ナートゥをご存知か?

革命を起こそう。

しばらく更新が途絶えたこのnote
こんな書き出しくらいがちょうどいいのでは
ないだろうか。

人生には必ず、
3回祈る瞬間が訪れる。

耐えがたい腹痛に襲われながら
電車に乗っている時。

マッチングアプリで顔写真を
公開していない相手と会う時。

そして、
毒蛇にかまれたかけがえのない友を救う為
薬草を塗る時だ。

話題の映画「RRR」を観てきた。
これを観れば、あなたもきっと
大地の鼓動を感じることだろう。

森のようなひげをたくわえた
屈強な青年2人の熱いドラマが
3時間にわたって殴りかかってくる。

友情か。使命か。

ポスターに書かれていたこの言葉が
端的に表している。
やはりキャッチコピーは大事だ。

仮に今までのTAIOSIN少年の人生に
キャッチコピーをつけるなら
どうなるだろうか。

留年して、中退した。

これだ。
驚くほどすんなり出てきた。
たった一行に救いの無さが
詰め込まれている。
どんな過程を経ようが
ハッピーエンドにはならないだろう。

そんなことはさておき、
この作品を観終わるとかなり
体力が削られていた。
もはやこの体験は
ただ映画を観たというだけでは
済まされない。
まるで、3時間に及ぶ異文化交流だった。


インド映画といえば
ことあるごとに踊る印象が強いが、
今作ではあまり踊らない。
これについて、
監督がインタビューで
このように話している。

かつてインド映画には、
1作品に対して5、6曲はダンスや歌のシーンを
入れるという、世界市場で成功するための
フォーマットがありました。
みんながそう思い込んでいたのです。

 私は『マガディーラ 勇者転生』(09)
の中で、ある試みをしました。
ストーリーの中で必要ならば曲を入れよう、
曲によって流れが中断されてしまうようなら
取り除こうと。
あえて、5、6曲入れるという概念から
外れてみたのです。
 最初は恐れもありましたが、
『マガディーラ』が興行的に成功し、
観客にも楽しんでもらえたことが、
私の転換点になりました。
 それ以来、ストーリーを伝えるうえで
役割を果たさないような歌であれば、
そもそも入れないでおこうという
意識に変わったのです。
『RRR』全世界で大バズり中! あのダンス対決シーンとインド映画の現在地 S.S.ラージャマウリ監督インタビュー 日刊サイゾー 
2022/10/22 07:00
https://www.cyzo.com/2022/10/post_324709_entry.html
2023/03/25 22:30

日本人的な感覚でいえば
当たり前のことを言っている
ように聞こえてしまうが、
固定観念から脱却することがどれほど
難しいか。

音楽についても同じことが言える。
昨今のトレンドにおいて、
1曲のなかに5,6回ブレイクダウンを
入れることが、
世界市場で成功するフォーマットに
なっている。
それだけでなく、
チューニングは低ければ低いほどいい。
みんながそう思い込んでいる。

しかし、ほんとうにそうなのだろうか。

そのブレイクダウンは
曲が持つメッセージを伝える上で
適切な役割を果たしているだろうか。

ドロップG#であることで、
ボーカリストの得意なキーから
外れてしまっていないだろうか。

何を伝えたくて、
どうすればより良く伝わるか。
きっと大事なのは
そういうことだ。

ということで、
思わぬ収穫があった
いい体験だった。


サルサでもない。
フラメンコでもない。
何十年かかっても、
脚がもげようとも、
俺は俺だけのナートゥを踊り続ける。

ナーチョ

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