西平守温(87) 聞き取り記録 その4

※これは事実をもとにした、フィクションです。

「はい、しばらくですねえ。」

「そうですねえ、寒いから僕はどこも行かないですよ。」

「あー、これはペレスプラード。若い頃によく聞きよったですよ。今でもたまーには聞いています。」

「僕らが若い頃はみんな社交ダンスやりよったですからねえ。付き合いがあるから、みんな教習所通っていましたよ。ワンツースリーして。」

「教習所の先生がチョークで床にステップ書いてね、これ踏んでステップの練習。僕はあまり上手じゃないから苦労したけど、一通りはやりましたよ。」

「マンボ、ルンバ、ジルバ、ラテンが多かったですね。少しはワルツもやりよったけど。だから、ペレスプラードとかザビアクガート楽団とか、有名だったですよ。」

「そうそう、ラテンの楽団の名前。ペレスプラードなんかが国映館に来たときは、見に行きました。」

「あの頃はいろいろ来ていましたねえ。もう年なって、誰が来たか覚えてないけど、いろいろ来てましたよお。」

「最近、息子が仕事で航空自衛隊のバンドのチケットもらってきて聞きに行きましたけど、ペレスプラードみたいで上等でしたねえ。」

「市場にいた時もたまにはかけてましたよ。正月とかねえ。大晦日なったら紅白やるでしょう?僕はあんまり演歌とかすきではないから、こう、パーっとしたのがいいから、大きくマンボNo5とかかけてね、もう紅白やる時間からはお客さんもいないし、掃除して店閉める準備の時間だから、人もいないから大きく(CDを 記録者注)かけてねえ、パーっと明るくなるような感じにして。」

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