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これからフリーランスになる人に向けて

あけましておめでとうございます。
プロダクトデザイナーの三島です。

2018年1月からフリーランスのプロダクトデザイナーとして活動しており、2年目が終わり、無事に3年目を迎えました。最近ありがたいことに仕事が少しずつ増え始めており、やっぱり最初の2年位は試行錯誤する期間として大切なんだなと感じてきました。

これからフリーランスになる人に向けて(特にプロダクトデザイナー)、何か参考になればと思い、この記事を書きます。

フリーランスになる方法というのは、簡単で開業届を出すだけです。ただ、フリーランスとして食べていく、稼ぐ、続けていくというのが難しく、そのやり方は誰も教えてくれません。

ということで、若造の自分なりに最初の2年間フリーランスとして、意識していたことを書いてみたいと思います。


①まずは腕を磨く

これから色々書きますが、そもそも独立したては技術不足や経験不足、実績不足、ツテコネ不足のなど様々な要因で仕事が来ません。何もかも不足しているんですが、まず第一に技術不足が原因にあると感じました。

デザイナーなら、まずは自分のデザインスキルを磨くことがフリーランスとして成功する近道かつ王道なのではと思います。もちろん若手の自分も現在進行形で、スキルを磨き続けています。


セルフブランディング

スキルがあることを前提に、独立した最初の2年間はセルフブランディングにまず力を入れたほうが良いかと思います。

フリーランスになりたては仕事がないとか、最初の2年間は全然仕事がなくて貯金で生活していたという話は良く聞きます。

最初の2年間は仕事がなくて当たり前ぐらいに思っていたほうがいいです。(ある程度算段を立ててから独立した方が楽です。)

つまり、独立してからの2年間に何をするかによって、3年目以降に仕事が来るようになるのか、仕事がないままなのかが決まります。


なので、特に最初の2年間はセルフブランディングに力を入れましょう。

人に知ってもらう「自己発信」としてのセルフブランディングだけでなく、どんな人として見られたいかも意識したほうが良いです。

それをはっきりさせると、多くの人に「○○の人」「○○デザイナー」として知られ、クライアント側も頼みやすくなります。つまり何か得意分野を持っておくと、デザイナーとして分かりやすくなるということです。

独立する前から有名な方、既に独立する前から個人で仕事をしていた方は別ですが、そもそも知られていない人には仕事の連絡も来ません。


簡単にですが、以下のようなことを意識して自己発信すると良いかもです。
・なぜ仕事をしたいのか(お金が欲しい、有名になりたいなど)
・どんな仕事をしたいのか
・どうやって仕事をしたのか
・どこで仕事をしたいのか
・どんなクライアントさん、人と仕事としたいのか

デザイナーの場合は、以下のようなことも考えてみると良いかもです。
・どんなデザインの仕事をしたいのか
・地方に行くのか、東京で働きたいのか
・量産品のデザインをしたいのか、手工業をしたいのか
・自主制作するのか、しないのか
・交流会に行くのか、行かないのか
・展示会に参加するのか、しないのか
・自分から営業するのか、しないのか
・どんな肩書のデザイナーになりたいのか
・SNSやブログで発信するのか、しないのか
・デザインコンペに参加するのか、しないのか

来た仕事は断らない

フリーランス(特にデザイナー)は基本的には、受託で仕事を受けます。始めのうちは少ないかも知れませんですが、クライアントからの依頼や要望の連絡が来ます。その時に、受けるのか断るのかを選ぶことができます。

最初のうちにおススメなのは、来た仕事は断らないことです。

来た仕事を断らない姿勢を続けることで、色々な仕事を経験でき、学習し成長できます。そして断らない姿勢を続けることで、クライアントとの関係性が良くなり、良い仕事が増えます。さらに、作業や決断が早くなり、スキルも上がります。

そもそも良い仕事(面白い仕事や報酬の高い仕事など)は、クライアントとの関係や、知名度が無ければ回ってきません。特に独立したてから、自分に合わないのでと断っている人に仕事の依頼は回ってこないかと思います。

