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新庄監督の思い描く、「次世代スター」を予想する。

あれは2006年、15年も前のこと。
弱小球団だったファイターズを、「じゃない方」だったパリーグを、人気が低迷していたプロ野球を一変させた男が、引退を表明した。
華やかな彼の引き際は勿論最後まで華やかで、リーグ優勝、日本一を達成して、有終の美を飾った。

新庄剛志。天性の大スターだ。

それから15年、彼はプロ野球には全く関わらず、悠々自適に暮らしていた。
その間、ファイターズはダルビッシュ、大谷とスターを排出し、そして気づけば弱小球団へと成り下がっていった。

そんな時にかつての大スターが、監督として帰ってきてくれたのだ。noteを放置気味だった私ですら、記事を書かずにはいられない。
「Big Boss」にかける期待はそれほどまでに大きいのだ。

◆「今年注目の4人」振り返り

新庄監督の思い描く「次世代スター」を予想する前に、やらなければならないことがある。

実は、noteを始めたばかりの頃にファイターズについてまとめた記事をあげていたのである。2021年が受難の年(5位低迷、暴力事件、主力野手行方不明etc...)になるとはつゆ知らず、ウキウキで一生懸命に書いていた。

何を隠そう、本記事内で「覚醒候補」と称して、期待する若手選手を挙げていた。大嫌いな言葉であるが、大事なプロセスであるPDCA。予想したならしっかりと振り返らなければならない。ということで、予想と現実の乖離を確認していこうと思う。

【候補①伊藤大海】

○成績予想:140回 防御率3.20 12勝
○実際の成績:146回 防御率2.90 10勝9敗 奪三振141 日本代表選出&勝利の方程式として優勝に貢献

…ファンの予想というのは、大抵は無謀な願望である。それはルーキーの伊藤に対しても例外ではない。上記を予想しておきながら、それなりに投げて4-5勝で経験を詰めれば御の字、そんな風に考えていた。
それが蓋を開けてみれば、5位に低迷したチームで孤軍奮闘。上沢とのWエースとして一年通して活躍してくれた。

結果、願望込みの私の予想すら上回るという離れ業。打てない守れないでプロの洗礼(?)を浴びせた野手陣をバックに10勝を挙げたのだから、手放しで賞賛せざるを得ない。

【覚醒候補②堀瑞輝】

○成績予想:60試合 防御率2.00 30HP or 30S
○実際の成績:60試合 防御率2.36 42HP (0S) 最優秀中継ぎ投手

…俺すごくない?見る目ありすぎじゃない?成績当てのピタリ賞があったら貰えるレベル。
と言っても過言でないくらい、堀の覚醒をピタリと当てていた。誰か何かください。

プロ入り時から、短いイニングの堀には強く魅力を感じている。球の強さとコマンドの尖り方、何よりピンチでニヤリと笑っていたあのメンタル(高校時代)。将来的には抑えとして、岩瀬のように君臨することを強く願っている。

【候補③野村佑希】

○成績予想:フル出場 打率.280 20HR OPS.850 守備率.950以上
○実際の成績:99試合 打率.267 7HR OPS.664 守備率.917

大〜きく外してしまった。
何より守備率.917は想像以上にやば過ぎる。10回強で1回はエラーをする計算。肩の強さや軽快さはあるのだが、やらかしがあまりにも多かった。
打撃面は期待された数字ではなかったが、主力野手が相次いで不振だった中、クリーンナップで相手のマークがきつい中戦い抜いたので、貴重な経験になったと考える。終盤に長打が増えたことを考えると、来年は期待できるのではないか。

とはいえ、メジャーやAAAで結果を残した外人が多く加入するため、当然サードも奪い合うポジションになってくる。「期待の若手」でいられるうちに、打撃と守備の更なるレベルアップを期待したい。

【候補④清宮幸太郎】

○成績予想:打率.250 30HR 80打点 OPS.850
○実際の成績:一軍出場なし

特に言及なしで良いだろうか。
プロに入って初めて、一年間二軍漬けで出場回数を確保した。結果、野手不足の一軍に上がることすら叶わなかった。それが彼の現在地だし、7球団競合の大砲を燻らせてしまったのが首脳陣である。

後述するが、清宮の今後は来年次第と考える。今年の経験を良い方向で活かして欲しい。そして私の野手を見る目はないと確信。

◆私の「見る目」の考察

2021年度の予想を振り返った結果、私は、

投手は見る目はあるかも、野手はガチで見る目なし

であると考えられる。

聞き苦しいとは思いつつ言い訳をすると、今年のファイターズは野手が揃ってダメだったので、正直なところ覚醒候補なんぞ当てようがなかったのである。野村は当たってる方。

次パート以降は、上記を念頭に置いて見てみて欲しい。

◆次世代スター:前提

さて、ここからが本題である。新庄監督は会見で以下のように語っている。

「投手から3人、野手から4人のスターを出します」

大谷、中田翔という”看板選手”を失った今のファイターズには、スターと呼べる選手が存在しない。特に野手は、規定到達で3割を越えた者も、15本以上ホームランを打った者もいない。北海道移転史上、初めての暗黒時代に片足を突っ込んでいると言えるだろう。

