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じぶんは消せない

赤信号で待っているとき、行き交う車が見える。



どんな人か、どういう表情か、どんな気分か。



そんなことは当たり前だけど、見えるわけないから知る由もないはずなのだけど、おそらくみなさんも走ってる車の気分って分かりませんか?



もっと言うとドライバーの精神状態って、伝わってきませんか?



なんかイライラしてるな。急いでいるな。歩行者を待ってはくれたけど不本意だったんだな。ちゃんと左右を見ているな。落ち着いているな。


そういうのって伝わってきませんか?


車という物体を通してでも、テクノロジーでなるべく個性が出ないようにしてるはずの車でも、周囲の車と協調して走らねばならない運転ですら、こうやって個性や気分が滲み出る。


じぶんを隠すこと、殺すことはむずかしい。



芸事や武術の世界ではまず真似から入る。
完全にコピーして、完全にコピーできると思ったところに、コピーできていない色が出ている。
じぶんが顔を出す。


どうやってじぶんの色を出そうか。
そうやって悩んでいる人が時々いるが、おそらく隠そうとしても隠せないのが、じぶんの色なはずなので、どうか真似でもパクリでもコピーでも、誰かになろうとしてみるとよい。


そうなれないことに気付くから。


ドライバーの機嫌が車体を漏れ出してしまうように、真似した何かからじぶんが漏れ出してしまう。


じぶんはなかなか封じ込めない。



今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
言語外でたくさんのやり取りを交わしているボクらです。

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