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「優秀な人材とは?」対話カフェそもそも レポート#20

【開催日時】
2023年8月26日(土)
12:45~14:45
@池袋会場

第20回のテーマは「優秀な人材とは?」です。

学生にとっての就職活動は、企業側にとって「人材獲得競争」と言われます。
より多く、より優秀な人材に就職してもらうための競争です。

ここで言われる優秀な人材とは何なのでしょう?

ネットで調べると、たくさんの定義が出てきます。
業界によっても違うでしょう。

ただ、就職活動に挑む学生にとって「優秀な人材」は気になる言葉です。

優秀って、そもそも何が優秀なのか?

「優秀な人材」について対話したレポートです。

はじめの問い

まずはテーマについて、抱いている問いを挙げていただきました。

「どの企業にも通じる共通項はあるのか?」

「企業や業界によって違うのか?」

「そもそも、優秀な人材かどうか、面接や選考でわかるのか?」

「優秀な人材として採用されたら、幸せなのか? なんとなく、優秀な人材を語るとき、本人の幸福度は考慮されていないような?」

これらの問いが挙がりました。

まずは、こちらの問いから掘り下げてみることに。

優秀な人材の共通イメージは?

優秀な人材と聞いて、どんな人物を思い浮かべるでしょうか?
業種などを深く考えず、連想する印象を挙げてみます。

「コミュ力が高い人」

「先を読む力がある人」

「先を読むというのは、どんなことですか?」

「AさんとBさんの仕事を見たときに、こうなるだろうと予測して、先回りしてAさんと Bさんに別の指示が出せる、みたいなことです」

「そう聞くと、先を読むというより、俯瞰できる力みたいなことかも?」

「俯瞰も似ていると思います。ひとつ上の高い視点から業務を見渡して、合理的判断が下せる人」

「スキルや知識が豊富な人。『これ、できますか?』って聞いたら『できますよ』って言ってくれる人」

「今までの経験だと、説明が上手い人」

「説明が上手くできるのって、知識技術とコミュ力の掛け算だから、かなり高いスキルですよね」

「知らない人にもわかるように伝えられる人は優秀だなと思います」

「社内に敵が少ない人。コミュ力に含まれるかもしれませんが」

宮崎駿さんは「優秀な人材」か?

「それを聞いてすごく気になったんですが、スタジオジブリの宮崎駿さんは優秀な人材と言えるんでしょうか? すごい仕事をたくさん残してきているけど、性格は気難しくて、周りで働く人は敵とは言わないまでもすごく苦労してそうだなと思って」

「宮崎駿さんは、間違いなく優秀だと思います」

「超特化型の優秀な人材ですね。レーダーチャートだと、ひとつパラメータが飛び抜けて高い」

「マイナスと相殺できちゃうくらいに飛び抜けているから、優秀なのかも」

「ジブリにいるから『優秀な人材』なのかも?」

「それはありそう」

有名なクリエイターについて話が及びました。
ここまでは、おおよそどの企業・業種でも優秀とされそうな要素です。
次に、企業や業種で差が出る要素を考えてみます。

企業によって評価が真逆になる要素は?

「もくもくとシングルタスクをこなす人」

「それも一種の特化型ですね」

「これって、知識や技術だと絶対評価になりますよね。例えば、特殊な免許があっても、使わない業種に勤めたらあればプラスにならない。知識も同じ。だから、個人の性格や、得意不得意のことになるのでは?」

「例えば、テニスの松岡修造さんって、ものすごくテンション高いじゃないですか。あのテンションがハマる企業と、ハマらない企業があると思うんです」

「さっきの宮崎駿さんで言えば、頑固さ、厳しさとかですね」

「性格とか、仕事への向き合い方とか、キャラが合うか合わないか?ってことになるのかな」

「別の視点だと、言いづらいことをさらりと言ってしまう人。すごく重宝される場面と、そうでない場面に分かれると思う」

ここで「合わない」「ハマらない」というワードが出たので、具体的にどういうことか、突き詰めてみます。

性格が合わないと何がダメなの?

