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「冬の朝焼けが好き。」

この掌編小説は、ChatGPT 4を活用して書きました。
一部脚色を加えていますが、記事中のスクリーンショットは実際に入出力したものです。

「私、冬の朝焼けが好き。」

暖かくなってきた春のある昼下がり、彼女は僕にそういった。
ふたりで部屋にいて、ぽつりとつぶやいた言葉だ。

思わず笑ってしまった。

「なんで笑うのよ」

だって、あまりにも小説じみた表現を、お芝居みたいにきれいな声でいうもんだから、ちょっとおかしくて。

僕としては、そんな何気ない一言の理由まで聞いてみたかったけれど、
なんだかお互い恥ずかしくなってしまった。
それにどうやら、こういうのをずけずけと掘り下げるのは、僕の悪いクセらしい。




そんな会話からどれほど経ったか、ふと思い出して、でもやっぱり掘り返すのもおかしいので、僕は最近ハヤりのAIとやらに聞いてみた。

僕:ある女性は彼氏に向かって「私、冬の朝焼けが好き」といいました。
なぜでしょう? 正解はないと思うのですが、
彼女の心情や意図を想像してみてください。
なるべく情緒的な答えでお願いします。

「ある女性」とかボカしておきながら、「なるべく情緒的な答え」なんてロマンを探そうとする、これも僕の悪い癖らしい。

AI:この女性が「私、冬の朝焼けが好き」と言ったのは、冬の朝焼けが持つ特別な美しさや、その瞬間の静かで穏やかな時間を彼に伝えたかったからかもしれませんね。
冬の朝焼けは、空気が澄んでいるからこそ、より一層鮮やかで深い色彩を放ちます。それは短い時間だけの奇跡のような美しさで、多くの人が見過ごしてしまうかもしれないけれど、彼女にとってはその日の始まりに希望や温もりを感じさせるものなのです。
彼女はそんな冬の朝焼けを見ることで、どんなに寒くても、どんなに暗い夜が続いても、世界はまた美しい色に満ちることを教えてくれると感じているのかもしれません。そして、彼に対しても、この繊細で美しい瞬間を共有したいと思っているのです。
「私、冬の朝焼けが好き」という一言には、「あなたといると、寒い冬も美しく感じられる」という隠れたメッセージが込められているかもしれません。彼女は、彼と一緒にいる時間が、冬の朝焼けのように、何気ないけれど心に残る美しいものであってほしいと願っているのかもしれません。

なんだか長い。
ロマンもへったくれもないじゃないか。
「なるべく情緒的に」という僕の指示がどれくらい効いたのか――

いや、でも。よく読むと、
その瞬間の静かで穏やかな時間を彼に伝えたかったからかも
「あなたといると、寒い冬も美しく感じられる」
なんて書いてあって、情緒のわかるAIじゃないか、とも思う。

でも結局、彼女はなにを言いたかったのか。
本人に聞けば、こんな長文で返ってくるはずもない。

ない。ないんだ。
だって、彼女は人間で、もう僕の彼女ではないのだから。


ある日、彼女は「ごめんなさい」とだけ言葉を残して、いなくなった。
僕のもとから去っていった。

呼びかけることはできても、答えは返ってこない。

答えなんかないんだろうけど、それでもさ。
聞きたかったよ、答え。

僕が「え、どうして?」って、聞いたっていいじゃないか。
キミのこと、もっと知りたかったんだよ。


せめてもの救いを求める気持ちで、僕はAI相手にこう聞いた。

僕:ここまでの会話をもう一度繰り返したいので、同じ質問を返します。
そこで、あなたは彼女になりきって、一言で答えてください。
準備はいい?

AI:準備はいいよ。では、彼女になりきって一言で答えますね。

「だって、その瞬間だけは何もかもが許されるような気がするから。」

「ごめんなさい」

謝って、いなくなろうとするキミに、僕は何も返せなかった。
返さなかった。

人間とAIは確実に違うけれど、
キミと僕には、きっと似ているところがあったんじゃないかな。


わがままで、ごめん。
でも、一緒に見たかったな。冬の朝焼け。


(おわり)

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