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中学生合同練習会の講師をさせてもらった話。

2月5日に専修大学で行われた中学生合同練習会の講師を務めさせてもらいました。
年末のNTS、先週の滋賀県での技術指導、そして今回と技術指導が続いているわけですが、毎回本当にいい経験をさせてもらっています。

今回の練習会は専修大学の監督である木村先生が中学生を対象にした研究を進めるための運動能力の測定・計測が含まれていて、技術練習を提供することで関東を中心にした中学生に集まってもらおうというものでした。
大々的にポスターまで作っていただいて、どの程度人数が集まってくれるのか不安ではありましたが、結果として約60人が参加してくださいました。
中学生にとって「あの松雪選手」と言われるほどの知名度や人気があるとは到底思えず我ながら的外れ感が歪めないのですが、ここは一つ強引に当たり前かのような顔をしていきたいと思います。

指導は技術練習だけで2時間半。
僕の技術練習の前にすでに1時間以上計測を行なっているので、中学生にとってはかなりの長丁場で集中力が続いてくれるか怪しいなと思っていましたが、みんな一生懸命に取り組んでくれました。
中学生が喜びそうな目新しいことはやれていませんが、基本的なテクニックの中で僕が大切にしていることを伝えました。
参加してくれた中学生にとって何か一つでも気づきや発見、学びがあれば嬉しいです。


NTS、滋賀県、そして今回と講師の立場としての経験をさせてもらっているわけですが、今回はそれなりの大人数を一人でやるということでそれなりに緊張しました。
NTSの近畿ブロックは約350人の参加者がいたわけですが、講師が5人いて分担しながらの作業でしたので心理的な負荷はそこまでなかったし、僕より経験の多い先輩方がいたので気楽にやれました。

普段は専修大学のコーチ的な立場もやらせていただいているので、学生に対してパーソナル的な感じで教えることにはある程度慣れているのですが、大人数の前で技を見せて解説するワンマンLiveスタイルは初めてだったので難しさを感じましたし、思った以上に疲れました。帰って爆睡でした。

本当はもっと一人一人をきちんと見てあげて細かいことを伝えてあげたいのですが、人数が増えれば増えるほど講師側としても全体の平均点を上げる作業になってしまい、一人一人にかけられる労力は少なくなってしまいます。
サポートしてくれた大学生が何人かいたのでそれなりには伝わっているとは思いますが、講師側としても選手たちの技が形にはなってるけど本当に理解してくれているのか、全体像としてしか見れていないので、人数の増加に伴って手応えが悪くなってしまいます。というか僕としての満足度も低いです。

そういう意味では、滋賀県での技術指導は20人くらいのちょうど良い人数で、みんなに満遍なく伝えられた感があるので20〜30人くらいがベストでそれ以上だとどうしても質を保つのが難しいなと感じました。

自分自身の技術に対する解像度を上げていくことや、自分の中での技術の整理もそうですが、大人数を相手に必要なことを伝えるための「伝え方」ももっと勉強する必要を感じました。
もし今度同じような機会があればもっと上手くやれるように、レスリングだけではなく色々な場所から色んな要素をインプットして、レスリングの場でアウトプットしていきたいです。


中学生には練習の最後で伝えたのですが、僕は小さい頃からレスリングをしているのですが、中学時代一回も全国大会の表彰台に立つことはできませんでした。

今全日本で活躍している多くの選手が中学時代からのチャンピオンで、その選手が高校、大学とチャンピオンになり続けているケースが多く、若い段階で同世代のチャンピオンであるアドバンテージは大人になってからも大きいです。

しかし、正しい技術を習得して、成長段階の大切なタイミングでトレーニングを行いパワーがついてこれば中学時代のランキングをひっくり返すことは、難しいことではないし、そういうケースをたくさん知っています。

大人になってから振り返ると、全中やインターハイは3回しかチャンスがないし、若い段階は成長スピードに個人差があるので、体ができるのが早い子が圧倒的に有利で先天的な要素が大きく、全中で優勝する難易度は本当に高いと思います。
それが故に世代別での優勝は希少性が高く、なんとしてでも今すぐ勝ちたい気持ちがあると思います。

勝利を追求することで人間的な学びも多いので、一生懸命やってほしいのはもちろんなのですが、中学生世代の選手や親御さんには、長い目でみて強くなるというマインドセットで取り組んでほしいです。

筋力トレーニングをして目先のパワーを手に入れるより、規則正しい生活をして身長を伸ばした方が将来的な価値は大きいと思います。
技術や体力を伸ばすのは時間がかかるし、成長の段階には個人差があることをしっかりと認識して目先の勝利に囚われすぎることなく、長期的な視座に立って毎日の練習に取り組んで欲しいです。


ローリング指導

講師をさせていただいて、とてもいい経験をさせていただいているし毎回たくさんの学びがあります。
ちびっ子からのチャンピオンが多い時代だからこそ、中学時代結果のなかった僕が活躍して、今勝てない選手に証明していきたいです。

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