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デザイナーがマネジメントについて学ぶ時に読んでおきたかった20冊

デザインチームのヘッドとしてマネジメントをしつつ、プレイヤーとしてもプロダクトデザイナーをしています。割合は50%ずつといったところでしょうか。詳しいプロフィールはこちらのインタビュー記事を読んでもらえたら嬉しいです。

今回はデザイナーがマネジメントについて学ぶ時に読んでおきたかった20冊ということで、「マネジメント×デザイン」に関する書籍を紹介したいと思います。

「デザインチームをつくるときに何をすればいいのか?」
「どうやってデザイナーを育てればいいの?」

以前はこんな悩みに対して手探りでしたが、グローバルで活躍するデザイナーにとってはプレイヤーからマネージャーへの進化は当然で、そこに語り継がれるマネジメントの原理原則が存在していました。

そこでこの20冊を通して「リーダーシップとは何ぞや」「チームへの向き合い方」、「どんなコーチであるべきか」「どんなメソドロジーを押さえておくべきか」「マネジメントする上でのマインドセット」のアウトラインだけでも掴んでもらいたいなと思います。

1.『1兆ドルコーチ』

マネジメントの中ででてくる「コーチング」や「メンタリング」についてののマインドセットが学べます。チームの課題から目をそらすなというメッセージが熱い一冊。

「君が優れたマネージャーなら、部下が君をリーダーにしてくれる。リーダーをつくるのは君じゃない、部下なのだ」

2.『Facebook流最強の上司』

ベンチャーとして規模の小さかった頃からFacebookでデザイナーをしていた著者が、突如マネージャーを任された時の苦悩を綴った一冊。スタートアップの1人目のデザイナーで、急にデザインチームをマネジメントすることになったら読む本。

3.『EMPOWERED』

前作「INSPIRED」は、プロダクトマネジメントについて綴られた一冊なのでそちらもおすすめなのですが、この「EMPOWERD」はタイトルにある通り、プロダクトをつくる「チーム」に主眼を置いた一冊になっています。「人事」「採用」「評価」「プロダクト戦略」「リーダーシップ」について項目ごとに学べます。

4.『HIGH OUTPUT』

1on1が無茶苦茶大事だということを認識させられます。その1on1の正しいやり方など、マネジメントの本質を学べる。ただ漠然と1時間話したりしてませんか?しっかり課題を持ちあって意味のある1on1にしていきましょう!

僕自身、デザイナーが昇進したり、チームメンバーがMVPをとることに喜びを感じるようになったのもこの本のおかげです。

5.『How Google Works』

「採用は一番大事な仕事」
「ラーニング・アニマルを採用する」
「斬新な発想は多様性から生まれる」
「面接のスキルは最も重要」

など、仕事の片手間で採用なんかしてようものなら、めちゃくちゃ怒られることが書いてあります。

6.『爆速成長マネジメント』

「人材の募集、採用、マネジメント」の項目が参考になります。特に、「社員のオンボーディング」「ウェルカムレターを書く」「バディシステム」「目標を持たせる」など採用した後の定着、パフォームするまでのフォローの仕方など。ウェルカムレターは手書きで気合い入れて書いてます!

7.『コ・デザイン

デザイナー同士もペアデザインをしたり、エンジニアや非デザイナーともコラボレーションしながらデザインという行為自体をオープンにしていくこと、コ・デザインの重要性を学べる一冊。デザイナーとして最初にぶち当たる壁として、この共同作業だったり、自分のデザインを見られることへの抵抗かもしれないです。本書でもその際の心理的安全性において「インプロビゼーション」(演劇の即興)を例にして語られています。インプロはデザイン教育としても大学で取り入れられているそうです。

8.『イノベーション・スキルセット

B(ビジネス)×T(テクノロジー)×C(クリエイティブ)のBTC型人材、いわゆる「越境」について書かれた一冊。ビジネスやテクノロジーへの理解やリスペクトの中にデザインを位置付けてあげることで議論がより加速していくと実感しています。

