【分析結果】#CSMオススメ書籍決定戦 -カスタマーサクセス経験者が選ぶ推薦書籍の分析-
こちらのnoteでは、 #CSMオススメ書籍決定戦 における入選書籍の紹介や集計結果の分析を行います。
#CSMオススメ書籍決定戦 とは、カスタマーサクセスに従事したことのある人を対象に、カスタマーサクセス従事者にとってのオススメ書籍をそれぞれご回答いただき、その結果を集計してランキング化するという企画です。2022年12月にアンケート形式で調査を実施し、84名の方から合計161件の投票をしていただき、90種類の書籍が選ばれました。
そして、本noteでは、この調査結果について詳細な分析を行ない、カスタマーサクセス従事者に求められるスキルに関する示唆を整理していきます。カスタマーサクセス経験者の知見が詰まった内容になっていますので、ぜひCSMとしてのスキルアップやキャリアアップにお役立ていただけますと幸いです。
(※なお、本企画の調査方法や回答者属性等の詳細は、前回の以下noteでご紹介しています。これらの情報を確認されたい方は、以下のリンクをご参照ください。)
1. 今回の分析で目指すこと
詳しい分析に入る前に、この分析の目標を明確にします。
まず、「#CSMオススメ書籍決定戦」で目指していたことを、改めて簡単におさらいします。本企画では、カスタマーサクセス経験者が選ぶオススメ書籍をランキング化することで、カスタマーサクセスのスキルアップを目指す方が参照すべき書籍を明らかにして、その方のキャッチアップの質と効率を向上させることを目指しました。
そのため、今回のnoteの中では、まず、90種類の全ランクイン書籍をご紹介した上で、さらに、この結果をカスタマーサクセスとしてのスキルアップに役立てやすいように深掘りして見ていきます。具体的には、職種(業務領域)ごとの分析と、推薦理由の紹介と考察を行います。
職種(業務領域)ごとの分析。
一口にカスタマーサクセス業務と言っても、非常に多岐にわたる役割が存在します。「自身が携わる役割範囲・業務領域に近い経験を持つ方が、オススメする書籍は何か」を参照できるよう、回答者の業務領域で切り分けて分析を進めていきます。
推薦理由の紹介と考察。
今回の分析を通じて、本企画の回答者のみなさんの推薦コメントをご紹介しつつ、それらの本を読むことで学び取るべきポイントを明らかにしていきます。さらに、その内容分析を通じて、カスタマーサクセス従事者の方がどのようなスキルを身につけることが有効であるのかという点にも踏み込んでいきたいと思います。
つまり、このnoteでは、90種類の全書籍を紹介した上で、結果の分析をすることで以下二点を目指します。
①業務領域ごとにオススメされる書籍は何かを明らかにする
②推薦コメントや各書籍が扱うテーマ内容から、カスタマーサクセス従事者が身につけるべきスキルに関する示唆を整理する
2. 推薦書籍、全90冊の一覧紹介
では、具体的に結果を見ていきましょう。まずは、今回の調査結果として、ランキング外の書籍を含めた90種類の回答結果を全て共有します。全体ランキングは以下6枚のスライドに記載の通りです。
(※なお、今回の調査結果では「得票数」と「ポイント」という集計項目を用いています。「得票数」とは、その書籍をオススメ書籍として回答した人数を示します。「ポイント」とは、1位として選んだ場合には3pt、2位は2pt、3位は1ptとして集計した合計得点を示しています。さらなる調査方法の詳細は前述の前回noteをご参照ください。)
いかがでしたでしょうか。あなたが読んだことのある書籍は、何冊くらいランクインしていたでしょうか。なお、20位以降のほとんどが、同率の順位で得票数が1冊です。しかし、どちらの書籍もCS経験者の方がオススメする「その人にとってのベスト3」に選ばれていたものですので、ご一読の価値は十分にあろうかと思います。ぜひご参考にしてください。
3. 業務領域(職種)別ランキング
続いて、業務領域(職種)別のランキングを見ていきます。個別のランキングに移る前に、今回の回答者の属性情報として、どのような業務領域に回答者の経験が分布しているか確認していきます。
3.1. 業務領域に関する回答者の傾向
今回、業務領域に関する質問として、以下の内容をお尋ねしていました。個別の業務領域について詳しい解説は併記せずに、あくまでも回答者本人の認識による定義で確認する形にしていました。また、複数選択が可能な形式にしていました。
そして、上記質問の回答結果は、以下のスライドの通りです。
上記スライドに2種類のグラフを掲載していますが、それぞれ簡単に説明します。
まず、左手にある棒グラフは、業務領域ごとの回答人数を示しています。最大回答は「ハイタッチ」で、人数は78名と回答者の9割以上が該当する結果となっています。次が「カスタマーサポート」で49名、その次が同率で「テックタッチ」と「チームマネジメント」で39名となっています。
また、上記の右手にある円グラフは、1人の方が同時に回答した業務領域の種類数の分布を示しています。例えば、「ハイタッチ」と「カスタマーサポート」の両方を回答した方は、「2種類」として集計されている形です。全体として種類数の偏りは小さいですが、1種類〜3種類の合計で半数以上を占めています。ちなみに、本題から外れるのでこれ以上詳しくは触れませんが、左手の棒グラフと併せて考えると、「カスタマーサポート→ハイタッチ」や「ハイタッチ→テックタッチ」「ハイタッチ→チームマネジメント」といった、よく見聞きするキャリアパスを傾向として示しているようにも読み取れるので面白いですね。(詳しい説明は省きます。)
