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関連図「気管支喘息」

今回は気管支喘息をテーマにしてみました。


[ポイント]
喘息とは、気管支が痙攣したり、分泌物(おもに痰)が増加したために、肺への空気の出入りが悪くなる病気である。
喘息が発症するには、患者がアレルギー体質であることが重要な要因である。 ある種の物質(家のほこり、イエダニ、ネコの毛など)に対してアレルギーを起こしやすい、生まれつきの体質をアトピー体質という。
このアトピー体質に加え、生活環境の都市化によって増加したさまざまな原因物質によって、喘息にかかる人が増えていると考えられてい る。

[メカニズム]
喘息は次の4ステップで生じる。
①原因物質(抗原)を吸入すると、体内のリンパ球(リンパ細胞)がそれに結合して処理し、からだを守るために、抗体をつくる。
②この抗体は、気管支の粘膜にある肥満細胞(マスト細胞ともいう)と呼ばれる細胞表面の受容体に結合して、抗原が入ってくるのを待つ。
③抗原が入ってくると、抗体が抗原と結合し(抗原抗体反応)、それによって肥満細胞がヒスタミンという化学物質などを放出する。
④このヒスタミンなどが、気管支の筋肉(平滑筋)を収縮させたり、分泌物を増加させたりするために気管支が狭くなる。 このようなメカニズムによって、咳嗽が生じる。

[症状]
肺への空気の出入りが悪くなるため苦しく感じる。また息をするたびに、ゼーゼーやヒューヒューといった音(喘鳴)がする。これを喘息発作という。
この症状は、治療または自然によくなるのが特徴である。
喘息の発作ではなく、咳嗽だけがみられることもある。これを 咳喘息(せきぜんそく)という。
喘息の症状は、夜、とくに明け方に悪くなる。大きな発作では、死亡することもあるため、注意が必要。

[治療]
原因物質が明らかな場合は、それを遠ざけることが必要。
たとえばネコなどのペットである。しかし多くの場合は、原因物質をつきとめても、完全に逃れることは簡単ではないため、少なくとも自宅内におけるイエダニを少なくする工夫が必要である。(換気、除湿、 カーペット類の除去、布団の乾燥などが大切)。
治療は、しっかりと症状を抑えること(対症療法)が基本である。
吸入気管支拡張薬が用いられるが、毎日、吸入をしなければならないほどの病状ならば、小児の場合は「抗炎症薬」、成人の場合は「ステ ロイド薬」が用いられる。
アスピリンなどの解熱鎮痛薬の一種や、食品に含まれる防腐剤、着色料などが、喘息を急に悪化させることもある。これをアスピリン喘息という。
過去に、かぜ薬や鎮痛薬を内服してひどい発作が起こったという方には、どんな病気で受診するときも、それを医者に告げることを忘れてはいけない。

[その他]
呼吸状態、咳嗽の頻度、発汗、チアノーゼの有無、意識レベルが重要観察項目

[関連図]

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