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見積もりではなく、人で決めよう。

ハンドメイド業界が生活費を稼がなくて良い人達によって、安い値段で売るようになって価格破壊が起こったという話を聞きました。

同じように兼業や副業のデザイナーが増えてきたことで、デザインコンペやクラウドソーシング系も増えてきた気がきました。それにより実績を残したい人が、報酬を気にせず仕事を受けるようにもなりました。


報酬が安い方が仕事を受けやすいのか。

全く同じ品質の物であれば、安い方が売れやすいかも知れません。もちろんメーカー、ブランド、デザインの価値によって、大きく変わります。

ただこれは物の値段であって、人に依頼してデザインする場合は報酬が安い高いで仕事の受けやすさはあまり変わりません。

報酬が高いから良いというわけではなく、報酬が安いから悪いと言うわけではありません。報酬の高い安いは、デザイナーの能力によるものではなく、規模・状況によるものが多いです。大きなデザイナー事務所であれば報酬は高くなり、個人でやっているフリーランスであれば比較的安くなります。

また前提として、全ての兼業や副業のデザイナーが安く仕事を受けているわけではありません。兼業や副業のデザイナーは本業の方で生活費を稼いでいるので、仕事を受けるために安く見積もりを出したり、仕事を安く引き受けることができるだけです。

これも実績として仕事を残したり、賞を取りたいという目的があります。このような実績を残すことで、知名度を上げたり、別の仕事を取りやすくしたり、独立した時に有利にすることが多かったりします。


デザイン業界にも価格破壊が起こったのか。

クラウドソーシングなどにおいては、かなり安い値段でデザインを依頼することが行われるようになりました。相場で言えば10%から50%の報酬になっていますが、実績を増やしたい人が、報酬を度外視して仕事をしているように見受けられます。

ただ普段の仕事において、この影響は殆どなく、二分化したと言えます。誰がデザインしても良いような仕事が安くなり、指名してデザインを依頼する場合は今まで通り変わらず、むしろ価値は高まったように感じます。


見積もりではなく、人で決めよう。

このようにデザインは価格が決まってないからこそ、価格で依頼するかどうか決めない方が良いと言えます。

では、何を判断基準にするかどうか。

人として合うかで依頼するデザイナーを決めるのがおすすめです。

実際に会って話してみたりすることでも相性はわかりますが、その人が過去に何を作っているのか、その商品が好きかどうか、からも相性が分かってきます。そしてプロジェクトごとに合う規模感やデザイナーの得意分野もあるので、それぞれが総合的に考えて依頼するのが良いかと思います。

これはもちろん職人さんに仕事を依頼するときも同じことを言えます。値段ではなくて、どんな技術で何を作っているのか、それが好きか、人として合うかが大事になります。

自分が職人さんに製作の仕事をお願いするときは相見積などは取らず、使って頂きたい方にまずお願いします。そこで作るのが難しい場合はまた別の方を探していくと言う方法を取ります。


この依頼の方法に関しては、プロダクトデザイナーであるTENTの青木さんも、近しいことを言っているので是非こちらも読んでみてください。



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