3.2. 業務領域別ランキング
さて、本題に戻ります。以降で、各業務領域ごとに「その領域を経験したことがある人」という条件で、スクリーニングをかけた書籍ランキングを紹介していきます。それぞれトップ5の書籍を紹介します。
※ただし、あくまでもスクリーニング条件として業務経験を用いているのみですのでご注意ください。例えば「各業務領域にとってオススメの書籍は何ですか」といった聞き方はしていないので、その点は前提としてご理解ください。(なお、当初そういう聞き方をすることも調査設計段階で検討したのですが、回答負担が大きくなり過ぎて回答率が下がる懸念があったので、本企画でその質問は採用しないことにしていました。)
まずは「ハイタッチ」経験者です。ランキングは以下の通りです。元々、回答者の9割以上が「ハイタッチ」経験者に該当するため、ほぼ当然の結果として全体ランキングと一致しています。
次に「テックタッチ」経験者のランキングを見ていきましょう。本ランキングでは「「カスタマーサクセスーーサブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」が全体2位から1位へ、「カスタマーサクセス・プロフェッショナルーー顧客の成功を支え、持続的な利益成長をもたらす仕事のすべて」が全体4位から2位へ、「おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係」が全体6位から3位へとランクアップしています。
続いて「カスタマーサポート」経験者です。こちらも1位は「テックタッチ」経験者と同様に「「カスタマーサクセスーーサブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」となりました。「おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係」は全体6位から5位に浮上する結果になり、その他は全体傾向と概ね一致するランキングになっています。
次は「コミュニティ運営」経験者です。以下表の上から3冊は全体傾向と概ね一致していますが、「実践カスタマーサクセス BtoBサービス企業を舞台にした体験ストーリー」は全体10位から2位へ、「問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション」は全体18位から5位へ、「カスタマーサクセス経営」も全体10位から5位へと順位を上げています。
続いて「カスタマーマーケティング」経験者です。こちらも上から2冊は全体傾向と大きく違わないですが、「チャレンジャー・セールス・モデル 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」」は全体7位から2位へ、また「コミュニティ運営」経験者のランキングと同様に、「問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション」と「カスタマーサクセス経営」も順位を大きく上げています。
次に「CS Ops」経験者です。上位3冊は全体傾向と概ね一致していますが、第4位に「実践カスタマーサクセス BtoBサービス企業を舞台にした体験ストーリー」が、同率第5位に「チャレンジャー・セールス・モデル 製薬に直結させる「指導」「適応」「支配」」「大型商談を成約に導く「SPIN」営業術」がランクインしています。
最後に「チームマネジメント」経験者です。こちらも上位4冊は若干の前後はあれど概ね全体傾向と一致しています。同率第5位として、セールス関連の書籍として「CS Ops経験者」のランキングでもランクインしていた2冊に加え「Sales is 科学的に成果をコントロールする営業術」が、さらには「「顧客愛」というパーパス<NPS3.0>」が同率でランクインしています。
いかがでしょうか。業務領域ごとに結果に差が見られていて面白いですね。「おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係」が「テックタッチ」や「カスタマーサポート」のランキングで順位を上げている点や、カスタマーサクセスを主題にした書籍が「コミュニティ運営」や「CS Ops」のランキングで上位に名を連ねている点は、書籍の内容からして直感的に頷けるポイントではないでしょうか。一方で、セールス関連の書籍が「カスタマーマーケティング」「CS Ops」「チームマネジメント」の中で特に多くランクインしている点は、なかなか興味深い点ではないでしょうか。
4. 上位ランクイン書籍の推薦コメント
さて、ここまで本noteでは、ランクイン書籍90冊を全てご紹介した上で、各業務領域ごと経験者が選ぶ書籍Top5を順番に見てきました。この結果を見るだけでも多くの気づきがあると思いますが、ここからは「なぜ、その書籍が推薦されているのか」という点も触れていきます。
ただし、90冊全てのコメントをご紹介すると流石にボリュームが長くなりすぎるので、以下のいずれかに該当する合計17冊に対象を絞った上で、それぞれの推薦コメントを順番にご紹介していきます。
・全体ランキングでTop10にランクインした書籍
・各業務領域ごとのランキングでTop5にランクインした書籍
(※ただし、推薦コメントについては、掲載の許可をいただいた一部のコメントの中から数件ずつ抜粋して取り扱いますので、その点はご承知置きください。)
