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【エンタメ横断ニュース】コミックスマート28億円資金調達、みずほ証券アニメ映画ファンド立ち上げ(24/8/11)

こんにちは!マンガIPのライツを担当している村田です。

今週のエンタメ横断ニュースを5つ紹介します。


timeleszの新メンバーオーディションがNetflixで配信

ニュースサマリ

timelesz(タイムレス/旧Sexy Zone)の新メンバー募集オーディションの模様が、『timelesz project -AUDITION-』として9月13日(金)からNetflixで独占配信される。今年4月に前グループ名・Sexy Zoneからの改名を発表、翌月5月1日から新メンバー募集オーディション「timelesz project」をスタートしている。

分析、所感

旧ジャニーズで途中からグループにメンバーをオーディションで加入させる動きは初だったと記憶しています。面白いのが、事務所自体ではなくtimeleszというグループへの応募に1万8922件もあって、後半の審査からはジュニアも混じるので、一般から勝ち上がった猛者達とジュニア勢のメンバー争いが見れそうなところです。チャレンジングな取り組みだからこそ、どのようなコンテンツの見せ方になるかが気になります。Nizi Project、THE FIRSTみたいな構成であれば良いなぁと個人的に思います。J.Y. Parkさん、SKI-HIさんみたいにtimeleszの3人の審査員としての一面も観たいですし、候補生も深ぼってキャラが分かる見せ方になっていてファンダムが作られるような構成だと良いですね。
また、HYBEもNetflixでKATSEYEが誕生するまでの裏側を約1年追ったドキュメンタリーを配信することで、こちらも楽しみですね。

「GANMA!」を運営するコミックスマート、総額28億円の資金調達を完了

ニュースサマリ

コミックスマート株式会社は、WiL、DIMENSION株式会社、第一生命保険株式会社、ブーストキャピタル株式会社を引受先とした第三者割当増資により、シリーズAラウンドにて総額28億円の資金調達を実施した。

分析、所感

コミックスマートは元々は電通グループ傘下になったセプテーニ・ホールディングスの子会社でしたが、2023年に連結対象から除外されています。

コミックスマートといえば、マンガアプリのGANMA!運営で知られていますが、自社IPも開発しており、特に「山田くんとLv999の恋をする」のアニメ化はクランチロール・アニメアワード2024において、最優秀ロマンス作品賞、最優秀日常系作品賞にノミネートされているなどクロスメディア化が成功したといえるIPも出せている印象です。
また、デジタルアニメスタジオ「Qzil.la(クジラ)」を保有しており、MVやアニメ・キングダムのED制作などを手掛けていますが、いずれ自社IPのアニメ化を自社スタジオで出来てしまうような総合エンタメ企業として成長していきそうです。

みずほ証券、アニメ映画製作のための資金調達を目的としたファンドを立ち上げ

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みずほ証券はアニメ映画製作のための資金調達を目的としたファンドを立ち上げる。一口5000万円や1億円程度を想定、金融機関や事業会社といった投資家の資金を募る。海外の投資家も視野に検討。ファンド規模は15億〜25億円程度を予定。年内をめどに組成し、1作品当たり8億円程度を投じて複数本の製作を見込む。

分析、所感

いわゆるコンテンツファンドの1つですね。最近の動きだと、長編映画、長編アニメ映画のファンド「K2P Film Fund Ⅰ」も出てきたりしてます。

コンテンツファンド自体は新しいものではありません。だからこそ、あえて2007年の古い記事を引っ張り出しますが、ヘッジファンドがハリウッド映画を支えていたこともあったのです。

日本もコンテンツファンドの挑戦はあり、例えばアニメ制作会社ゴンゾはアニメ「バジリスク」の個人投資家向けファンド、松竹は映画「忍 SHINOBI」で個人投資家向けファンドを実施しましたが、どちらも投資資金は元本割れと失敗したと言えるでしょう。(ちなみに、どちらも原作は「甲賀忍法帖」です。)

エンタメはそもそもハイリスクハイリターン。だから、ファンドを立ち上げるなら複数作品を制作、他作品の失敗を取り返せるくらいの大ヒット作品1つが出ればいい…みたいなスキームが最低条件だと思います。

みずほ証券はファンド自体は組成できる気がしますが、ヒットしそうな作品にきちんと出資できるかの大きな壁がまだあるかと思います。ただ、ここから成功事例が生まれて、日本のコンテンツファンドがもっと活発に、そして増えるといいですね!

サンリオ、創作プラットフォーム「Charaforio」の提供開始

ニュースサマリ

サンリオが公式とファンがつながる創作プラットフォーム 「Charaforio(キャラフォリオ)」をリリース。Charaforioとは、企業や個人が自身のシリーズ作品をIPとして登録し、クリエイターがそこで定められたルールの中でファン創作活動を楽しめるプラットフォーム。

分析、所感

プラットフォームに登録されたIP公認のpixivといった感じでしょうか。サンリオの呼びかけだと多くのIPが集まる気がしますが、既にアークナイツ、ブルーアーカイブなどYostarのIP、P丸様。など多数のサンリオ外のIPやクリエイターが参加しています。

リリース後は、クリエイターや企業の皆様が円滑に案件を進めることをサポートする「Charaforio」上で仕事の報酬の授受が完結する受発注機能や、「ファン創作作品」から派生した収益をIPホルダーとクリエイターに還元する仕組みなど、今後も様々な機能を実装予定です。

ファンと公式がつながる創作プラットフォーム「Charaforio」リリースしました!|Charaforio公式 (note.com)

公式のnoteに記載ありましたが、今後は受発注機能、IPホルダーとクリエイターの還元の仕組みなども実装予定とのことでさらなる盛り上がりが予想されます。

推し活というのは単なる消費から「N次創作」に移って行っている傾向にあります。サンリオのハローキティといえば、ご当地キティからアニメキャラなどなんでもコラボできる柔軟なIP。そんなサンリオだからこそ「N次創作」のインパクトが分かり、出てきた新サービスだと思いました。

https://www.hakuhodo.co.jp/humanomics-studio/assets/pdf/OSHINOMICS_Report.pdf

そんなサンリオの2025年3月期第1四半期決算説明資料が公開されていますが、四半期で初めて営業利益が100億円を突破と絶好調です。

テレ東、ショートドラマへ本格参入。BUMPでオリジナルドラマを3作品配信予定

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テレビ東京は2024年中にオリジナルショートドラマ3作品を制作し、1話3分のショートドラマ配信アプリ「BUMP」にて、20日正午から第1弾を配信する。第1弾のジャンルはBL。同局では「25時、赤坂で」「ひだまりが聴こえる」に次ぐ2024年3作品目のBL作品となる。

分析、所感

ドラマプロデューサーの方とお話して、よく聞く課題は「若い人にドラマを見て欲しいが、見てもらえない」というもの。ただし、Z世代のような若い世代に適切な見せ方、届け方をすれば十分に見てもらえると思います。その答えの1つが、ショートドラマというフォーマットだと思います。

これまでFOD、毎日放送と共同制作をしてきた実績があるemoleが運営するBUMPですが、テレビ東京というキー局もパートナーに選んだということで、ショートドラマのプラットフォームとして突出した存在であることを多くの人が認識したと思います。

今週のニュースは以上です。分析、所感は間違っている理解や知識があるかもしれませんので、もし気づいたらご指摘ください・・・。それでは、また来週お会いしましょう!

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