時代から用いられている布切れで、「手拭い」と呼ばれるようになったのは江戸時代からとのこと。
その頃には何かを拭うほかにファッションとしても取り入れられ、被ったり掛けたり首に巻いたり、はたまた自分でデザインし染めたりと、手拭い最盛期と言っても良い盛り上がりを見せておりました。
今ではかつての勢いはないものの、専門店が存在し凝ったデザインのものが多く販売されているほか、観光地やイベントではオリジナルデザインのものが販売され、定番おみやげ的ポディションを確立してい(るような気がし)ます。

で、そんな手ぬぐいに惚れた男がここに一人。

わしじゃよ

以前の記事、「最寄りの銀行ATMまで歩いてみた。」でのせた写真です。

この写真でも分かるとおり、私は日頃ハンカチの代わりに手ぬぐいを持ち歩いています。

というのも、手ぬぐいって大きいじゃないですか。ってことは、ハンカチとくらべて清潔な面でふける面が広いってことなんですよね。しかも生地が薄いからポケットにしまっても不自然じゃないんです。しかも暑かったら首にかけて汗を拭うこともできるし、上の写真のとおり頭に巻くこともできる。端が縫い付けられてないので乾きやすいのが夏場にもってこいなんです。

サイズ感はこんな感じ。
単行本、小説、2L/500ccペットボトルとの比較

しかもデザイン性が高いものが多い!!
先ほど述べた通りハンカチよりも大きい布地です。
それすなわちハンカチよりも大きなキャンバスなわけで、デザイナー側からすればハンカチでできなかった表現が可能というわけですよ。
昔からある同じ柄が連続しているものもありますが、一つのモチーフを布地いっぱいに描いているものもあり、そういうのもいい!

さらにさらに!わりと安め!
布切れなのでね、つきつめて言えば染めた布を大きさ通りにぶつ切りすれば完成なんです(もちろん染める工程がむずかしいものがあるのも承知)。
そのため売り手としても都合が良いのでしょう。観光地に行くと高頻度でオリジナルの手ぬぐいを目にします。
で、手ぬぐい好きはまんまと買ってしまいます。

その結果がこちら。

タンスの中にいた全手ぬぐい

総数60枚、日本各地で買ったり親戚に貰ったものが積もり積もってこうなりました。

手ぬぐいたちの世話

手ぬぐいとハンカチの大きな違いとして挙げられるのが「手間の多さ」。
「モノ消費よりコト消費」という人にはお勧めかもしれません。実は手ぬぐいって、ジーンズや革製品と同じ「育てる」物なのです。

まず手ぬぐいをお迎えしたら、水洗いをし表面の糊を落とします。
というのも、生地の保全や色がよく見えるよう表面に糊をつけて売られているのですが、これがあると水をはじいてしまい、手ぬぐえません。
そのため、まずは水洗い。軽めでいいので肌ざわりが変わってくるくらいまで洗いましょう。

そこから初めて洗濯機で洗うと思うのですが、そうすると端っこがほつれてきます。なぜなら切りっぱなしだから。これを放置していると糸が絡まったりさらにほつれてきたり、そもそも見栄えが悪かったりと多くのデメリットがあります。
そのためほつれてきたらいい感じの位置で切ってあげましょう。「かまわぬ」のお姉さん曰く、5回くらいでおさまるとのことです。

2度目の登場。フカフカで気持ちいい。

はい。切っていきましょう。

実はわたくし、一部を除きほつれを切らずに放置してきておりました。
なぜかというとめんどくさかったから。
めんどいよね、手ぬぐいを洗濯機に入れわすれて何枚も積んでることがあるぐらいのめんどくさがり屋さんなんだもん。ほつれを綺麗に切るのなんてめんどくさい。
でも思い立ってしまったので、切ろうと。ついでにnoteのネタにしてしまおうと。

そういうわけでこれより本編です。
ほつれ、切っていきます。

魂の60連ほつれ直し

まずは一枚目、サイズ比較の際に出した銀閣寺のもの。
こちらは思い入れのある手ぬぐいで、京都旅行に行ったとき、父親に「こういうのもいいんじゃねー」と買ってもらった初めての手ぬぐいです。これが60枚のうちの一枚目。感慨深いですね。
この子は既に何度も使われ生地もいい感じにすべすべで育っております。
でも世話はあまりしてこなかった。そのため…

ぴろーん

Oh…ほつれてますね…以前一度直していますが、それ以降手を加えていなかったため、少しほつれが出てきてしまいました。
ではこちらをハサミで切りましょう。
周りの糸と長さをあわせて切っていきます。

さぱーり

切れました。写ってない部分のものもまとめて撮ってます。一枚でこのくらいほつれがあったということですね。

1/60が終わったところ。

…先は長いです。バシバシ切っていきましょう。

コミケカタログのオマケの手ぬぐい

こちらは糊を落としはじめて洗濯機で洗ったものですね。おろしたての手ぬぐいのほつれはこんな感じです。

ほつれボール

こちらは芸術点が高いほつれですね。
ほつれてからも直さずに洗いつづけると、ほつれがからまり大きな毛玉のようになります。こうなると余計にほつれがひどくなるため、定期的に切らなくてはいけないのです。