■カスタマーサクセス実行戦略
まずは総合ランキング第1位の「カスタマーサクセス実行戦略」です。以下スライドに記載の各項目で上位にランクインしています。
本書では数多くの推薦コメントが寄せられておりますが、そのうち象徴的なものを5件を抜粋し以下にまとめて掲載します。
推薦理由の共通点として「体系的な整理」「基本的な概念の網羅性」「取り組みの具体性」を評価するコメントが目立ちます。まさに実践向きの書籍と思います。
また、著者の山田ひさのりさんへ、#CSMオススメ書籍決定戦で本書が総合1位を獲得されたことをご報告させていただいたところ、以下のコメントをいただきました。
当初より「カスタマーサクセスのプラクティスを整理する」という想いで本書を執筆されたことをお伺いし、実際に本企画でも経験者の方々から高い支持が集まった結果に敬服いたしております。また、温かいお言葉と共に、第3版をご執筆中との情報をお伺いし、そちらの発売もとても楽しみです。
以上が「カスタマーサクセス実行戦略」の推薦コメントのご紹介でした。既に多くの方がご購入済みのご状況と推測しますが、まだお読みになられていない方は、藤島さんが仰るように「マストバイ」かと思いますので、以下リンクよりお買い求めいただくことを推奨いたします。
■カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則
続いて、総合ランキング第2位の「カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」です。本書も以下スライドに記載の各項目で上位にランクインしています。
本書も数多くの推薦コメントが寄せられておりますが、このうち以下4件の抜粋コメントをぜひご覧ください。
本書は「青本」の通称でカスタマーサクセス従事者に広く知られていますが、推薦コメントの中でも「王道」「教科書」「導入本」といった表現が見られました。基礎知識をキャッチアップしていただくためには、真っ先に手に取っていただく書籍であるかと思います。
また、Gainsight株式会社 代表取締役社長の絹村さんに本書が上位にランクインされたことをご報告させていただいたところ、以下のコメントをいただいております。
変化の激しいITビジネスの中でも、既に10年もの年月を経て実務経験者から選ばれ続けている本書のメッセージは、決して小手先のテクニック論ではないもので、その影響力の大きさに感銘を受けます。絹村さんと同様に本書を何度も繰り返し参照されている方が多いと思いますが、10原則を改めてご覧いただくと、これらが「原則」であることを再度ご実感いただけるのではないでしょうか。
以上が「カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」の推薦コメントのご紹介でした。カスタマーサクセスに従事されたばかりの方の中には、まだお読みになられていない方もいらっしゃると思います。以下リンクから入手してお手元に置いておいていただくことをオススメいたします。
■THE MODEL
次に、総合ランキング第3位の「THE MODEL」です。本書も以下スライドに記載の多くの項目で上位にランクインしています。
本書についても推薦コメントの一部を以下にてご紹介いたします。
各コメントに共通するキーワードとして「全体像」が挙げられます。全体の中での相対的なCSの役割や、他の部門との連携について深く考えられるきっかけになる点が推薦理由として紹介されています。組織体制や活動内容の在り方を検討する上で必読の1冊であるかと思います。
■カスタマーサクセス・プロフェッショナル――顧客の成功を支え、持続的な利益成長をもたらす仕事のすべて
次は、総合ランキング第4位の「カスタマーサクセス・プロフェッショナル――顧客の成功を支え、持続的な利益成長をもたらす仕事のすべて」です。本書も以下記載の多数の項目で上位にランクインしています。
こちらも以下に推薦コメントを抜粋して記載していきます。
本書は上記以外にも複数のコメントで「具体性」がポイントとして挙げられています。また、コメントの中で「勇気をもらえる」「理想を思い出したい」という表現が用いられていることも特徴的です。取り組みが行動ベースで具体的に記載されているからこそ、今できていないやるべきことを直接的に実感しやすいのかもしれません。CSMとして実務に携わる方は、一度手に取っていただくのがよろしいかと思います。
■イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」
続いて、総合ランキング第5位の「イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」」です。本書も以下の複数項目でランクインしています。
本書の推薦コメントは以下をご紹介します。
多様多彩な役割を担うことが多いCSMだからこそ、顧客への支援内容やCS組織としての活動内容を見極めることが必要であるとの示唆が、各コメントの共通要素として読み取れます。業務の企画やコンサルティングに近いハイタッチ支援を担う方にオススメの1冊であると思います。
■おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係
次は、総合ランキング第6位の「おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係」です。本書のランクイン状況は以下の通りです。
