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デザインコンペの赤本

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プロダクト系のデザインコンペについて「傾向と対策」を書いていきます。主にボツ案、たまに入選案を載せたりもします。
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成功と失敗は紙一重

去年までは公募形式、コンペ形式、マッチング形式の仕事で、最終面談まで残ることも多かったのですが、仕事として始めることはあまり多くありませんでした。 今年は同じような形式の仕事が結構な割合で取れて、仕事として始まることも増えてきました。去年と今年では自分ではそんなに違いは無いように思うのですが、採用・不採用は紙一重なんだと感じます。 50点、89点、90点例えば、ある公募制の仕事に3人のデザイナーが応募したとします。公募制の場合、まず企画案や実績などで書類審査で評価され、面

KOKUYO DESIGN AWARD 傾向と対策 2019年度版

皆さん、こんにちは。 プロダクトデザイナーの三島です。 今回から、KOKUYO DESIGN AWARD(コクヨデザインアワード)の傾向と対策をしていきたいと思います。ただ傾向と対策は毎年していますが、年々変化するので今回は最新の2019年度版の傾向と対策を考えていきます。 ①主催についてコクヨデザインアワードは、使う人の視点で優れた商品デザインを広くユーザーから集めて、商品化をめざす国際コンペティションです。昨年は世界46カ国から1,289点の作品が集まると共に、「カド

富山デザインコンペティション 2019年 準グランプリ「富山の売薬式 防災プロジェクト」 最終審査での話

皆さん、こんにちは。 プロダクトデザイナーの三島です。 今回は富山デザインコンペティション2019年の最終審査での話をします。 ①募集要項富山デザインコンペティションは、1994年に全国初の「商品化」を前提としたデザインコンペとしてスタートし、これまでに多くのヒット商品を生み出してきました。商品化の背景には、必ずデザイナーと企業との間に良好な「関係」がありました。そして私たちは、その「関係」づくりこそがデザインコンペで得られた大きな財産だと考えています。 「賞を取ったら終

富山デザインコンペティション 2017年 入選案「Thin Hourglass」 最終審査での話

皆さん、こんにちは。 プロダクトデザイナーの三島です。 今回は富山デザインコンペティション2017年の最終審査での話をします。 ①募集要項「富山デザインコンペティション」は、商品化を目的とした全国初の取り組みとして1994年にスタートしました。若手デザイナーの登竜門として広く認知されるほか、これまでに30点以上の商品化実績があります。コンペを通じ、入賞者と企業の「出会いの場」を創出し、入賞作品の商品化を支援しています。 【締切】 2017年08月01日 (火) 【賞】

富山デザインコンペティション 2016年 入選案「SHRINK」 最終審査での話

皆さん、こんにちは。 プロダクトデザイナーの三島です。 今回は富山デザインコンペティション2016年の最終審査での話をします。 ①募集要項若手デザイナーの登竜門である「富山デザインコンペティション」は、企業とデザイナーとの共創の場として多くの実績をあげ、これまでに応募作品から30点以上を商品化しました。23回目の開催となる今年度のコンペテーマは、「欲しい!共感するプロダクト」。「富山で生まれる、次のデザイン」を実現するプロダクトを募集します。 【締切】 2016年07月

富山デザインコンペティション 傾向と対策 2019年度版

皆さん、こんにちは。 プロダクトデザイナーの三島です。 今回から、個別にデザインコンペの傾向と対策について話していきます。 第1回目は、富山デザインコンペティションの傾向と対策をしていきたいと思います。ただ傾向と対策は毎年していますが、年々変化するので今回は最新の2019年度版の傾向と対策を考えていきます。 ①主催についてプロダクトデザインなら≪富山デザインコンペティション≫ ここから様々なプロダクトデザインが商品化されています。自分のデザインを商品化し、商品を世界に発

デザインコンペの最終審査でのプレゼンについて

皆さん、こんにちは。 プロダクトデザイナーの三島です。 今回は、プレゼンテーションについてお話します。 有名な大規模なデザインコンペの最終審査では、審査員の前でプレゼンテーションを行うことがあります。最終審査では、試作と同様に重要で、プレゼンの内容やわかりやすさも審査に影響をしてきます。 ①プレゼンスライドを作りこむ まずは準備が大切です。本番よりもいかに準備するかが大事なので、試作と同様にプレゼンスライドに力を入れましょう。プレゼンスライドの基本も、短く分かりやすくで

