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【AI戦略に活かす】AI開発企業3社ビジネスモデル読解 #20代マーケピザ

こんにちは!
株式会社エニバ代表取締役CEOの山崎です。

最近、
「これからの時代はAIだ!」
「うちの会社もAIを取り入れよう!」
「AIって言っとけばバリエーションが上がる!」(ダメ絶対っ!)
なんて声が聞こえてきます。(実際はITの事をAIって言ってる人が多い気がしてますが…まあ間違いではないので個人的には良いと思いますw)

このnoteでは、ちゃんとしたAI(機械学習)導入で業務効率化や利益最大化を支援する企業がどういうビジネスモデルでどのくらいのインパクトを出しているか知る事で、AI戦略に役立つ構成を心がけています。

(AIに興味ある人に最大限役立つよう心掛けておりますが、#20代マーケピザ 養成所オンラインの決算書からビジネスモデルを読み解く課題でもあります。勉強中なので間違ってたら優しくご指摘お願いします…!)

さて、それでは早速AI開発企業3社の決算書からビジネスモデルを読み解いて行きましょう!


1. AI開発企業のビジネスモデル読解に至った理由

中国のAppleとも言われるシャオミの創業者レイジュンは「風が吹けば豚でも飛べる」と言ったと言われています。

※シャオミは創業から5年で1兆円企業になった世界最速1兆円企業です。(Googleが9年、Appleが20年なので驚異的なスピード)

この言葉の意味は、急速に大きい事業や会社を創るには成長市場にいなければならないという事です。

現在成長市場は間違いなく「AI」でしょう。
ソフトバンクの孫さんも"AI群戦略"と言いながらAI関連企業に投資しまくってますね。

インターネットは「小売」「広告」を劇的に変えましたが、それ以外の業界はまだまだこれから。

AIはそれ以外の全ての業界も変える可能性があり、今ちょうど変革期に立っています。

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※ソフトバンク決算説明資料では米国GDPだったため日本のGDPより作成した資料です。

今回はAI開発企業の決算書からビジネスモデルを読み解く事で、風で飛べる企業がどういう企業なのかを分析していきます。

以下の3社を分析します。
①ALBERT:ビックデータ活用
②HEROZ:将棋AIの開発
③PKSHA Technology:アルゴリズム事業


2. AI開発企業①:ALBERT

1社目の企業はビックデータ活用のALBERT(アルベルト)です。

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基本的には
①プロジェクト型:売上 = 獲得者数 × 1社辺りの売上
②自社プロダクト:売上 = 導入社数 ×(初期設定費 + ライセンス料)
の2つのビジネスモデルになっています。

2018年7月から「CATALYST戦略」(業界のトップ企業と組み各業界との横断的連携する戦略)に取り組んでおり、業界において優位的なポジション取りを狙っています。この戦略により1社辺りの売上が増加し、収益がぐっと上がっています。

この戦略で大手企業と共同開発プロダクトを作り、各業界のコアプロダクトを生み出し、現在の企業課題である「案件のストック性」や「労働集約性」を改善していくように読み取れます。


3. AI開発企業②:HEROZ

2社目の企業は将棋AIのHEROZです。

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①将棋AIゲーム:売上 = 課金ユーザー数 × ARPU
②プロジェクト型:売上 = 獲得社数 × 1社辺りの売上
の2つが軸です。

業界最高峰の将棋AIゲームの課金による安定したキャッシュフローとブランディングにより、BtoB事業を進めている会社です。

長期的にゲームだけでは安定したキャッシュが生めないため、BtoB事業へ切り替えており、初期設定費+ライセンス等の継続的なモデルでストック性を狙っています。

B to BのAIサービスは「インプットとするデータ」を変えるだけで様々な課題に対してアプローチが可能で、大規模サーバ構築を含む包括的なAIサービスの提供により高いスイッチングコストとなり、ストック型の安定収入が見込めます。

ALBERTもそうでしたが、システムのアルゴリズム根幹を担うことで、「収益のストック性」を生み出す事を目標にしています。


4. AI開発企業③:PKSHA Technology

3社目の企業はアルゴリズム事業のPKSHA Technology(以下PKSHA)です。

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PKSHAは3社の中で唯一アルゴリズムライセンス事業に特化しており、ストック性のあるビジネスを展開しています。

マーケットの大きい産業に適切なアルゴリズムを開発し、他者の既存システムへアルゴリズムの組み込みや、アルゴリズムが組み込まれた自社製品を販売する事で高い利益、ストック性を生み出しています。

他の2社が苦戦している「ストック性」を持っているため凄まじい成長率を維持しています。

課題なんて無い気もしますが、今後この成長率を維持するにはエンジニアを確保し多くの案件を回す事が必須で、優秀なエンジニアを採用できるかが一つのポイントとなっています。

市場が「AIで何ができるか」を認識すると更に多くのシステム開発が必要になる事が予想されるため、AIエンジニアが足りなくなりそうですね。


5. AI開発企業の課題と新規参入するならどうするか

AIは凄まじい風が吹いているため、正直どの企業も高い成長率でした。何が良い悪いなんて僕なんかが言える立場ではありませんが、

ただ、それにしてもPKSHAは圧倒的な気がします。
ビジネス全てに言える事ではありますが、一時的なものではなく「ストック性」を持っている事は非常に大きな強みです。

強いてAI開発企業の課題として挙げると、
①「ストック性」の確保
②「AIエンジニア」の確保

となるんだと思います。

ストック性は各社が試行錯誤してますが、「AIエンジニア」の確保はこれから大きい課題になっていきます。

解決策を一つ提案すると、「AIエンジニアを内製する」のが良いと思います。

エンジニアとして実務経験を得ている人ならそんなに難しい話ではないと思います。

例えば、以前私も働かせていただきましたが、AIをサーバー等を用意せずクラウドで学べるAidemyなどを使って学ぶことでAIエンジニアを増やすのが良い気がします。(ポジショントークではなく課題に対する適切なアプローチなので提案してます。笑)


また、切り口として、「アルゴリズムが凄い」「データ分析ならうち」など技術特化が多いので、私が新規参入するとしたら、業界特化の価値を切り口として提案します。

例えば、
・製造業特化の画像認識AI
・ファッション業界特化のレコメンデーションAI
などなど。(正直既出ですが、他にも業界や解決したい課題の切り口は沢山あるはず…!)

ビジネスモデル読解_20代マーケピザ

1つの業界に特化している方が頼む側は理解しやすいので、業界特化の事例を蓄積します。

「うちは画像認識の精度が凄いので導入しませんか?」

「うちは製造業に特化した画像認識の精度が凄く良いので導入しませんか?」

この2つの提案だったら、製造業にいる方にとって後者の方が響くはず。

個人的には今後のAI戦略の切り口は「業界特化」じゃないかなーと思ってます。

ドメイン知識があるプレイヤーはAI導入、そして自社だけで完結せず横展開が良さそうです!



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