こちらもコメントを抜粋して以下に掲載します。
本書の推薦コメントでは、本書の主張への共感を示す言及が目立ちました。「カスタマーサポート寄り」との紹介も複数見られ、「カスタマーサポート経験のある方が選ぶランキング」でも上位にランクインしています。カスタマーサポートの業務設計は担う方はもちろんのこと、コメントにもある通りヘルススコアの設計を担う方やハイタッチ支援を担う方にとってもオススメの1冊であると思います。
■チャレンジャー・セールス・モデル 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」
次に、総合ランキング第7位の「チャレンジャー・セールス・モデル 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」」です。本書も多くの項目で上位にランクインしています。
本書もいくつかコメントをご紹介します。
上記コメントのいずれも「CSMだからこそ本書のエッセンスが重要である」という点が強調されています。複雑な商材やチェンジマネジメントなど高度なハイタッチ支援を担う方は必読かと思います。
■大型商談を成約に導く「SPIN」営業術
続いて、総合ランキング第8位の「大型商談を成約に導く「SPIN」営業術」です。本書のランクイン状況は以下の通りです。
本書も以下のコメントをご紹介します。
「引き出しを増やせる」「本書の方法をよく使っている」というコメントに表れていますが、実践的なノウハウであることがわかります。ハイタッチ支援を担う方には特にオススメの1冊であるでしょう。
■サブスクリプションーー「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル
次は、同率で総合ランキング第8位の「サブスクリプションーー「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル」です。
こちらもいくつかコメントをご紹介します。
上記コメントから本書は、カスタマーサクセスの必要性や役割を俯瞰的に理解する一助となることが伺えます。継続課金モデルとSaaSやカスタマーサクセスは密接な関係にあります。本書はCSMチームの役割や活動内容を設計する人にオススメの書籍であると思います。
■カスタマーサクセス経営
続いて、総合ランキング第10位の「カスタマーサクセス経営」です。以下の複数項目でランクインしています。
本書もいくつか推薦コメントをご紹介します。
本書の推薦コメントには「ビジネスサイド全体」「プロダクトとカスタマーサクセスの位置関係」「カスタマー体験」など、俯瞰的な立場・視点でのポイントが目立ちます。活動の全体設計に携わる人にとってオススメの1冊であると思います。
■人を動かす
次に、同率で総合ランキング第10位の「人を動かす」です。
本書も以下にて推薦コメントをご紹介します。
また、本書に関してはGainsight株式会社 代表取締役社長の絹村さんからも、CSMの方にとって本書を推薦する旨をご共有いただいております。
書名の通り「人を動かす」ことがCSMにとって重要である点が、みなさんのコメントから示唆されています。特に「お客様に動いていただくこと」や「社内の方の協力を得ること」の難しさに直面している方は、本書の内容をじっくりと読んでいただくことをオススメします。
■ストックセールス 顧客が雪だるま式に増えていく「4つのメッセージモデル」
次に、同じく同率で総合ランキング第10位の「ストックセールス 顧客が雪だるま式に増えていく「4つのメッセージモデル」」です。
本書も推薦コメントをいくつか以下にてご紹介します。
推薦コメントからも読み取れる通り、「既存顧客に対する契約交渉」に特化したコミュニケーションに関する助言を「体系的に」キャッチアップできる点が高く評価されています。解約阻止やアップセルの交渉を担っているハイタッチ担当の方にオススメしたい1冊であると思います。
■実践カスタマーサクセス BtoBサービス企業を舞台にした体験ストーリー
続いて、同様に同率で総合ランキング第10位の「実践カスタマーサクセス BtoBサービス企業を舞台にした体験ストーリー」です。
なお、本書の発売日は2023年1月6日でした。すなわち、#CSMオススメ書籍決定戦の投票が行われていた期間においてはまだ予約待ちの状況でしたが、そのような状況にも関わらずトップ10にランクインしています。本企画がもっと先の未来で開催されていた場合には、また違った結果になっていたかもしれません。
本書の推薦コメントも以下でご紹介します。
また、本書については、著者の藤島さんからも直接以下のコメントをいただいております。
カスタマーサクセス活動で求められる具体的なアクションについて包括的にキャッチアップされたい方にオススメしたい1冊だと思います。
■「顧客愛」というパーパス<NPS3.0>
次に、こちらも同率で総合ランキング第10位の「「顧客愛」というパーパス<NPS3.0>」です。こちらも以下の項目でランクインしています。
推薦コメントについて、以下にていくつかご紹介いたします。
各コメントから顧客体験とその影響を定量的に把握・検討することができる点が評価されています。スコアの設計や活動のマネジメントを担う方にオススメしたい1冊であると思います。
■顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説ーアマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか
