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知らない人に50万円誤送金してしまった話③ 最終話

知らない人に50万誤送金してしまった話②の続きです。
まだ見てない方はこちらをご覧ください。

こちらの記事は以下の方を対象にしています。
本記事は法律に関わる事項がありますので、あくまでも一意見としてご確認ください。詳しい見解は弁護士に相談されることをお勧めします。

・誤送金してしまった方
・組戻ししても返金されなかった方
・少額訴訟について知りたい方
・私の失敗を笑ってくれる方笑

1.6月11日 少額訴訟の準備をする

1.少額訴訟とは?

前回でも説明しましたが、連絡先照会の結果は失敗に終わりました。

諦めようと思いながらも、詳しく調べていくとある方法があることを知ります。
私「少額訴訟?」

・1回の期日で審理を終えて判決をすることを原則とする,特別な訴訟手続です。
・60万円以下の金銭の支払を求める場合に限り,利用することができます。

裁判所HPより

少額訴訟が1回で終わるのは、証拠がしっかりあってほぼ100%で終わる裁判の場合少額訴訟になります。
裁判所は簡易裁判所というところで行います。
少額訴訟の詳細については、実際にやってる方もいるので参照ください。

そもそも、少額訴訟はAさんの住所がないと提起ができません。
というのも、裁判は訴状というものを本人(原告)が提出するのですが、その後Aさん(被告)に訴状を送ります。
その際に住所がないと、訴状を送ることができません。

なので、今回のような誤送金の少額訴訟は基本的には起こすことはできません。

相手の住所さえ知ることができれば、、、

2.調査嘱託とは?

嘱託(しょくたく)と読みます。私もこの制度をするまでは知りませんでした笑

調査の嘱託というのは、平たくいえば、裁判所が官庁や会社等の団体に対して、事実の調査を依頼し、回答を求めることをいいます。たとえば、婚姻費用調停等で当事者の前年度の源泉徴収票上の支払総額を勤務先に問い合わせたりすることです。

今回の例で言うと、S銀行に対してAさんの以下の情報を請求することができます。

・銀行残高(そのお金が使われていないか)
・Aさんの住所(訴訟するため)

ですが、調査嘱託をする上で条件があります。
それは、訴訟を起こしていること。

あれ?住所もないから訴訟起こせないよね?
そうなんです、それが厄介すぎるのです。

裁判の定石として普通は調査嘱託をすることもできません。

しかし、以前にこの例外を受け入れてもらった例があります。

この例に習って、少額訴訟+調査嘱託を起こす予定でした。

3.少額訴訟の根拠

今回の誤送金の場合は、民法703条 不当利得請求権によるのです。

簡単に言うと、Aさんに誤送金は50万円したお金は一時的にはAさんの財産になります。しかしそれは、不当に得たお金なのでそれについて訴訟ができる訳です。

民法703条 不当利得請求権は以下の4つを満たしている必要があります。

・被請求者が利益を得ていること
・請求者が損失を被ったこと
・利益と損失の間に因果関係があること
・被請求者が利益を保持する法律上の原因がないこと

今回は4つすべて満たしているので、少額訴訟を提起できる訳です。

今回は民事裁判(原告と被告同士)です。
もし、今回のお金が勝手に使われていた場合は、窃盗罪や電子計算機使用詐欺罪に当たる可能性もあります。
以下の事件は有名ですよね

2.6月12日 いざ訴訟

1.最寄りの簡易裁判所へ

少額訴訟の仕組みを理解した上で、簡易裁判所へ。
なお、簡易裁判所はAさんの最寄りの裁判所で行うのがセオリーですが今回は、Aさんの住所が不明なので自宅の近くの裁判所に行きました。

私が本訴訟をする上で、問題となったことがあります。
それは、7月にアメリカに行くこと。
裁判は自分ではないと裁判はできません。

例外的に代理人(原則弁護士)を立てることができますが、私は親族を代理人にしようとしました。
しかし、親族が代理人のパターンはほぼ認められないみたいです(裁判官が決めるので諸説ありです)
なので、裁判所職員の勧めもあり弁護士に相談しに行くことに。

2.弁護士に相談

結論から伝えると、費用倒れになるパターンがほとんどみたいです。
私は50万って誤送金の中でもかなり高額ですが、それでも費用倒れになるので、誤送金の場合はほぼ泣き寝入りになることがここからも伺えます。
アメリカ行きがなければ、上記の手続きにてもしかしたら裁判することができましたが、今回は私も待つことに決めました。

弁護士相談は以下のパターンがあります。

・弁護士相談(1回5000円)
・法テラス(所得制限があります)
・市役所の法律相談(無料だが事前予約必要)

ちなみに、弁護士に依頼すると費用は高いですが弁護士会というところで調査嘱託同様に、相手の情報を知ることができます。
弁護士会の依頼だけは原則できないようなのでご注意ください。

3.S銀行に不服申立て申請

そもそも、連絡先照会が失敗したことが問題です笑
和解をするために情報開示してもらいたかっただけなので、S銀行あてに不服申立て申請を行いました。

3.6月13日 50万円組戻し成功

完全に諦めていました。
Aさんから連絡来るまでまつか、、、

そして、誤送金から1ヶ月後 

やった!!!
よかったぁぁ!!

お騒がせしました。
やれることはやりました笑
こうして、皆さんに共有できることができて嬉しく思います。

まとめ

こうしてお金が運良く帰ってきましたが、そうでない方もいらっしゃるかと思います。
もし、泣き寝入りしている方がいればこの記事を参考にしてもらえれば幸いです。
僕の記事をみて法律相談に行かれることをおすすめします。

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