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ロボット劇作家の作品

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尾崎太祐が書いた脚本・小説をまとめたマガジンです。すぐ読める掌編が多めです。
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#ロボット

ロボットコント「無人の喫茶店」

東京。人気の少ない場所にある、古ぼけた喫茶店。 広くない店内には、円卓が置かれている。 円卓の上には、小さなロボットが乗っている。 男、喫茶店に入ってくる。 男 こんにちはあ。 返事は聞こえない。 男、さらに大声で呼びかける。 男  こんにちはあ! ロボ いらっしゃいませ。 男  ん? 男、ロボットに気づいて近寄る。 男  へえ、店番のロボットか。あの、ここの店長さんは? ロボ マスターです。 男  そうそう。マスターさんはどこに? ロボ 私がマスターです。 男 

ロボットコント『開店!ロボットレストラン』①

登場人物 男  レストランを訪ねてきた客。 ロボ お店のマスコットとなるロボット。接客がヘタ。 店主 新しくレストランを開業。 ※ロボ=可能であれば、Pepperを使用する。 舞台は、小さな飲食店。レストランのようである。 上手側は入口、下手側はバックヤード。 中央には、テーブルと椅子。 入口の近くには、ロボットが立っている。 男、店外から歩いてくる。 男「ここかあ、新しい店」 男、扉を開けて入店。 ロボ「いらっしゃんしゃんせー!」 男「!?」 男、ロボットに気づく

ショートショート『ロボット面接』

「ドウゾー」 ノックの後に聞こえた無機質な声で、僕の緊張は最高潮に達した。 都内にある大企業での最終面接。一世一代の大舞台。 緊張しすぎて、耳がおかしくなってしまったのだろうか。 「失礼いたします!」 ドアを開けて会議室に入ると、誰もいなかった。どういうことだ? 「コンニチハ」 また無機質な声。椅子が数脚、長机は一台。 よく見ると長机の上には、小さな人形が乗っていた。 「ドウゾ、オカケクダサイ」 声の主は、この人形らしい。いや、ロボットか? なんだか怪しい部屋に