9.『デザインの本質

「デザインってつまるところ何?」って言われるとなかなか答えられないと思いますが、この本を読めばデザインの歴史、そしてデザイン経営までの流れを線で捉えらると思います。

10.『Unlocking Creativity

「企業の中でデザイン思考がなぜ失敗するのか?」
これはフレームワークやメソドロジーの罠というか、順序よくやっていけばイノベーションが起きるという勘違いを正してくれます。物事がリニア(直線的)には進まない、素早く失敗し、イテレーション(反復)をまわしていくことが重要です。リーダーには混沌の中でも粘り強く磨き上げていくタフさが求められる。

11.『デザイン組織のつくり方

「優れたデザインチーム組織の12の強み」や「チームの育成」「デザイン文化の醸成」など参考になりました。

12.『デザインリーダーシップ

リーダーは誰をバスに残して誰をバスから降ろし、またどの新しい席を埋めるかを知る必要がある。
ジム・コリンズ

チームの育成やリーダーとしてのマインドについて、多くのテックカンパニーのインタビューから導いた示唆が参考になります。
ちなみに、デザインリーダーたちが「週2、3回のランニング」や「ヨガ」「瞑想」をしていることなど仕事とのバランスを考えて休息も戦略的にとるこもありがたい。

13.『デザインマネジメント

デザインマネジメントはまず「プロジェクトの本質」を明確にすることから始まると語られている。デザインマネジメントによって、一気通貫したデザインになるようにデザインの視点でプロジェクト全体を俯瞰することの重要。またデザインの役割を4つに集約している。

1. 課題の発見と抽出
2.既存フレームの再構築
3.新たな価値の発明
4.そこに至るための複合的な情報処理

14.『突き抜けるデザインマネジメント

上記で紹介した「デザインマネジメント」の突き抜ける版。SDGsやGAFAMの台頭なども盛り込まれているので、新規事業とかの話になるときに使える要素が追加されてます。またクリエイティブコンフィデンスの重要性やそのための6つのCについても触れてます。

「クリエイティブ・コンフィデンスの6つのC」
Collaboration(コラボレーション)
Communication(コミュニケーション)
Content(コンテンツ)
Critical Thinking(クリティカル・シンキング)
Creative Innovation(クリエイティブ・イノベーション)
Confidence(コンフィデンス)

15.『FIND YOUR WHY

Whyから始めるためのフレームワーク乗ってます。これはまだ僕の中でもうまく説明できてないので、紹介に留めます。

16.『人を動かす』

これはデザインマネジメントというより、マネジメントの本質が詰まった名著。もう何回も読んでますが、読む度に発見があるのですごい。孫氏の兵法みたいなもの。

17.『CEOからDEOへ

デザイナーにはシステム思考を使って物事を俯瞰し、点と点を繋げることができるという話。サイロかする組織の中で、デザイナーが縦横無尽に横断できたり、越境したり、媒介者となれるヒントがここにあります。

またコラボレーションが上手になるためのヒントとして書かれた一節が好きです。

デザイナーを返上する
もしあなたがデザイナーならその言葉を自分だけに使うのをやめてみよう。問題の解決や新しいコンセプトに貢献した人と共有しよう。「デザイナー」は人やポストを表す言葉でなく、活動を表す言葉として使用しよう。「デザイン」は、受動的で使い古された名詞ではなく、能動的な動詞と考えよう。

19.『デザインマネジメント原論

デザインラダーと呼ばれる4段階のデザインの成熟度は分かり易いですね。

ステージ1:デザインの活用なし
ステージ2:スタイルとしてのデザイン
ステージ3:プロセスとしてのデザイン
ステージ4:戦略としてのデザイン

19.『実践デザインマネジメント』

プロジェクトの流れと成果物の図がわかりやすいです。


20.『詳説デザインマネジメント』

マーケターとリサーチャー、そしてデザイナーの役割とプロセスにも言及されているのと、デザインリサーチやエスノグラフィーの重要性などを議論するためのアプローチが語られてます。クリエイティビティの4P、Person, Process, Product, Pressなど、本当、「詳説」って感じの一冊です!

以上です。Notionにブックリストもつくっているのでこちらも参考までに。



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