そんな中、新庄監督はスターを育てると言い切ってくれたのだ。ワクワクせずにいられるものか。ファイターズの抱える金の卵たちの中から、新庄監督のお眼鏡に叶ってスター街道を歩み始めるであろう選手を、ファン代表として当てに行きたいと思う。

◆次世代スター予想:投手

ガチで当てたいので、”3人の新スター”候補であろう投手を、4人予想させていただきたい。みんな活躍して欲しすぎて悩みに悩んだ結果、どうしても絞りきれなかったのである。
なお、既に主力投手であり活躍必至である上沢や宮西は、新庄政権において花開く選手ではないため泣く泣く省いた。流石にズルなので。

①伊藤 大海(24歳/先発)

伊藤

「…え?伊藤も十分活躍してたやん。ズルくない?」と疑問に思ったそこのあなた。ファイターズのことをよくご存知と感心しつつ、伊藤の実力はこんなものではないことをお伝えしたい。

プロ野球には「2年目の壁」と呼ばれる、ルーキーで活躍した選手が翌年に成績を落とす傾向が存在する。他球団の研究や前年の勤続疲労など理由は多々考えられるが、オカルトではなく事実として存在するのだ。伊藤も例外に漏れず、来年は壁に当たる可能性もある。

一方で、来年は成績を伸ばすのではないかと思わせる根拠も存在する。
今年はシーズン途中で日本代表として五輪に参加し、主力投手として登板を重ねたことで、他の選手よりも多くの疲労を抱えて後半戦を戦うこととなった。結果として8〜9月にかけて調子を落としてしまったのである。

10月に調子を取り戻したことから、登板を重ねる中で修正する能力を見せたとも言える。五輪で抜けることもない来年は、一年通して高いパフォーマンスを発揮するのではないか。
二代目ダルビッシュ襲名を願って、来年の更なる飛躍を期待したい。

○期待する成績:防御率1点台 & 15勝

②吉田 輝星(20歳/先発)

吉田

かつて、名捕手・名監督だった野村克也は言った。
「野球は努力でどうにでもなるが、スター性は才能が必要だ」
…657本のホームランを放ちながら、王・長嶋に話題の中心を譲っていたノムさんだからこそ、強く実感したのであろう。

実社会にも言えることだが、実力と人気は度々比例しない。メディアは斎藤佑樹とマー君を同列に語るし、新庄監督と同時期に監督になったドラゴンズ・立浪監督にはスポットは当たらない。生まれ持った素質や過去の背景が、その人物の人気を作り上げてしまうのだ。

そういう意味では、かつて甲子園を沸かせて「金農ブーム」を起こした吉田輝星は、類稀なるスター性を兼ね備えている。

まだ一軍で思うような活躍はできていないが、二軍で登板を重ねるたび、修正改良を加えているのが見て取れる。4年目を迎える今年、そろそろ花開いても何らおかしくはない。

○期待する成績:100回 & 7勝

③石川 直也(25歳/中継ぎ・抑え)

石川

高身長で甘いマスク、150km/hを超える真っ直ぐとフォークでイニング数以上の三振を奪う投球スタイルから、ファンから絶大な期待を寄せられている男、石川直也。
近年は怪我に苦しんでいたが、つい最近、フェニックスリーグで復帰登板を果たした。

数字を良いものの飛翔癖のある守護神・杉浦、勝ちパターンながら安定感に欠ける堀・ロドリゲスを考慮すると、石川が万全の状態でシーズンを迎えれば、入り込む余地は大いにあると考える。
…ハムファンの友人♀が石川推しなので、新庄ハムで名を轟かせることを期待したい。

○期待する成績:50登板 & 防御率2.50 & 30HP or 30S

④姫野 優也(24歳/中継ぎ)

姫野

熱心な野球ファンでもない限り、姫野の存在を知る者は少ないだろう。
野手としてプロ入りしたものの、全く通用せず昨年、戦力外通告された選手なのだから。

育成選手として再契約をして挑んだ今年、一か八か、投手に転向した。
正式に投手登録をされたのが6月21日。それからたった2ヶ月で、二軍でプロ初登板を果たした。
その登板は、姫野の持っている可能性を存分に感じさせるものであった。

百聞は一見にしかず、動画リンクを貼っておくので、ご確認いただくことを強くお勧めする。

化ければ、メジャーで年10億稼げる選手になるかもしれない。
新庄政権において、これほどスター候補に相応しい選手はいないだろう。

○期待する成績:50登板 & 防御率3.50


◆次世代スター予想:野手

続いては野手について触れていこう。
野手も勿論当てに行きたいので、”4人の新スター”候補であろう投手を、5人予想させていただきたい。
こちらも同じく、西川や近藤のような主力選手は外して検討した。

