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富山デザインコンペティション 2016年 入選案「SHRINK」 最終審査での話

皆さん、こんにちは。
プロダクトデザイナーの三島です。

今回は富山デザインコンペティション2016年の最終審査での話をします。


①募集要項

若手デザイナーの登竜門である「富山デザインコンペティション」は、企業とデザイナーとの共創の場として多くの実績をあげ、これまでに応募作品から30点以上を商品化しました。23回目の開催となる今年度のコンペテーマは、「欲しい!共感するプロダクト」。「富山で生まれる、次のデザイン」を実現するプロダクトを募集します。

【締切】
2016年07月22日 (金)

【賞】
●とやまデザイン賞(1点) 副賞50万円
●準とやまデザイン賞(1点) 副賞30万円
●黒木靖夫特別賞(1点) 副賞10万円

【テーマ】
「欲しい!共感するプロダクト」
※必要なものやサービスが容易に手に入るいま、「本当に欲しい」と感じる瞬間はありますか?消費者は、作り手の新たな視点や着想力、深いこだわりに共感したとき「本当に欲しい」と感じるのではないでしょうか。新たなアイデアや素材・技術から生活を再考し、デザインで喜びや感動を与え、「欲しい!」という衝動にかられるようなプロダクトを募集します。

【審査員】
安積 伸(プロダクトデザイナー、法政大学 教授)
川上典李子(デザインジャーナリスト)
鈴木マサル(テキスタイルデザイナー、東京造形大学 教授)

(富山デザインウエーブ開催委員会 ウェブサイトより引用)


②一次審査(プレゼンテーションシート)

【作品シート】
A3用紙 縦1枚(片面)
作品タイトル・一般名称・コンセプト・考察・全体図・寸法

一次審査時のプレゼンテーションシート

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ブラッシュアップ後のプレゼンテーションシート

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富山デザインコンペティションでは、プレゼンシートを再提出するので、最終審査に向けてブラッシュアップしました。一次審査時のプレゼンシートでは、デザイン性や構造的にも乏しかったので、試作や検証を重ねて、より実現性を高め、持ちやすく転がりにくいように楕円形状を採用しました。

③試作

2016年の時は、富山県内の協力企業に試作をお願いしようと考えたのですが、県内のシリコン製品メーカーが近年無くなってしまい、自力で作るしかありませんでした。

今考えれば、外部に試作製作を依頼する方法もあったのですが、このときイギリスで学生をしており、そこまでお金も手も回りませんでした。夏休みに日本に帰国し、自分でシリコンでの製作を始めました。

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最終的に試作を10個ほど作り、一応実際に折りたたむことができ、収納できるメガネケースが完成しました。ただ見た目や質感などを再現することは出来ず、ワーキングモデルとは別に、見た目を再現したプロトタイプも作りました。

④最終審査 プレゼンテーション

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最終審査は2016年10月に富山県内で行われ、この年は富山第一ホテルで開催しました。審査員3名と、一次審査通過者12組、約50名の富山県内の関係者や観客等が一堂に集まります。

1次審査通過者プレゼン及び審査員からの質疑応答があり、1作品当たりプレゼンテーション4分、質疑応答2分(12作品)と設定されています。

こちらが自分が実際に使用した、プレゼンスライドになります。

当時、プロのデザイナーや観客の前でプレゼンテーションするのはほぼ初めてだったので、緊張していたと思います。ただこの時から、カンペや台本は作らない方にし、なるべく自然に話し、デザインをそのまま伝えるように心がけました。

全員のプレゼンテーションが終わり次第、公開で審査員による審議・各賞の決定をします。その際に、通過者に質問や対談することもあります。

⑤最後に

公開審査会で入賞者が決定後、そのまま授賞式・意見交換会に移ります。そこで、審査員の方や地場産業の企業の方と談笑したりできます。また、この場は、デザイナーと企業のマッチングの場にもなっており、実際に仕事が決まることも多いそうです。

2016年の富山デザインコンペティションは入選で終わりましたが、経験という意味では非常に得るものが多かったです。

こちらでサポートして頂いたものは、日本の伝統工芸・モノづくりのために使わせて頂きます。