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アートと矛盾:バンクシー展に行ってきた(ちょっとネタバレ有りなので注意)

昨日書いたように最近少しアートにはまっているのですが、先日、バンクシー展に行ってきました。

僕は社会問題(移民とか貧困とか紛争とか)にとても興味があるので、世界を駆けまわって作品を創るバンクシーの表現スタイルは、とても好きです。

さて、この展示会で考えたのはいろんな矛盾についてです。

まず、こんな作品があります。

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これは、人々をFoolしようとする広告一般への批判だと思いますが、この展覧会もめっちゃ広告宣伝費かけてるなーと思うわけです。タイトルの画像に貼ったように。

どんな広告は良い広告で、どんな広告は彼が批判するような「悪い」広告なんでしょうか?

こんな作品もあります。

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これは、バンクシー自身の作品を大金を払って購入する人を批判したものだと思われますが(I Can't Believe You Morons Actually Buy This Shit:こんなクソみたいな作品を買う人の気が知れない)バンクシーは自身の絵を売ってそれを活動資金にしてこうやってグローバルに表現の場を広げているわけです。それをどう解釈すればよいのでしょう。

最後に面白かったのは、これ。

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左の説明にあるように、ギャラリーや美術館の出口には必ずギフトショップがあって、来場者にできるだけたくさんの金を使わせようとしていることを暗に批判した作品かと思いますが

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もちろん、この僕が行った展覧会にも例によって例のごとく出口にショップがありました!

別に僕はこの展覧会を批判しているわけではなく、矛盾が面白いなーと思ったんです。別に矛盾が悪いものだとも思っていません

経済学者のシュンペーターの「資本主義の欠点は自ら批判されたいと願っている点だ」という言葉を思い出しました。

資本主義を批判して共感を得れば得るほどお金が儲かるんです。そうやって資本主義はより強固なものになっていくんでしょうか。

哲学者が資本主義を批判する本を書いて印税でもうけたり、アーティストが資本主義に批判的な作品を作って高額で売ったり、僕みたいな人間が資本主義に批判的なブログを書いたりしてPVを集めたり。。。

そんなことをいろいろ考えさせられる、いい展示会でした!!

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