続けて、こちらも同率で総合ランキング第10位の「顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説ーアマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか」です。
例によって以下にいくつか推薦コメントを掲載します。
上記コメントを併せて考えると、顧客体験を事業全体の視点で考え、その上でカスタマーサクセスとしての役割を考えていくことの重要性が示唆されます。こちらも活動全体や計画を検討する役割を担う方にお読みいただきたい1冊であると思います。
■Sales is 科学的に成果をコントロールする営業術
そして、こちらも同率で総合ランキング第10位の「Sales is 科学的に成果をコントロールする営業術」です。以下の項目で上位にランクインしています。
推薦コメントをいくつか掲載します。
植本さんのコメントにあるようにアップセル/クロスセルを狙っていくシーンはもちろんのこと、内野さんのコメントにあるようにお客様のアクションを促すコミュニケーションにおいても求められるスキルが学べる点が、推薦されるポイントだと考えられます。ハイタッチの支援を担う方に幅広くオススメしたい1冊であると思います。
■問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション
上位ランクイン書籍の推薦コメントの紹介は、こちらが最後の1冊です。総合ランキング第18位の「問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション」です。こちらも以下の複数項目で上位にランクインしています。
本書の推薦コメントを2つ紹介します。
お客様の課題を適切に設定するためのヒアリングやファシリテーションのスキルを培うことができる点が、オススメされる理由であると読み取れます。コンサルティングに近い高度なハイタッチを担う方にお読みいただきたい1冊であると思います。
以上が上位ランクイン書籍17冊の推薦コメントのご紹介でしたが、いかがでしたでしょうか。
各書籍に対して複数の方から推薦コメントを頂いておりましたが、ここまでご覧いただいてきたように、その理由に共通するポイントが多くありました。また、推薦されている書籍自体は違えど、その推薦される理由は本質的に一致している点も多く、私自身も大変興味深くコメントの内容を拝見しておりました。
そこで、この点をもう少し掘り下げていきたいと思います。すなわち、以降では、今回の企画で上位にはランクインしていない書籍も含め、これらの推薦コメントを参考にしつつ各書籍が推薦される理由とそのポイントを確認していきます。そして、CSMに求められるスキル要件へのヒントを探っていきます。
5. カテゴリー分析
5.1. カテゴリー設定の方法
ここまでの結果を見てきたところ、ランクインしている書籍はいくつかのカテゴリーに分類できそうだと考えました。各書籍を、あえて何らか一つのカテゴリーに分類するとしたら、オススメ書籍はどのような分布になるか、確認していきたいと思います。
さて、全90種類の書籍にカテゴリーを付けたところ、各書籍は以下の10種類のカテゴリーに分類できました。「その書籍の主題はどのようなカテゴリーに属していると考えるのが最も相応しいか」という観点で、各書籍を私が独断で分類しました。「どの書籍をどのカテゴリーに分類したのか」という点は、後ほどカテゴリーごとに一覧でご紹介します。
5.2. カテゴリー分布状況
では、各カテゴリーにどれ程度のオススメ書籍がランクインしているかを具体的に見ていきましょう。ランクイン冊数に基づき集計を行ったところ、以下スライドのような結果となりました。
まず、上記スライド上段の棒グラフは、「01. カスタマーサクセス」のカテゴリーに属する書籍と、そうでない書籍の割合を示しています。そして、24.8%(約1/4)の書籍が「01. カスタマーサクセス」に属する結果となっています。なお、前回のnoteでもご紹介させて頂いた通り、本企画の骨子となる質問は以下の内容でした。
やはりカスタマーサクセスをテーマにしている以上は、これを主題とした書籍が多くランクインする結果になることは、ある程度想定通りでした。しかしながら、それでも「01. カスタマーサクセス」に属する書籍は、あくまでも全体の1/4にとどまっています。つまり、大半はこれ以外のカテゴリーに属する形となっています。
では次に、「01. カスタマーサクセス」以外には、どのようなカテゴリーの書籍に多くの票が集まっているのでしょうか。これを示したのが先ほどのスライド下段にある棒グラフです。表記している%は、「01. カスタマーサクセス」に属さない書籍全体(=121冊)を分母として算出しています。結果として、最大得票数は「07. マネジメント/SaaS」で25.6%、次点が「09. 考え方/思考力」で23.1%、次次点が「08. コミュニケーション/文章術/資料作成術」で14.9%となっており、これらの合算で6割を超えています。職種によらず求められるポータブルスキルに関わる領域に多くの得票数が集まっている形になっています。幅広い役割が求められるCSMだからこそ様々な業務に役立てられるポータブルスキルが重視されている側面があるのかもしれません。