2020年現在も、自分の場合は来た仕事は基本的に断りません。


④ライスワークとライフワーク

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次に、フリーランスの仕事の考え方を2つ紹介します。

まずは、「ライスワークとライフワーク」。この言葉はあんまり好きではないんですが、概念として分かりやすいんで使っちゃいます。

簡単に言葉を説明すると、

ライスワークとは、生活するための仕事。
ライフワークとは、夢や自分の好きな仕事。

フリーランスとして活動する場合も、この二つの割合を決めるのも大事なことだと思います。どちらかに偏りすぎても、あんまり良くないのでそのバランスを取るのも大事です。

単純にライスワークだけだと、会社員と同じなのでフリーランスになったのとほぼ変わりません。ただライフワークだけだと、稼ぎぶちが無く、暮らしていけないってこともあり得ます。

最終的にライフワークだけで稼げて、ずっと食べていくためにはどうするのかの計画を立てるのもありかと思います。どんなに詰めても一割くらいはライスワークが必要な気もしますが。

今の自分の状況だと、ライスワークとライフワークの比率はどのくらいだろうか、どのくらいにしたいかと考えると、今後の計画が立てやすくなるかもです。


⑤種まきと収穫

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もうひとつ、フリーランスの仕事の考え方「種まきと収穫」を紹介します。

フリーランスの仕事のやり方は、畑と似ている気もします。

従来のデザイン事務所は基本的に受注です。つまり、依頼がなければ仕事がありません。その間に何をするのかという、仕事のきっかけになる「種まき」をします。したほうが良いです。

この種まきは、人によって違います。セルフブランディングとつながるのですが、地方に行ったり、自主制作したり、交流会に行ったり、展示会に参加したり、企業に営業したり、SNSやブログで発信したり、デザインコンペに参加したりです。

これらはすべては、「種まき」という考えです。

すぐには芽は出しませんし、芽が出ないかもしれない。根気良く続けることで、いずれ芽が出すかもしれない。大事なことは種まきを続けることだと思っています。

「収穫」は、仕事に結びつくことをさします。

これは自分ではあまりコントロールできないので、どんなの「種まき」をするのかを決めて、長い目で続けることが大切です。色々な種類の「種まき」をしてみるのも面白いと思います。


自分の「種まきと収穫」の話をします。

企業への営業などはやらずに、最初のうちには展示会やデザインコンペの参加などしていました。一番メインにやっていたことは、地場産業や伝統工芸に携わる「工芸デザイナー」として活動を増やしていくために、日本中の地方や工房を周って種まきをしていました。

地方のデザインスクールや交流会、オープンファクトリー等に参加して、現地の職人さんや地場産業の企業の人とまずは仲良くなろうと考え、週一くらいで色々なところに出張していました。

実際に地方に行くデザイナーはかなり少ないので、現地の人も来てくれたことに喜んでくれて、行くだけで楽しくなります。そこで、新商品開発をしたいけどどこに相談すれば良いかもわからないとか、プロダクトデザイナーに初めて会ったとか、話をよく聞きました。

これが実際に仕事に結びつくかはその人次第ですが、ものづくりの現場を見れたり、職人さんの知り合いになるだけでプロダクトデザイナーとしてメリットがありました。自分の場合は、そのような形で知り合った職人さんと現在一緒に仕事をしているケースもあり、ありがたく思っています。

まだ仕事ということにならないことも多いですが、行くたびにご飯をごちそうになったり、職人さんの家に泊めてもらったり、友人関係として今でもずっと続けさせて頂いてるので、それだけで楽しいです。今後もこの種まきは続けていきたいと思っています。


⑥結局は、人

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色々言いましたが、一番言いたいのは結局は人ということです。ものづくりにしても、サービスにしてもお金を払うのは人であり、作るのも人です。

なので、仲の良い人と仕事をしたほうが楽しいです。

種まきをするなかで、友人を増やす、先に友人になることのが良いのかなと思います。通常は仕事をしていくうちにクライアントさんと仲良くなるということもありますが、逆に仕事をしていくうちに合わないということもあります。先に仲良くなってから仕事をしたほうが進めやすいと思います。

またフリーランスの仕事は、人からの紹介がかなり多いです。直接ウェブサイト経由や全く知らない人から依頼が来ることのほうが少ないです。なので、人の縁は大事にしてください。


いかがでしたでしょうか?
これからフリーランスになる人に向けて、何か参考になれば嬉しいです。


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