メルカリとスマニューCEOが語る「グローバルプロダクト開発の挑戦」をまとめたよ。
先週金曜日に、こういうイベントがありまして。結果的に490名以上が同時視聴するという、大型のリモートイベントになりました。
そして、僕は勤め先であるSmartNewsの運営メンバーから「参加者目線でNoteを書いて欲しい」と依頼されまして(嬉しいです)。なので今日は、当日の内容を、要点だけピックアップしてNoteにまとめてみました。
イベント開催の背景
日本のインターネット業界で「日本初で世界に挑戦しているサービス」として代表格のメルカリとスマートニュース。
その両社が、グローバルなプロダクト開発を目指して試行錯誤してきた戦略や組織についての歩みを振り返り、気づきを共有するのがこのイベントの目的です。
最近のスマニューのUS展開
まずはSmartNews CEOの鈴木健さんからUS展開の最新トピックを紹介。
現在のSmartNewsは、日本、米国、中国の3カ国に6つのオフィスを展開する「Global One Team」の開発体制。
2020年4月のBusiness Insider調べでは、USで「ユーザー数が倍増」。
直近のAppAnnie調べではニュースアプリで「滞在時間」が1位、全アプリでも40位前後。スマニューは「長時間使われるニュースアプリ」なんです。
グローバル開発組織づくりの要点
次に、SmartNews VP of Engineeringである前田俊太郎と、US Senior VP of ProductのJeannie Yangが開発現場で感じている事を語り合いました。
・SmartNewsのミッション達成にはグローバルで使われることが必要であり「多様な人が利用するサービス」には「多様性の高いチーム」は必要不可欠
・SmartNewsのアプリは「Global One Product」でUI/UXが共通
・USとJP両国で新しいチャレンジをし、上手くいけば双方に展開する
・例えば『雨雲レーダー』はまもなくUSでもローンチ予定だが、サンフランシスコはむしろ雨より熱波の時期で、そういうギャップはもちろんある
・ただし、国や地域による差はあっても共通のニーズを押さえて素早くリリースし、フィードバックを経て改善を重ねていく
・私たちはスタートアップなので素早さが大事。とにかくアジャイルにイテレーションを回して試行回数を増やす
・一方、役割分担が機能するチーム体制とワークフローを整えることも必要
・組織成長と共に「スケーラブルな開発プロセス」の重要性は増すので、特にエンジニアリングはなるべく最初からグローバルを意識した共通基盤での開発を指向していた
スマニューCEOからメルカリCEOへの質問
続いて、SmartNews CEOの鈴木健さんからメルカリ CEOの山田進太郎さんへの質問という形で、Q&Aセッションが行われました。
Q「USでリブランディングした時の話が聞きたい」
・手探りで始めたUS進出だが、大きなプロモーションは未展開だった
・Johnが参画後、Amazon含めて「買えるアプリ」は既に沢山ある中「Mercari = The Selling App」というタグラインでメッセージを絞って訴求していくことになり、プロモーションのコンセプトが固まった
・カラーもJPメルカリの赤から、信頼や安全性を表す青を基調に大きく変更
Q「最近好きなプロダクトは?」
・英語学習中なのもあるが、最近USはPodcastが面白くなってきてる
・海外の経営者や有名な起業家がパーソナリティとして音声番組を配信
・海外ではラジオ広告なども入るので非常に儲かっている
Q「US版メルカリの最大のヒット機能は?」
・本当に色々な努力が積み重なっているので一概にこれとは言えないが…
・あえて一つ挙げるなら「Machine Learningを活用した価格サジェスト」
・出品完了率も向上したし、市場とかけ離れた値付けで出品してしまい売れない体験を減らすことに貢献している
Q「メルカリからスマニューに転職した @tairo の『何か足したら何か引け』」について
・これは事実。ただ、指示するというより、日頃から開発現場に「とにかくプロダクトをシンプルにして欲しい」とお願いしていた感じ
・エントロピーの法則じゃないけど、サービスは放っておくと新機能が追加され、どんどん複雑になっていってしまうのでそれは避けたいと思ってる
Q「日本発だからこそ有利だったポイントは?」
・残念だけど、それは特にないと思う
・例えば、メルカリJP版は文字が多く、何でも言葉で説明しようとするUI
・一方、メルカリUS版はUI的にムダが削がれて洗練されていった経緯がある
・当初、文字の説明や注意書きを無くすとKPIが下がるのではないかと心配したが、結果的にネガティブなことは何も起きなかった
・考えてみると、facebookなどグローバルなアプリのUIを見ていても、極めてシンプルで注意書きなどない
Q「ネットワーク効果が働かないサービス or 働くサービスについて」
・ネットワーク効果が働かないスマニューのようなニュースアプリの場合、最終的に選ばれるにはユーザーの"信頼"が大事。
・メルカリのようなサービスの場合、一般的に「ユーザーが沢山いるとネットワーク効果が効く」とされているけど、メルカリは初期段階でも効果は感じていた
・ただし、一定以上の規模に成長してからは、おなじく、お客さまからの信頼がない大事。そうでないとと離脱してしまう
ということで、以上です。
最後に一つ、個人的にも印象的だったのは、「同時通訳のクオリティの高さ」でした。参加者の中には「まるで海外のニュース番組でも観ているようだった」との声もあり、通訳メンバーも喜んでいました。
[最後に] 好評だった同時通訳メンバーLeiさんのツイート
最新のSmartNewsのMeetUp
というわけで、SmartNewsでは、これから8月〜9月にかけて小規模なオンラインミートアップを複数回予定しています
スマニューメジャーアップデートの第一弾『雨雲レーダー(特許出願中)』開発についてBackend/iOS/Android エンジニアたちが舞台裏を語ります。
「バックトゥザフューチャー2」の台詞「5秒後に止む」に着想を得た雨雲レーダーの特徴的な機能「ピンポイント降雨予測」のプロダクトデザインの考え方についてメンバーが語ります。
お気づきかもしれませんが、最新のメジャーアップデートで「ニュース検索機能」がローンチされています。スマートニュースにおける検索エンジンの未来像について担当エンジニアが語ります。
以上です。読んで頂きありがとうございました。
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