牛に引かれて善光寺

ほつれをなおしてこの通り。さっぱりしました。

10枚分のほつれ。

1/6でこんなにほつれが出ました。「まだ1/6か…」と始めたのを後悔しました。
ほつれ玉はどこまで大きくなれるでしょうか。楽しみですね(現実逃避)。

般若心経手ぬぐい

厄除けに効果がありそうな手ぬぐいです。割とこれも普通に使ってます。周りが見たらどう思うのか、気になります。

2/6のほつれボール

20枚分のほつれです。比例して大きくなっていきますね。

原宿店限定・虎御石手ぬぐい

手ぬぐい専門店「かまわぬ」でお迎えした手ぬぐいです。
専門店で購入した品質の良い手拭もしっかりほつれます。しっかり切りましょう(自分に言いかける)。

3/6=1/2。30枚分のほつれボール。

半分を突破したので一旦お茶を飲み一息つきました。
ほつれボールは結構成長してきましたね。

唐草模様にサル。かわいい。

赤坂にある日枝神社の手ぬぐいです。
こちら結構お気に入り。というのも、染め材に匂いがあるのか、うっすらと柑橘系の甘い香りがするのです。
もう購入して長いのですが、今でも顔をうずめるとうっすら匂いを感じます。

御岳山の手ぬぐい。山でも売ってる。

こちら、最初期に買った手ぬぐいです。
前回ほつれを直してからほつれてないらしく、とても綺麗な状態になっていました。しかも使い込んでいるので肌触りが最高。
全ての手ぬぐいがこんな感じになるのが理想ですね。

4/6。ほつれボールの成長も著しい。

関係ないのですが、タンス内でぎゅうぎゅうに詰め込んでいるため、手ぬぐいを開くと「ペリペリッ」とした感覚があります。
これがなかなか趣がありよいと思ったのですが、生地同士がくっついてしまうほどの圧力が加わり、またそれだけ放置してたってことなのかと。もうちょいローテーションしようと思いました。

タスマニアデビル手ぬぐい。かわいい。

動物手ぬぐいです。自社のオリジナル手ぬぐいをメインで集めてますが、こういうのも一興。
タスマニアデビルを日本で見られるのは多摩動物公園だけとのことなので、訪れた際には是非とも見に行って、お土産にタスマニアデビルグッズを買いましょう(タスマニアデビル好き)。

5/6。残り10枚!

ほつれボールもだいぶ大きくなってきました。ここら辺からはほつれ直し2回目の手ぬぐいも増えてきて、成長は緩やかになってきましたね(撮り方の問題かも)。

東大寺の地図。鹿がいっぱい。

これは銀閣寺のものと同じタイミングで買ってもらった東大寺の手ぬぐいです。最古参ですね。
こちら他の手ぬぐいと違う点があるのですがお気づきでしょうか。

手ぬぐいと呼べるのか問題

実は端っこがぬわれています。
…って、手ぬぐいの要素の一つに「切りっぱなしなので乾きやすい!」ってのを挙げてたのに、縫い付けられているのも手ぬぐいって呼んでいいのか!?とも思いましたが、ここは大仏様のような広い気持ちで受け入れましょう。
そこそこ大きい木綿の布は全部手ぬぐいです。

6/6。全ての手ぬぐいのほつれが集まった。

終わったー!おつかれさまでした!
さて、手ぬぐいボール君は果たしてどのくらいのものになったのか!

iPod nano 第六世代との比較。未だ現役。

…でん。比較対象が分かりづらい!

結構たくさん取れました。どの手ぬぐいから出たほつれかわかるものもあり、ほつれ糸をいじってるのも結構楽しかったです。
意味ありげなワードをキャプションすれば現代アートとして認知してもらえるかもしれませんね。

クシュっとまとめてみたり

引きちぎったりして、一通り遊びました。
縫いあわせて小さい手ぬぐいみたいなのができないかとも思いましたが、技量が足りないため諦めて捨てました。

みんなも手ぬぐい、ゲットだぜ!

以上で手ぬぐいのほつれ直しは終わりです!
…と言いたいところですが、先に述べた通り、5回くらいはほつれが出るとのこと。まだ1〜2回しかほつれを治していないこの子たち。
ほつれが出きっている子もいるかもしれませんが、まだまだほつれてくる子もいるかもしれない。そう思うと、これからは定期的にほつれを治さなくてはならないですね。

この後は普通に使っていき、洗濯機で洗い、他の布製品同様にラフに扱っていきます。
そうした中で徐々に生地がクタっていき、水の吸いがよくなり、肌触りが良くなり、程よく色も落ち着いてきて、いい具合に育ってゆくのです。
程よく育った手ぬぐいは持っているだけで幸せを感じますし、手を拭くときはその肌触りにいやされます。

ぜひ一枚、手ぬぐいをお迎えしてみてはいかがでしょうか。

…あ、その際は、表裏の生地の色合いに注意してください!

トーハク国宝展の手ぬぐい。金色はめずらしい。

写真のように表面と裏面で色合いが違うようなものは、染め方が違うらしく(Tシャツのプリントっぽいのかな)、いくら洗っても糊が落ちず水をはじいてしまいます。
これらの手ぬぐいは本来飾って楽しむものっぽい(ソースなし)ですが、私は「デザインの良いものを手ぬぐいとして使いたい派」のため、いつも買って「あれー?なんでずっとパリッとしてんだぁ〜?」となってます。
そんななか、今回のほつれ直しで水を吸わない手ぬぐいたちの共通点を発見しました。それがプリントの差というわけです。

ちゃんと糸そのものに着色がされ、表裏がどっちかぱっと見わかんないくらいはっきり色が出ているものであれば、しっかり水を吸ってくれるはずです。少なくとも手持ちのものはそうでした。

戦艦三笠の手ぬぐい。
日本語読めなきゃどっちが表かわからないくらいくっきり。



購入する前は見本等で裏っ側を確認し、薄くなってないかどうか確認しましょう。
それだけで飾る用の手ぬぐいを見分けることができます。
逆に手ぬぐいを飾りたい場合は、これらの手ぬぐいの方が色落ちがしにくく適しています!ご参考までに!

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