①淺間 大基(25歳/外野手)

浅間

長らく怪我に苦しんでいた”天才”淺間大基であるが、今年スタメンに定着し、規定打席に到達した。球団の顔である西川からセンターを奪い、特に守備面において俊足強肩を活かして貢献した。

とはいえ、打撃面は打率.251(規定21/29位)、OPS.646(規定27/29位)、115三振と数字上は芳しくなかった。時折見せた先頭打者HRや綺麗な流し打ちからは考えられない数字である。

今年一年稼働した経験を糧に充実したオフシーズンを過ごして、ひと回り成長した天才であれば、新庄政権の次世代スターに相応しい成績を残すであろう。

○期待する成績:打率.300 & GG賞

②野村 佑希(21歳/内野手)

野村

”野手のスター候補”と言えば、ファイターズファンなら真っ先に彼を思い浮かべるであろう。通称、ミドルネームの「ジェームス」と呼ばれ親しまれる野村。
恵まれた体格から柔らかい打撃、深い懐からインコースを綺麗に捌く姿は、広島の主砲・鈴木誠也を彷彿とさせる。そして若干21歳という若さ。

去年頭角を現した野村は、今年ブレイク候補筆頭とされていた。オープン戦でも打ちに打ちまくり、飛躍の一年となるはずであった。
…が、中田翔を初めとした主力が大不振に陥った影響で、高卒3年目の選手が打線の中心を担わなくてはならなくなった。
結果、他球団からの厳しいマークの中、結果を求められ続けた一年になってしまったのだ。

今年の成績は誉められたものではない。しかし、チームの勝敗を背負ってクリーンナップを打ち続けた経験は後に生きるはずである。
多くのファンの期待通り、次世代スター・新球場の4番となってくれることを切に願う。

○期待する成績:打率.300 & 20HR

③五十幡 亮汰(22歳/外野手)

五十幡

新庄監督は、会見で「ノーヒットで点を取る」と言っていた。
四球やバント、進塁打や犠飛など細々したプレーを浸透させるという意図が主だろうが、ファイターズの若手には、”一人で”ノーヒットで一点を奪う力がある選手がいる。
それが昨年のドラ2ルーキー・五十幡亮汰である。

彼の魅力は何と言っても、圧倒的な走力である。中学時代は陸上部に所属しており、全国大会の100m・200mで優勝。間違いなく、”プロ野球界最速の男”である。ルーキーイヤーの今年、次の塁を陥れる能力と、広過ぎる守備範囲を存分に見せつけた。

しかし、圧倒的な走力が原因なのか、怪我がちな体質が気になるところ。
新庄監督から名指しで「どんなに足が速くても、怪我をするなら使えない。オフシーズンにしっかり鍛えてこい」と言われた通り、一年働ける身体作りができるかが、来年の成績を左右するだろう。

○期待する成績:1番センター奪取 & 30盗塁 & 盗塁王

④有薗 直輝(18歳/内野手)

有薗

ルーキーから唯一の選出(水野、阪口、上川畑も入れたかった)。それほどまでに魅力的な選手であるドラ2の有薗。長打力がありながらも柔らかい打撃も得意としている姿は、西武の中村剛也や山川に限りなく近い。

高卒一年目から一軍で…なんて考えてはいないので、まずは鎌ヶ谷で清宮から4番を奪うことからスタートである。清宮、有薗のクリーンナップはなかなかロマンに溢れている。

とはいえ、新庄監督曰く「全員一軍に出場させる」とのことなので、二軍で得た経験を一軍で昇華できれば、早期からスタメン入りすることも夢ではない。

○期待する成績:二軍で10HR & 一軍で初ヒット

⑤今川 優馬(24歳/外野手)

今川

オールドルーキーとして稼働した今年、ファームで打率.310、14本塁打、OPS.961と抜群の成績を残した。一軍では壁に阻まれてしまったが、プロ初の特大ホームランを放ち、ファンに強く印象付けた。

野球の華はホームラン、とすれば次世代スターにもホームランバッターは必要なはず。アーチを打つ技術に長けた今川はまさにうってつけなのである。

ただ守備が…アレなので、新外国人とポジションを争うために、せめてレフトはきちんと守れるようになってほしい。

○期待する成績:スタメン奪取 & 10HR


長くなってしまったが、監督が変わったタイミングでは、誰が出てきてもおかしくはない。予想が当たるのか外れるのか、次世代スターは何人出てくるのか、楽しみに来シーズンを待とうと思う。

最後までご覧いただきありがとうございました!
期待する選手が他にいらっしゃれば、ぜひぜひコメントくださいな。

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