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自分と生きて行く

西加奈子先生の『舞台』を読んだ。
文庫版巻末の対談で、先生が本作の主人公に共感して泣いてしまう人は心配になるとおっしゃっていた。

私は共感した。目尻もじんわりと濡らした。喉の奥から込み上げる感情があった。

そして、主人公葉太のように、苦しみながら生きている人は、自分だけではないということに気付かされた。この類の苦しみは、生きていれば、誰しもが経験するものなのだろう。

自意識過剰になってしまうことは多々ある。格好つけてすべきことができないことも、後々後悔して叫び出したくなることも、自分の歪んだ感情から他人を否定してしまうことも、ある。
どんとこい!という底抜けの明るさで、自分の全てを受け入れることは到底できないが、折り合いをつけて、自分の醜さを大切に受け入れていこうと思う。

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