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地方議員ってオイシイの?①

少し前、お世話になっている経営者の方が、

「市議会議員ってオイシイ仕事よね、」

とおっしゃっていたのを思い出しました・・

常にプレッシャーと戦い続けるビジネスの世界で生き残り、成功した方から見れば、「あの程度で高収入なんて」と感じるのでしょう。

では、実際のところどうなのか。

結論からいうと、「オイシイ」という表現はともかく、何もしない議員ほど得をするという構造があることは間違いありません。

若い世代と政治家の接点は少ないので、今回は若者が政治家という職業を知る、興味を持つきっかけに選挙や報酬などわかりやすいところから発信していこうと思います。

しかし勘違いしないようにしてほしいことは、オイシイかどうかで仕事を選ぶことは間違っていると思います。政治家の仕事は税金の使い道を議論することであり、そのような判断軸で考えることは論外です。

あくまで議員という仕事の特性や、議員になるための費用と報酬の関係、そして自分なりの考えをお伝えしていきます。


* 他の仕事と何が違うのか

他の職業と大きく異なるのは、

① クビにならないこと

② 任期中は収入が保証されていること

この2点です。

地方議員と衆議院議員であれば4年、参議院議員であれば6年という任期があり、それぞれ選挙で議員が選ばれます。

(ただし、衆議院議員は任期中であっても衆議院が解散して「選挙やりまーす!」となれば任期途中の1年目でも2年目でも選挙があるので、そこは異なります。)

基本的には皆さんのお住まいの市町村や都道府県の選挙は、すべて4年に1度の選挙しかありません。

この任期中、議員をいわゆる「クビ」にすることはほとんどありません。

なぜなら、

選挙を勝ち抜いてきた=有権者の意思で議員資格を得ている

とされているからです。

仮に、逮捕されても禁固以上の刑が確定しなければ失職はしません。

最近、富山市議会である議員が、女性市職員のデスクを物色して問題になりましたが、市議会としての対応は、「辞職勧告」であり、法的な強制力はありません。

「除名」という対応も不可能ではありませんが、やはり民意を無下にすることはできないので、基本的にその議員自身が辞職する意思がなければ、議員としての立場は守られます。

ゆえに、どんなに問題のある議員でも、1度当選してしまえば、

無理やり辞めさせることはできないのです。


そしてこの任期中、何があっても収入は保証されています。

一般企業のように業績の悪化や景気の上下で変動することはありません。

なんなら、自分たちの給与を自分たちで上げることもできます。

例えば富山市議会が辞職ドミノで有名になる直前、市議会では議員報酬の増額が決定しました。

議員報酬は条例で定められているため、

市議会が月額報酬を10万円増額の条例改正を要請 ⇒ 

富山市が改正案を議会に提出 ⇒ 

自分たちで可決、増額が決定

という流れで増額が決定しました。

理由は「この給与では議員のなり手がいない」です。

しかし、ここに疑問を持った富山のメディアが猛調査の末、

政務活動費の不正を発見、しかも多くの議員が同様の手口で不正を働いていたため、辞職が連続するという事態に至りました。


ずれましたが、議員報酬は議員にしか決められず、他の要因で支払われなくなる、減額されることはありません。

したがって、一生懸命活動する議員も、そうじゃない議員も、

同額の給料をもらい続けることになります。

ここが民間で働く人との感覚がずれる要因でしょう。

確かに売り上げ貢献や満足度達成など、これといった評価基準がなく、

議員個人の評価をするのは選挙以外では難しいです。


もちろん、むやみに減額しろ!というわけではありません。

まじめに活動してチラシなどを定期的に配ったり、有権者の相談に乗るために活動報告会を開いたり、事務所を構えたりすると何かと費用がかかるのも事実です。

しかし、勉強して、研究して、考え抜いて政策をつくり、

「こういう街にしたいと思う」

「この政策を実施したい」

と純粋に発信している議員同士が、

ビジョンと政策をベースに議論し、街をよりよい方向に進めていくことが出来る議会を、富山県では実現してほしいですし、

簡単にやめさせられないからこそ、

唯一評価をくだせる選挙の機会は放棄せず、活かしていただきたいと思います。


長くなりました、、

議員の職業上の特性を説明しただけなので、

次は報酬と費用について発信していきます。








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