怠惰ワイ、新たな沼に足を踏み入れる
自由にできる時間が増えて、なおさら家に籠るようになった僕は、気づくとまた新たな沼に足を踏み入れていた。
それは、VTuber の沼である。
VTuber とは、バーチャルユーチューバー(Virtual YouTuber)の略称で、バーチャルの肉体を動かしながら動画を撮影して投稿する人たちのことである。
キズナアイは、その先駆けとしても有名な1人であろう。
僕が何年も好きで見ていたゲーム実況者が、VTuber としての活動も始めたことが、そこに足を踏み入れるきっかけとなった。
それまではあまり馴染みがなかったのだが、その人のコラボ相手の動画を見たり、さらにそこから別の配信者を見たりしていくうちに、気づくと毎日のように動画を見るようになっていた。
色んな VTuber を知ったことで、彼らがそれまでの配信者たちとは、バーチャルの肉体を持つこと以上に、新しく異質な存在であることもわかってきた。
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○活動の基本は生配信
まず、彼らの活動は動画配信サイトでの生配信が基本であるということだ。
VTuber たちは、生配信をほぼ毎日行い、視聴者たちとリアルタイムでコミュニケーションをとりながら活動していくことが一般的なようなのだ。
また、動画コンテンツはゲーム実況だけでなく、雑談配信や自分の企画に他の VTuber を招待して配信を行うなど、配信者によって、細かい部分での差別化が行われているのも面白い。
○ VTuber 同士の強い繋がり
従来の配信者界隈と異なる点は、VTuber 同士の繋がりが強いことである。
VTuber 同士のコラボの多さも然ることながら、ある人の配信を他の VTuber が視聴しにきて、コメントを残し、その放送を盛り上げるということもよく見られる。
また、コラボ配信の最後には、出演者たち全員が自分の宣伝をする時間が設けられることも多い。
知名度が徐々に上がっているとは言え、従来の配信者界隈と比べるとまだまだ弱い界隈であるということを、VTuber 全員が理解した上で活動を行い、団結して界隈自体を強いものにしていこうという意志が感じられる。
○コンテンツの面白さ
シンプルに、配信者それぞれが持つコンテンツ自体が面白いという点も大きい。
僕の勝手な印象なのだが、生配信が活動の主体であるが故か、VTuber たちには常に思い切りの良さみたいなものが感じられる。
失敗は失敗で撮れ高になるし、上手く行けばそれもまた良しというような心持ちで活動している感があるのだ。
また、V 界隈では、コンテンツ被りのようなものを気にしない風潮もあるようで、十数人の VTuber が、同じゲームを同じ時期に、それぞれでプレイ配信することも多い。
その一方で、人気パーティーゲームやネット麻雀などを、コラボ相手を入れ替えながら頻繁に配信コンテンツとして使うこともある。
○ユニークな用語
僕が個人的に面白いと感じるのは、V 界隈に特有の言い回しや用語が存在することだ。
例えば、VTuber がバーチャルの肉体を手に入れることは “受肉” と呼ばれている。
それにならって、女性の見た目で中身が男性という VTuber の事を “バ美肉(バーチャル美少女受肉)おじさん” と呼ぶことも多い。
そのほか、VTuber ごとに視聴者たちのリアクションやコメントの言い回しなどが違うことも多い。
それぞれの配信のチャットが、どのように流れているかを見ながら配信を楽しむこともできる。
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沼の怖いところは、ハマるまで深さがわからないところである。
ハマってみてわかったが、この沼は僕が想像するより遥かに深い。
もう抜けられそうもないので、いっそこの沼も掘れるだけ掘ってみようかと思い始めた怠惰な僕である。
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