また、各書籍のカテゴリー分析を、業務領域の軸と掛け合わせて分析してみると、どのような結果になるでしょうか。これを示したのが以下スライドの2つのグラフです。
まず、上記スライド上段の「01. カスタマーサクセス」カテゴリーの比率について見ていきましょう。先ほど確認した通り全体としての比率は24.8%ですが、「コミュニティ運営」は30.8%、「CS Ops」は34.2%と相対的に高い数値になっています。これらの業務領域は、もしかしたらカスタマーサクセス固有のスキル・経験が求められる傾向がやや強いのかもしれません。特に、多くの組織で「CS Ops」はカスタマーサクセス活動の設計を担うことが多いため、前提としてカスタマーサクセスの一般的知識を有していることの重要性が高そうだと思います。
続いて、上記スライド下段にある「カスタマーサクセス」以外のカテゴリーについても、順番に各業務領域ごとに確認していきましょう。
「ハイタッチ」は、繰り返しの解説になりますが、今回の回答者の9割以上がハイタッチ経験者であるため、自然な成り行きとして全体傾向と概ね一致しています。ただし、全体と比べて「02. セールス」が1.8pt、「04. 顧客満足/NPS/CRM」が0.6pt増加する結果になっている点は注目に値すると思います。元々セールス経験をお持ちである方がハイタッチ業務に就くケースは比較的多いキャリアパスで、これらは業務の性質としても似通っていると思います。そのため、ハイタッチの担当者にセールススキルが求められる傾向が相対的に強い点は、納得感のある結果なのではないでしょうか。
次に「テックタッチ」です。全体傾向と比較して「04. 顧客満足/NPS/CRM」が4.8pt、「08. コミュニケーション/文章術/資料作成術」が4.2pt、「02. セールス」が1.5pt、それぞれ増加となっています。「04. 顧客満足/NPS/CRM」が増加する点は違和感がない印象でありますが、残り2つも増加している点は興味深いと感じました。ハイタッチでの交渉プロセスを理解しているからこそ、テックタッチに落とし込んだコミュニケーションを適切に設計できるという側面があるのかもしれません。
続いて「カスタマーサポート」です。全体傾向と比べ「04. 顧客満足/NPS/CRM」が3.4pt、「07. マネジメント/SaaS」が2.4pt増加となっています。やはり「04. 顧客満足/NPS/CRM」が相対的に高い結果になっております。カスタマーサポートは、外注している企業も比較的多く存在すること等を鑑みると業務の複雑性が相対的に高くないという評価も可能だと思います。その点、全体的なマネジメントに目を向けやすいという側面もあるのかもしれません。
次に「コミュニティ運営」です。全体傾向から「08. コミュニケーション/文章術/資料作成術」が11.0pt、「03. マーケティング」が6.1pt、それぞれ大幅に増加となっています。コミュニティは、場の発展・改善を目指す上で、直接的な働きかけだけではなく間接的な働きかけを行うことが求められるため、マーケティング的な発想が非常に重要になると思います。また、多様なステークホルダーの心情や感情に配慮しつつ、曖昧性の高い状況下において多様なニーズを擦り合わせて調整するファシリテーションなど、非常に高度なコミュニケーションスキルが求められる職種であるようにも思います。
次に「カスタマーマーケティング」です。全体傾向と比較し「03. マーケティング」が5.8pt、「08. コミュニケーション/文章術/資料作成術」が1.3pt、それぞれ増加となっています。マーケティングについては説明不要と思いますが、カスタマーマーケティングは「1:N」のコミュニケーションが求められるという点で、1本あたりのコミュニケーションの重要性が相対的に高まる側面があるのかもしれません。
続いて「CS Ops」です。全体傾向と比較し「03. マーケティング」が4.6pt、「09. 考え方/思考力」が3.8pt、「02. セールス」が2.2pt、それぞれ増加となっています。CS Opsは、全体の企画を担うという点で、幅広いスキル・経験と高い思考力が求められると思います。
最後に「チームマネジメント」です。全体傾向と比較し「02. セールス」が5.0pt、「05. 製品開発/PLG」が1.2pt、「03. マーケティング」が1.1pt、それぞれ増加となっています。セールスが特に高い数値になっている点は興味深いですね。恐らくマネジメントのポジションの数としては、全体の人口的にもハイタッチを担うチームが多いのではないかと想定しています。そして、コミュニケーションや交渉のスキルを高めていく上で、セールス分野で蓄積されてきた知見から学びとるべき点は多いため、その結果が反映されているという見方もできるかもしれません。
カテゴリー分布状況の説明は以上です。上記の説明は、基本的にやや踏み込み過ぎであると考えています。たかが数値、されど数値です。しかし、何らかの意味があるのではないかという前提に立って議論を深めること自体には、一定の意味があるのではないかと思います。
5.3. カテゴリー分析
続いて、各カテゴリーごとにランクインしている書籍を個別に確認していきます。同時に、各カテゴリーの一部の書籍について、推薦コメントも紹介していきます。
まずは「01. カスタマーサクセス」と「02. セールス」です。一覧は以下スライドに記載の通りです。
これらのカテゴリーは上位にランクインしている書籍が多いため、推薦コメントはそれぞれ1つずつに絞ってご紹介します。
