地方議員ってオイシイの?②
議員は4年に1度の選挙でのみ選ばれます。
有名な言葉に「猿は木から落ちても猿だが、政治家は選挙落ちればタダの人」とありますが、まさにその通り。
知り合いの議員も「選挙に命を賭けないなんて政治家じゃない」と言います。そのくらい、議員にとってはオリンピックより重要な、人生を賭けた戦いです。
そしてそれは有権者にとっても同じです。
前回触れましたが、政治家を評価できるのは選挙だけです。
ゆえに、選挙がいかに重要か、ということを多くの方に改めて知っていただきたいと思い、今回は選挙にかかる費用と報酬を比べて、
なぜいわゆる「オイシイ」思いをする議員が生まれるのかをお伝えしていきます。
* そもそも選挙ってどれくらいのお金がかかるのか?
さて、ひとくちに議員といっても国会、県議会、市議会など種類がありますが、それぞれ選挙区の大きさに比例して、費用が全く違います。
国会議員の選挙区は衆議院でも中核市数個分なので、とても広く、費用もかなりかかります。
対して、県議会、市議会の多くは各市町村がベースになります。
今回は人口は15万人規模、6万世帯の中核市の選挙費用で考えてみます。
・ チラシ印刷+ポスティングで1回48万円、仮に3回実施で150万円程度
・ 事務所費用 50万~60万
・ 選挙期間のスタッフ人件費、食費 60~70万
・ 供託金 30万~50万円(一定数得票があれば返還されます)
まともにかかる費用はこれだけでもざっと300万円ほど。
そしてより勝利に近づくためにPRに力を入れると、さらに上乗せされます。
もちろん事務所を借りなかったり、スタッフはボランティアだったり、
工夫の仕方はありますが、何かと様々な費用がかかるのは間違いありません。
あくまで簡単な試算なので、細かいことはスルーお願いします笑
なお、国会議員の選挙区だと、有権者も面積も数倍になりますし、そのぶんスタッフも増えるので、けた違いに費用がかかります・・
* 保証された高額の議員報酬
対して報酬に関してです。
これは自治体によって相当差があります。
税収入も財政状況も違うので当然ですが、「ここまで違うのか」と驚く自治体もありました。
地方で最も高いのはもちろん東京都。
東京都議会議員の年間報酬は1660万円です。
(月額102万円+期末手当400万円ほど)
さすがに目をむきました。めちゃくちゃ高いです。
ほかの県議会や府議会も市町村に比べると高額で、政令市も同水準です。
市町村だと富山市議会は年間900万円ほどで、ほかの富山県内の市町村は規模に応じて変わってきますが、中核市以上であれば、民間企業の経営幹部くらいの報酬はあります。
そして政令市義や都道府県議はここに月40万ほどの政務活動費が加わります。
報酬ではありませんが、政治活動に関わる費用を補填してもらえます。
現在は利用範囲も限られ、領収書の提出が義務付けられておりますが、つい15年ほど前までは添付の義務もなく、まさに第2の給料となっていたとか。
その時代から議員を続けてきた人たちが同じ感覚でいるので、近年にようやくここまで問題になったのでしょう。
まとめると、一部の小さな自治体を除いて議員報酬は初期費用に比べてかなり高額です。
政党などの力強いバックがついていれば、高額報酬の大規模自治体での当選は難しくありません。当選にかかった費用は、遅くとも2年で賄えるでしょう。
そしてその後の経費は活動量に比例します。報酬はかわりませんから、活動をしてない議員ほど、高額の報酬が減ることなく入ってきます。
こうして、「オイシイ」思いをする議員が生まれるわけです。
* 無関心こそが最大の要因
皆さんは今の政治に満足していますか?
多くの方は、TVやネットで見る政治家の姿に不満を抱き、信用していないのではないでしょうか。
政務活動費の不正受給や癒着疑惑、緊急事態の対応の遅さやマスク配布に多額の税金をかける判断などなど・・
改善してほしい点はいくらでも見つかると思います。
しかしながら、選挙に行く人の数は減っています。
これは政治参加をすることの重要性が伝わってないからだと思います。
政治家の評価を下せるのは、残念ながら今は選挙しか方法がありません。
「わからないし、悪い奴ばかりなのだから、行っても仕方ない」
そう思うのはぜひやめていただきたい。
「オイシイ」思いをしている議員の支援者は、必ず選挙に行きます。
無関心は、そのような議員を生み出し続ける、一番の要因です。
今回のコロナ騒動を機に、
いい意味でも悪い意味でも、政治家の「質」によって対応に大きな差があることが明らかになりました。
このまま継続して、お住まいの自治体の政治について、目を向け続けていただきたいです。
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