「社風に合わない」

「社内の和を乱す。それまでの会社が保ってきた雰囲気を壊す」

「既存の社員や、先輩たちを不快にさせる」

「仕事の結果とかではなくて、同僚の快・不快の問題ってことになるのかな?」

「ここまでの話を聞いてきて……就活生は優秀さを深堀りするより、企業と自分の性格が合う合わないを重視したほうが良いのでは、と思いました。合わない企業に入ったときのリスクってめちゃくちゃ大きいと思うんです。タイムワープできるなら、就活していた当時の自分にそう言ってあげたい」

こうなってくると、次はやはり、それらが事前に判断できるのか、という問いになります。

企業と就活生は、面接や選考で「合っているか」わかる?

まずは企業側の視点で考えてみます。

「ガクチカや自己分析を聞くのは、その人の性格を見定めるためにやっているわけですよね」

「そして、それで性格がわかるのか?ってことですね」

「学生はウソをつくし、盛るし、見栄も張りますよね」

「蛙化現象、って言葉も最近聞きますね」

「性格のすべてが把握はできないけど、一部はわかるんじゃないでしょうか」

「完全に別人にはなりきれませんもんね」

「企業も、本当は知識や技術を持っている人を採用したいはずなんですが、そもそも学生は仕事についての知識や技術が乏しい。だから性格を見て、それで判断するしかない」

では学生の視点からはどうでしょうか?

「ほぼほぼ見定めるのは無理じゃないかな……」

「判断材料もないし、学生には難しそう」

「よっぽどわかりやすくブラックっぽいとかじゃない限り難しい」

「就活生って『自分は選ぶ側ではない、選ばれる側だ』という、受け身のマインドの人が多いと思っていて。選んでくれるならどこでもいいわけだから、自分から企業を見定めるなんて発想を持ちづらいのでは、と思います」

「採用面接なんて、お互いに騙し合いみたいなもの。だから、新卒の就活は本当にキツイ。その後の転職活動のほうがよっぽど楽です」

次に、優秀な人材と、幸福度との関係について。

優秀な人材は幸せか?

「会社がブラックなら結局不幸な気がします」

「優秀な人って、周りよりも仕事を多く押し付けられそう」

「以前の対話でも似た話がありました」

「同じ立場の同僚よりも仕事が増えてしまうのは相対的に損かな」

「企業側が、人材を人として見ているか、ただの駒として見ているかで、幸福度は大きく変わりそう」

「でもそれは優秀な人材に限らないような?」

「確かにそうですね」

「仕事の品質を追求できるタイプの優秀な人材なら、チャレンジできる仕事を楽しめそう」

結局は、優秀さと幸福度は関係なさそう……?

最後に、これから就活に向かう人たちについて。

就活生は、就活中に優秀な人材を目指すべき?

「ガクチカを増やしたり、自己分析をしたら、優秀な人材に近づけるってことになるのでしょうか?」

「そもそも、何をやったらなれるのか?」

「これまでの話を聞いてきて、企業側の視点だと、やっぱり学生ごとの差を見つけるのは難しい。だから、学歴って便利な指標なんだなと思いました」

「それだけ勉強がんばれたんだってことの証明ですものね」

「それがすべてではないけど、一定の基準は超えている人材だと思える証拠」

「前半で出てきたコミュ力とか先を読む力とかって、実際に仕事をしないと伸びづらい。だからそこを学生が身につけようとするのは難しい」

「だから、イベントサークルの運営とかで、そこをアピールしようと目論むわけですね」

「プロジェクトの遂行や、マネジメントをすでに体験してきています、成功させています、というアピール」

「小規模だとアピールにならないから、サークルの規模や、イベントの集客人数を競うのもそういうことですね」

「じゃあ、そういうことができない学生は、何をアピールすればいいんでしょうか」

このあたりで時間いっぱいとなりました。

第20回「優秀な人材とは?」の板書

ファシリテーターの思うこと

知識や技術は、絶対評価。
性格や特性は、相対評価。
クセの強いところは、うまくハマればいいけれど、ハマらなければ苦労しそう。

売り手市場か買い手市場か、その時代ごとの情勢もありますが……これから就活をする学生さんには、面接官とウマが合うか?も少し気にしてみると良いかもしれません。

あ、でも、ウマが合うかどうかを見定めるのが難しいかも、どうやって見定めたら……?

悩みはまだまだ尽きません!

参加してくださった皆様、ありがとうございました。

次回の開催案内

次回は2023年9月10日(日)開催。
テーマは「スクールカーストとは?」です!
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