■Farm Don't Hunt: The Definitive Guide to Customer Success
■営業は準備力: トップセールスマンが大切にしている営業の基本
特に「セールスとCSは共通のスキルが求められる」という評価は、他の書籍の推薦コメントでも見られたポイントであると思います。
続いて、「03. マーケティング」と「04. 顧客満足/NPS/CRM」を見ていきましょう。それぞれのカテゴリーの書籍は以下スライドの通りです。
まずは「03. マーケティング」について、推薦コメントを4つご紹介します。
■売上の地図 3万人を指導したマーケティングの人気講師が教える「売上」を左右する20のヒント
■伝説の通販バイブル
■売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則
■ビジネスも人生もグロースさせる コミュニティマーケティング
「03. マーケティング」に関しては、「考え方や概念」と「具体的な施策」の両方について、CSMにとって推薦される旨のコメントが目立ちます。自社の課題や改善策を検討する上で参考になる部分が多そうです。
次に「04. 顧客満足/NPS/CRM」です。以下3冊の推薦コメントを紹介します。
■企業の「成長の壁」を突破する改革 顧客起点の経営
■お客さまがまた来たくなる ブーメランの法則
■CRMの基本 (この1冊ですべてわかる)
基本的な考え方として「顧客起点」であることの重要性が示唆されています。あらゆる取り組みの大前提として意識したいポイントであると思います。
次に、「05. 製品開発/PLG」と「06. プロジェクトマネジメント」です。それぞれのカテゴリーの書籍は以下スライドの通りです。
さて、「05. 製品開発/PLG」は以下2冊の推薦コメントをご紹介します。
■PLG プロダクト・レッド・グロース「セールスがプロダクトを売る時代」から「プロダクトでプロダクトを売る時代」へ
■新規事業を成功させる PMF(プロダクトマーケットフィット)の教科書 良い市場を見つけ、ニーズを満たす製品・サービスで勝ち続ける
プロダクト開発の視点を持ち、これを担うメンバーと効果的な連携を図ることの重要性が示唆されています。CS側で整理すべき情報を検討する上でも役に立つポイントが多いかと思います。
次に「06. プロジェクトマネジメント」も、以下2冊の推薦コメントをご紹介します。
■図解 これ以上やさしく書けない プロジェクトマネジメントのトリセツ
■外資系コンサルが教える難題を解決する12ステップ プロジェクトリーダーの教科書
特にオンボーディングの場面など、CSMにはプロジェクトとして顧客支援を行う場面があります。その際にプロジェクトマネジメントの一般的な知識やポイントを押さえておくことで、スムーズかつ効果的な支援を行うことができると思います。
続いて、「07. マネジメント/SaaS」です。このカテゴリーの書籍は以下スライドの通りです。
「07. マネジメント/SaaS」について、以下4冊の推薦コメントをご紹介します。
■Hot Pepperミラクル・ストーリー―事業マネジメントを学ぶための物語
■THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法
■急成長を導くマネージャーの型 ~地位・権力が通用しない時代の“イーブン"なマネジメント
■1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え
このカテゴリーの中の書籍の種類としては、共通のテーマについて俯瞰的に分析・考察されているものと、特定の企業の事例について深く掘り下げて紹介されているものの2種類に大別されると思います。自社のマネジメントはもちろんのこと、板倉さんが仰るようにお客様を含めたチームのマネジメントにも活かせる点が多いと思います。
次に、「08. コミュニケーション/文章術/資料作成術」です。このカテゴリーの書籍は以下スライドの通りです。
「08. コミュニケーション/文章術/資料作成術」について、以下6冊の推薦コメントをご紹介します。
■謙虚なコンサルティング――クライアントにとって「本当の支援」とは何か
■対話型ファシリテーションの手ほどき
■外資系コンサルに学ぶ聞き方の教科書
■ユーモアは最強の武器である: スタンフォード大学ビジネススクール人気講義
■考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則
■コミュニケーションはキャッチボール
多くの解説は不要と思いますが、コミュニケーションの姿勢や考え方から、ヒアリングやファシリテーションなどの技術面まで、奥深いテーマであると思います。それが故に、スキルの差も生まれやすい領域なのではないでしょうか。
最後に「09. 考え方/思考力」です。このカテゴリーの書籍は以下スライドの通りです。
「09. 考え方/思考力」カテゴリーについて、以下10冊の推薦コメントをご紹介します。
■解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法
■エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
■戦略コンサルタントが大事にしている 目的ドリブンの思考法
■数値化の鬼 ーー 「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法
■仕事は楽しいかね?