デザインコンペの最終審査に向けての試作について

皆さん、こんにちは。 プロダクトデザイナーの三島です。 今回は、試作についてお話します。 デザインの試作や模型は通常、最終審査や2次審査で必要になりますが、一部のコンペでは一次審査でも提出が求められます。そして入賞するには、試作が必ず必要となるので、実現可能なデザインを念頭に置きましょう。 ①製作(主催、自作、外注)試作を製作する主体は、主催か自分に2パターンに分かれます。 主催が試作する場合は少ないですが、その場合は提出したデザイン画を元に打ち合わせをしながら、試作

デザインコンペのプレゼンテーションシートについて

皆さん、こんにちは。 プロダクトデザイナーの三島です。 今回はデザインコンペでまず一次審査で必要となる、プレゼンテーションシートについての紹介をしていきます。各デザインコンペによって、必要となる要素や見せるべき点などが変わってきますので、今回は共通点として言えることを説明します。 プレゼンテーションシートとは、1次審査のための提出物で、コンセプトやイメージ図を載せており、審査員の評価される対象物になります。提出物の応募形式が守られていない場合、応募は無効になるので、注意が

オススメのデザインコンペ 共創編

皆さん、こんにちは。 プロダクトデザイナーの三島です。 今回は、デザインコンペ形式で行われている、5つの日本の共創オープンプラットフォームを紹介します。 オープンプラットフォームとは、主催企業が技術を公開し、企画を募集します。その企画に対して、評価・審査され、採用されると商品開発やビジネスとしてスタートします。 デザインコンペでほぼ同じなのですが、違いは大きく4つあります。 ・審査員が主催企業の社員である。 ・ビジネスプランも求められる場合がある。 ・提案した企画が公開

オススメのデザインコンペ 海外編

皆さん、こんにちは。 プロダクトデザイナーの三島です。 今回は、海外で開催される、国際的なデザインコンペを3つ紹介します。Red Dot Design AwardやiF Design Awardなどのデザインアワードなどではなく、コンセプト段階や製品化前のアイデアを応募できる、所謂デザインコンペになります。 国内のデザインコンペとの、違いは大きく4つあります。 ・英語での応募。 ・国際的な審査員、海外の展示に出展できる。 ・既に公開しているアイデアでも応募できることが多い

オススメのデザインコンペ 家具編

皆さん、こんにちは。 プロダクトデザイナーの三島です。 今回は、オススメの家具のデザインコンペ、4選を紹介します。 そもそも家具のデザインコンペは多くないので、これでほぼ全部かと思います。こちらも細かい解説は後々に個別で紹介していくので、今回も一言紹介で行きます。それでは、紹介していきますー ①国際家具デザインコンペティション旭川(3年に1回 10月)「国際家具デザインコンペティション旭川」は、木製家具デザインの未来を示す役割を担い、これまで数多くのすぐれた製品を世に送

オススメのデザインコンペ プロダクト編

皆さん、こんにちは。 プロダクトデザイナーの三島です。 今回は、お勧めのプロダクトデザインのコンペ、10選を紹介します。 おススメするのは、毎年行われるもので注目度の高いデザインコンペです。細かい解説は後々に個別で紹介していくので、今回は一言紹介で行きます。それでは、紹介していきますー ①富山デザインコンペティション(毎年7月)プロダクトデザインなら≪富山デザインコンペティション≫ ここから様々なプロダクトデザインが商品化されています。自分のデザインを商品化し、商品を世

デザインコンペの傾向と対策について

皆さん、こんにちは。 プロダクトデザイナーの三島です。 今回は、デザインコンペの傾向と対策について話していきます。 前回、デザインコンペで、入賞率を高める5つの方法で、「傾向と対策を考える。」を紹介しましたが、この「デザインの赤本」の全体のテーマでもあるので、今回はそれを掘り下げていきます。 この傾向と対策を考えることが有効なのは、毎年開催されるデザインコンペです。過去の受賞作品を考察し、審査員の癖や志向性を読み取ったり、主催企業の方向性や課題、過去のテーマを参考に考え