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【後編】太宰初心者の我々が考える、太宰に対する偏見

※この記事は後編です。前編はこちらからご覧ください※

太宰治に本格的に触れていくことになった、表現学部2年生の髙瀨・小嶋のふたり。太宰治の処女作と遺作、年表を追いながら「太宰治という小説家を知る」フリートーク後編です。

髙瀨
情報文化デザインコース(文芸)2年。Fukiyaで自分の表現をさがしています。

小嶋
街文化プランニングコース2年。好きなみそ汁の具は馬鈴薯と甘藍。



「いつでも死んでやる!」みたいな。

小嶋
太宰の作品の中のノンフィクションの部分と、フィクションの部分を詳しく知りたいな。
結局女の人は何人いたんだろう。

髙瀨
調べてみましょうか。
……女性関係、5人みたいだね。

引き続き、こちらの年表を見ながらお話をしています。


小嶋
姦通罪っていうのがあったんだね。
入院中に不倫されちゃったんだ。奥さんに。1936年。

髙瀨
人間失格は1948年だ。
人間失格とグッドバイはそんなに時期違わないね。

小嶋
自分の人生総まとめしたって感じなのかな。
もう死ぬ気でいたのかね。

髙瀨
ずっと入水してたからそうなんじゃないかな。
いつでも死んでやる! みたいな。

小嶋
すごいよね。連載しているのに
別にそんな特別なことでもなかったのかもね。小説を書くっていうことが。

もちろん賞取りたいっていう気持ちもあっただろうし、連載が続いて、そのお金で生活していたことをよしとしていたのかもしれないけど、でも、結構太宰って無責任じゃない?
だからその、発想の転換じゃないけど、無責任という捉え方ではなくて、息するのと同じように書いていたんじゃないかなと思った。

髙瀨
私たちと同じくらいの年齢で、もう入水自殺考えてた。

小嶋
今、太宰さんみたいに死のうとか思わないよ。

でも、18歳の時に芥川さんが死んじゃったのか。憧れの存在が死んでしまうって考えると辛いな。今推しが死んだら生きていけないもんなぁ。
そのときは、自分の大好きな人が死んじゃったから死んでもいいとか思っちゃったんじゃないかな。

髙瀨
真相はわからないけど、それもあったかもね。

小嶋
まあそうだよな。太宰さんにしかわからないからね。
でも、シンプルに考えて、好きな人死んじゃったら、辛いじゃん。


これだけはわかるね。太宰は色男だ。

髙瀨
太宰って、愛人との子供もいたみたいだね。

小嶋
いやあね。私はね、普通に不倫みたいなもの本当に嫌だから。

髙瀨
私も嫌だよ。
でも、結構愛人みたいな作品多くない?

小嶋
そう、そうなのよ。
そういう作品を読むのは別に嫌いじゃない(笑)
フィクションだと思っているから。

髙瀨
なるほど。

小嶋
作者と主人公を重ねて読んじゃうっていうさっきの話とちょっと矛盾してしまうんだけど、フィクションだと思って読んでいるから楽しめる。楽しんでいる自分がいる。
太宰さんが色々な経験をして、作品が書けたのであれば、まあ。よかったんじゃないかなって思う(笑)

髙瀨
不倫ってよくないって思っているから、読んでいるとハラハラするよね。

小嶋
自分は絶対に経験しないだろうから。そういうのを求めて作品を読むわけじゃない? 当時太宰と同じ時代に生きていた女だとしたら、きっと楽しんで読むだろうから……。

髙瀨
でも、これだけはわかるね。
太宰は色男だ。

小嶋
それは思うよね。
イケメンじゃなくても、モテる人とかいるじゃん。
ちょっと悪っぽいやつが急に優しいとドキッとするみたいな、そういう系統の何かを持っていそうだよね。

髙瀨
確かに。

小嶋
嫌なところあるんだけど、優しくされたり。
良い男かはわからないけど。


もしも太宰に会えるなら

小嶋
もし太宰が現代に生きていたら、SNSとかで自分表現してそう。
どっちがいい? 今、太宰と会うのと……。

髙瀨
私たちがタイムスリップして太宰に会うのと?

小嶋
そう。

髙瀨
向こうで会いたいかな(笑)
現代は人間が抱えている闇が大きいから、余計太宰の抱えている闇が大きく見える。

小嶋
現代人の闇よりも重そうだもんな。

髙瀨
やばそうだから向こうで会いたいかな。里緒ちゃんはどうですか?

小嶋
悩むな。戦時中は嫌だけど、向こうの時代で会いたいかな。
戦時中にこういう色恋のお話が読めるのはいいよね。
現実逃避できて。

髙瀨
そうだね。戦争もあったし、病気もあったし、尊敬する人の死もあったし、死と隣り合わせの怒涛の人生って感じあるな。

小嶋
太宰さんは繊細な人ではあると思ったな。我々の好きな文豪は太宰さんと関係のある人なんだけど、太宰さんに今まで辿り着けてなかった我ら。

髙瀨
太宰を2作品読んだり、年表見たりしたけど……。

小嶋
あんまりイメージは変わってない(笑)

髙瀨
キーワードは「女」と「死」っていうのはね(笑)

小嶋
こんなぐだぐだでいいんだろうか。

髙瀨
初回ということで許してください!


まとめをしよう!

髙瀨
どどん!
太宰の人生は、女性と死がたくさん!

小嶋
急に雑だ(笑)

髙瀨
いや、でも列車とグッドバイの比較ができたのは、初心者の会としては良かったんじゃないかな。

小嶋
ちなみにさ、グッドバイはどう終わると思う?

髙瀨
主人公が呪われて殺されると思う。

小嶋
私は、キヌ子さんのことをめっちゃ好きになっちゃって、でも、結ばれることはなく、みんなにグッドバイを言えることもできずに終わると思う。

髙瀨
全員と切離されないっていうのはわかる気がする。
気が狂う描写ありそう。

小嶋
もうちょい太宰さんの作品を読んで、グッドバイの続きを考えたい。

髙瀨
めちゃくちゃ読み込まないとできないね。

小嶋
全部読まないとね!
10人の女性がどんな人が出てくるか考えたい。

髙瀨
作中に2人出てるからあと8人。

小嶋
ラブコメとかギャルゲーみたいなのにもしたい。

髙瀨
全員と別れられるのか!みたいな(笑)

小嶋
これからも太宰作品読んで勉強していこう!



おまけ サムネイルについて(後編)


太宰に対しては酷い偏見ばかり持っていましたが、作品を読んだり、彼の人生を年表で確認したことで、少しだけ考えを改めることが出来たと思います。

そして、実際に会ったら……などと妄想を膨らませることで、距離を近づけることができたように感じます。


今回は会話を文字起こしする形となりましたが、音だと伝わる微妙なニュアンスを文字でどう伝えれば良いのか難しかったです。
もっと作品を読み、太宰治という人物の解像度を上げていきたいです。


イラストは、現存している写真やゲームのキャラクターなどを一切無視した、私のオリジナル太宰です。(小嶋)

太宰治(小嶋作)


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