■菜根譚
■具体と抽象
■問題解決の全体観
■ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力
■ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
考え方/思考力は、あらゆる行動・活動の基本であり土台であります。この豊かさがパフォーマンスに影響する部分は非常に大きく、掛け算で効いてくるスキルであると思います。上記の各コメントの一つ一つからも学び取れることが多くあると思いますが、努力を積み重ねてスキルを積み上げていく領域であると思います。
ちなみに、「10. その他」カテゴリーの書籍は以下の3冊です。CSMにとって業界や業務の知識が必要であることが示唆されています。
カテゴリー分析は以上です。いかがでしたでしょうか。幅広い書籍が紹介されていますが、共通で求められるスキルや考え方も確かに存在することを実感いただけたのではないでしょうか。
6. CSMが身につけるべきスキルとは
では、ここまでの分析を踏まえ、まとめに入ります。本noteの冒頭で確認したように、今回の分析では「①業務領域ごとのベスト書籍のご紹介」と「②CSMに必要なスキルに関する示唆の整理」を目指していました。
そして、ここまでに業務領域別のランキング、各書籍の推薦コメント、各書籍のカテゴリー分析を行ってきました。最後に「CSMに必要なスキル」についての考察を整理して締めたいと思います。
前章のカテゴリー分析でも確認してきたように、オススメ書籍はその大半が9つのカテゴリーに分類することが可能でした。このカテゴリーを再度整理をすると以下のスライドのイメージです。
推薦コメントを個別に確認した結果、CSMには対顧客と対社内のコミュニケーションの、それぞれにおいて求められるスキルがあることが示唆されていると思います。そして、これらは、上図の上段にある「01. カスタマーサクセス」「02. セールス」「03. マーケティング」「04. 顧客満足/NPS/CRM」「05. 製品開発/PLG」「06. プロジェクトマネジメント」といった職種特化型の知識・スキルの領域と、これらの土台となる「07. マネジメント/SaaS」「08. コミュニケーション/文章術/資料作成術」「09. 考え方/思考力」といったポータブルスキルの領域に大別されます。
今回の企画の結果としての推薦書籍の分布状況からも分かるように、この両方が重要になると思います。また、推薦コメントやカテゴリー分析で見てきたように、一見直接的には実務に関係ないと思われる領域も、パフォーマンスやキャリアアップに影響すると思います。例えば、ハイタッチ担当であってもマーケティングや製品開発の知識を、テックタッチ担当であってもセールスやハイタッチ支援の知識を、有していることで自身の領域におけるパフォーマンスを高めることができます。これは、単純に他職種の人たちとの連携がスムーズに行えるという観点だけではなく、自身の業務領域における作業品質を高めるためにも有効であると思います。
エンジニアの世界では「フルスタックエンジニア」という言葉が存在します。フルスタック(full-stack)とは、複数の技術分野において、知識・スキルに深い理解があることを意味しています。つまり、複数のIT分野に精通しており、複数の開発工程を一人で担当できるマルチなエンジニアのことをフルスタックエンジニアと呼ぶことがあります。(※参考)
カスタマーサクセスの世界においても、同様ではないでしょうか。カスタマーサクセスに直接関わる知識だけではなく、セールス・マーケティング・製品開発などの分野の見識を深めることで自身のパフォーマンスを高められるのではないでしょうか。つまり、「フルスタックCSM」であることが、個別の業務領域におけるパフォーマンスを高めていく側面があるのではないでしょうか。
今後、カスタマーサクセスに従事する人の人数はますます増えていくでしょう。カスタマーサクセスに関わる業務領域の専門分化もさらに進んでいくことでしょう。このとき、具体的な業務知識や経験を積み重ねていくことはもちろん重要ですが、幅広い知識・経験を獲得していくことも専門性を高める意味でも重要だと思います。つまり、逆説的ですが、CSMとしてのスペシャリティを高めるために、自身のジェネラリティを高めていくことが求められるのではないでしょうか。
いずれにせよ、各領域におけるキャッチアップを積み重ねていくことが重要です。地道な継続的な努力が大きな影響力と安定性をもたらします。決して楽ではありません。しかし、カスタマーサクセスに携わるあなたのスキルが高まることで、世の中に本当の意味での「カスタマーサクセス」の実績が増え、個人の幸福と社会の豊かさにつながっていくと思います。あなたの成功が、社会を好転させ、あなた自身のさらなる発展に繋がっていくことを願ってやみません。かくいう私も当事者として、精進いたします。お互い頑張りましょう。