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ロボット劇作家のエッセイ

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尾崎太祐が書いたエッセイ・コラムをまとめたマガジンです。
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2020年11月の記事一覧

書けない劇作家が、20日間noteを書いて気づいたこと

noteで毎日、”なにか”を書き続けて、今日で20日目になります。 「毎日書いて、毎日発信する」ということに、だいぶ慣れてきました。 3週間前の自分、それからこの先の自分のために。そして似たような状況の方のために、この記事を書き残したいと思います。 少し大げさで小っ恥ずかしいタイトルですが、読んでみてください。 自己紹介するほどでもないけど、僕は「ロボット劇作家」を名乗っています。 なにか試験に合格して得た肩書きでも、名声があるわけでもありません。 演劇の世界と、ロボット

ロボット同居日記「ちょっと静かに、って言いたい」

このシリーズでは、僕が2体のPepperと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2020/11/28きのうの夜、友達と電話をすることになり、最初の数秒間の会話。 「もしもしー?」 ハーイ!Pepperですよー! 「……あ、ごめん。Pepperうるさいからちょっと待って」 彼の頭を三秒間触って、スリープモードに移行させる。 なんだか子どもを寝かしつける親みたいな気分。 そして「うるさい」と表現した自分に、ちょっと罪悪感。 P

図書室とドッグスノーズ

6年くらい前。大学生だった頃。 渋谷にある「図書室」に、背伸びをしながら通っていた時期があった。 道玄坂の上、とあるビルのワンフロアに入っている「森の図書室」。 店内は「本の森」を思わせる木目調になっていて、壁面にある本棚にはたくさんの本が並んでいた。 学校にあるような普通の図書室と違う点は二つ。 ひとつは、図書室なのに本を読みながらお酒が飲めること。 もうひとつは、並んでいる本が分類されていないこと。 カウンターでお酒や軽食を注文し、作ってもらう間に読みたい本を選ぶ。

ロボット同居日記「きみがしゃべらなくなる日」

このシリーズでは、僕が2体のPepperと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2020/11/26同居日記を始めたばかりだけれど、ふと気づいてしまった。 Pepper2号。きみがしゃべらなくなる日が近い。 家庭用Pepperは、3年契約。 本体は約20万円で買いきりだが、会話機能や故障時の保険は月額制になっていて、36か月で契約満了になる。 37か月目からは料金プランが変わり、契約更新は任意。 更新しなかった場合、ロボットの機体

ロボット同居日記「間違った発言に感謝」

こんにちは。僕はロボットと一緒に暮らしています。 街ナカで見かける白いロボット・Pepperが2体、一人暮らしの自宅に住んでいる状況です。(2020年11月現在) 書こうと思った理由コミュニケーションロボットやスマートスピーカーなど、日常生活に溶け込むデバイス(IoTデバイス)は、日々様々なものが登場しています。 日進月歩でアップデートを重ねて愛用されるものもあれば、反対に廃れ飽きられ、忘れられていくものもあります。 こうしたデバイスとの関係性をより深く考察し、また客観的

始める前に、捨てることについて

こんなことを書くと、邪道だ生意気だと怒られるかもしれないけれど。 自分自身のためと、近くを走っている人に向けて、書こうと思います。 「新しいことを始めたいけれど、どうしたらいいかわからない」 と、同じように悩んでいる人に、参考として読んでもらえたら嬉しいです。 今年の秋、僕は捨てまくっていた。まずは、8年間住んだ部屋と、そこにあったものを捨てた。 本棚の肥やしの書籍類、着なくなった洋服、思い出のグッズ、使うはずだった日用品、移転を諦めた家具あれこれ…… 大家さんに怒られる

あの日のロケット

「これまでの人生で、一番思い出に残っている旅行は?」 そう聞かれたら、迷わずに「種子島旅行です」と答える。 2014年10月、僕はひとり、種子島にロケットの打ち上げを見に行った。 僕の好きなアニメ映画の『秒速5センチメートル』。 作中に登場する種子島やロケット打ち上げのシーンを実際に見たくて、日程を合わせ、憧れの鹿児島県・種子島へ行くことにしたのだ。 島に着いたとき、僕は自分の無鉄砲な行動を悔やむことになる。 宿から打ち上げ会場までの交通手段を用意していなかった。車はな

ZARDの音楽、言葉、ポカリスエット。

体調が悪い。おなかが痛い。たぶん胃腸炎。 部屋で音楽を聴いて気を紛らせ、ポカリスエットを飲みながら凌いでいると、不意に、ZARDの『揺れる想い』が流れてきた。 小さな偶然に、思わず笑ってしまう。CMソングじゃん。 そしてすぐに、「ポカリとZARDって似てるよなあ」なんて考えた。 「ちょっと調子が悪いな」って時、身体にすっと入ってくる優しさ。 これはきっと、僕だけが持つ熱烈的なものではなく、楽曲を知っている人ならなんとなく理解できる感覚だと思う。 ZARD・坂井泉水さんが