さをり織りって多様性なんだね
説明すればするほどと~~~っても深く、話も長くなりがちな「さをり織り」。
今日は、さをり織りの多様性についてお話します。
これは、以前カモンFMさんのラジオ番組でお話させて頂いた内容でもあります。放送が終わって一息つき、パーソナリティの方から「さをり織りって多様性なんですね」とご感想を頂きました。
そう!そうなんです!!!
それを伝えたいんだわい、と思って、改めて文章にしたたためますね。
さをり織りは技法の名前ではなく、概念です。
〇〇織りという名前、博多織や西陣織などがあり、そのご当地に伝統的に伝わる「織り方」や「柄」「織り機」「技法」のことを指すことが多いのですが、さをり織りの場合は違います。
さをり織りは「何もかもが自由な織り」であり、技法や織り方は決まっていません。さをり織りという織り方や柄、織り機があるのではないんです。
さをり織りというのは、織るという表現技法に挑むための概念です。
織物の世界、織物の価値
ちょっとさをり織り登場以前の織物の話をしましょう。
それまで織物の世界は、織る前に柄を考えて、柄の出方を計算して糸を作って、その通りに緻密に織るものでした。その中でいかに難しい模様を作るかが価値になる世界でした。
西陣織は模様の複雑さの最たるものですが、高級織物の一つですね。
そういう価値観の中では、糸が抜けたとか、ほつれたとか、絡まった物というのはキズであり、不良品です。売り物にならないと言われました。
ところがさをり織りでは、そこを「面白い」と捉えました。
糸がはみ出そうが、絡まろうが、ムラが出来ようが、それが個性になって、魅力になっていく。
計算もいらず、即興で心のままに織る。その人の心模様が出るとも言われます。
それまでの常識や既成概念から離れた、新しい視点の織物だったんですね。とってもアヴァンギャルドでしょ。
それだけじゃない、懐の深さ
さをり織りの「キズを個性に変える」というのは、短所を短所として見ないということでもあります。
人の嫌なところ、無意識に悪いと決めてしまっている所も、視点を変えたら何か違うものになるんじゃないか?
と思わせてくれるんです。
視点を変えるというのは、不安もありますよね。
ルールや決まりを変えるんだもの、怖いですよ。
でもさをり織りを見るとどうでしょうか?大丈夫そうじゃない?
ひとつひとつがばらばらであっても、決まりがなくても、ふしぎと調和というのが見えてくるし、その複雑な美しさというのを体現しています。
もしかしたら調和というのは作るものでなく、自然と出来てくるものの事を言うのかもしれませんねぇ。
私たちNPO団体の理念でもあります!
「違いを認め合える社会づくり」は私たちの運営母体NPOの理念でもあります。
人と人の違いを認め合い、尊重しあい、全然違うもの同士のままでも調和する世界を作りたい。そんな願いを、作品に込めているんですよ!
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